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キャリア採用|03| 戦略から考えること、自身のクリエイティビティを試すこと

いろんな経験や思いの先でコンセントと出会い、ここでデザインに取り組むことを決めたメンバーたちを紹介する「キャリア採用」シリーズ。
今回は、異業種から未経験のデザイン業界へキャリアチェンジしコンセントに中途入社したウェブディレクターの田所和輝に、これまでのあゆみと現在の仕事、そしてこれからについて話を聞きました。



「自分はずっとこの業界にいていいんだろうか」という壁にぶつかった

—最初に就職した会社は貿易関係だったそうですね。

学生時代、外国語大学で英語を勉強していたんですが、安直に「このスキルを活かせる仕事というと、やっぱり貿易だろう」と思っていまして。通関の仕事だったので、1年目は毎日税関に行って、貨物検査の立ち会いをするという日々でした。

ただ、5年ほど経って30歳手前頃になると、ありがちなんですが「自分はずっとこの業界にいていいんだろうか」という壁にぶつかったんです。1,000人以上の社員がいる母体の大きい会社ということもあって、「定年まで勤め上げる」というのが社内の常識だったんですが、この先役職がついていく自分をイメージしたときに、あまり楽しくなるイメージがもてないと感じてしまって。

そんなとき、「ウェブデザイナーになりませんか?」という中吊り広告を目にしたんです。そこで「本当にやりたいのはこういう仕事だよな」と。

というのも、貿易会社の船や飛行機、トラックなどの輸送手段のアレンジ、それと通関手続きを一気通貫でやることのおもしろみは感じていたのですが、あくまでオペレーション業務。一方、デザインの場合は、個々人のクリエイティビティみたいなものをより生かせるのではと魅力に感じました。それにサイトに限らずですけど、ある程度残っていくじゃないですか。だから「自分がつくったモノをあとから振り返れるというのは、どんな感覚なんだろう」と考えたんです。

 

—その後、仕事を辞めてデジタルハリウッドに入学したとか。

失業保険をもらいながら職業訓練校に通うという選択肢もあったんですが、学べるソフトウェアがAdobeの古いバージョンだったりして。「これならあえて身銭を切った方が背水の陣で決心できるし、がんばれるんじゃないか」と思って、それでデジハリのインタラクティブデザイン専科というところでウェブデザインを1年学ぶことになりました。

最初は本当にゼロベースだったので、まずIllustratorで画像をトレースして、色を塗るというところから始まりました。そのうちAfter Effectを使うようになって、最終的にはHTMLを触ってサイトをつくって、それを卒業制作にしました。 

オーダー通りにつくるだけでなく、戦略検討からプロジェクトに入りたい

—そこから、すぐに制作会社に入社した、と。

ウェブデザイナーで仕事を探していたんですが、やはり最初は即戦力にはならないじゃないですか。でも、面接を受けていると、「デザイナーではなくて、ディレクターなら雇ってあげるよ」というところが多くあって。右も左もわからずの状態でしたがウェブディレクターとして入社しました。この会社には1年程度在籍していたのですが、自分以外にも未経験採用のウェブディレクターが多くいました。仲間内で切磋琢磨して勉強会などをやっていたのですが、やはり未経験同士だとだんだんと頭打ちになり、次第に「違う制作会社のやり方を学んでみたい」と転職を考えるようになりました。

転職には、デジハリ系企業の転職エージェントを利用しました。その際の担当者がものすごく優秀な方で、その後の転職の際もずっとその人にお世話になりました。

—3社目はどのような会社だったのでしょうか。

50人もいない程度の小さな制作会社です。そこの会社は代理店経由のプロジェクトが多かったこともあり、ナショナルクライアントの仕事にもいくつか携わることができました。ただ、この会社では、クライアントのオーダー通りにモノをつくることしかできなかったんです。しかも、社長1人が営業を行っていて、トップダウンでプロジェクトが用意される。そのような仕事をしているうちに、「もう少し自分も上流フェーズの戦略検討からプロジェクトに入りたい」と思うようになって、4年目に入ったあたりで転職活動を始めました。

転職エージェントはまたデジハリ系の会社を利用しました。そのときは担当者の方と夕方6時から面談を始めて、「5年後、10年後に何をやりたいか?」「そのとき、どんなビジョンをもてるようにしたいのか?」という話を4時間くらい続けたと思います。そうやって、面接を受ける企業を絞り込んだ中にコンセントの名前がありました。実は、そのときまでコンセントのことは知らなかったんです。

就職というのは「ご縁」。だからこそ、お互いに腹を見せ合う

—就職活動をする中で、コンセントはどんな印象でしたか。

まず、面接で出会った人たちに魅力を感じました。三次まで面接を行ったんですが役職関係なく仲が良さそうだったり、すごく純粋なキラキラした目で話を聞いてくれて。「なんか、おもしろい会社だな」と思いました(笑)。

あと転職活動時、他の会社からもいくつか内定をもらっていたんですが、その中でコンセントの社員数が一番多かったんです。人数が多いということは、それだけいろいろな価値観や考え方に触れられるということですよね。その点も魅力に感じました。

—ちなみに、面接時にはどんなことを意識しましたか?

就職活動をしているとき、「たった数回会って話をしたぐらいでは、その人のことや、その人の能力がわかるはずがない」ということをずっと考えていたんです。だから、就職というのは単にご縁なんだろうなと思っていたところもあって。

中途の場合は、自分を大きく見せて入社できたとしても、後々「やっぱり違う」となったら意味がないですよね。だから、ある程度お互いに腹を見せ合って、「うちの会社に合いますね」というところでマッチングできるのがベストなのかな、と。その点、コンセントに入社できたのは本当にラッキーだったと思います。

 

—コンセント入社後は、ウェブディレクターとプロジェクトマネージャーのポジションを担っていますね。

基本的に1年目は、プロジェクトマネージャーの下につくウェブディレクターという感じだったと思います。その中で、これまでのスキルセットに合わせてウェブのプロジェクトを担当することが多かったです。

現在は、ウェブ制作のプロジェクトに関してはプロジェクトマネージャーとして入ることが多いです。一方、UX/UIコンサルティングや、あと最近はアクセシビリティ関連のプロジェクトも数が多いので、そのようなところではディレクターをやりつつ、内容によってはプロジェクトマネージャーとしても入るという感じです。

コンサルティング的な立ち回りやコンテンツ戦略立案にも注力したい

—入社前のコンセントのイメージと比較して、実際に働いていた実感はどうですか。

先ほど話した通り、エージェントに紹介されるまでコンセントのことを知らなくて、当時のコーポレートサイトと口コミ程度の情報がすべてだったので、そこまで大きな乖離はないですね。コンセントは総じて穏やかな人が多いと思います。2021年にコンセントで新卒の面接官を担当させてもらっているんですが、そのときも社風として優しい人を採る傾向があると感じました。もちろんポートフォリオやスキルも評価しますが、性格や考え方のカルチャーフィットを重視しているように感じました。

あと、転職活動の際にエージェントから「コンセントは現場が強い会社」だと言われていたんです。私も最初に言われたときはあまりピンときてなかったんですが、入ってみて「なるほどな」と思いました。というのも、コンセントではみんなそれぞれがクライアントの方を向いて一緒にプロジェクトを動かすんです。営業やディレクターだけがクライアントに向き合っているのではなく、デザイナーやエンジニアも一緒になって提案します。しかも、そういうプロジェクトの情報が社内ですべてオープンになっている。そういうところはとてもおもしろいなと思います。

 

—最後に、今後の展望について教えてください。

転職の契機となった、「上流フェーズから戦略を考えられるようなコンサル的な立ち回りを増やしていきたい」というのはありますね。

そもそもコンセントは、戦略的なプロジェクトの設計からクリエイティブの開発までを一気通貫でできるということを強みにしています。クライアントは、ただ言われた通りにクリエイティブをつくる制作会社ではなく、クライアントが抱えるビジネス課題とその解決手段として最適な一手は何なのか、一緒に考えてくれるパートナーを求めています。

上流フェーズで戦略をしっかり練った上で、納得感をもって下流フェーズへつなげる、それを叶えるためのベストなQCD(Quality / Cost / Delivery)のバランスは何か、日々模索しています。またコンセントには、手を挙げたらサービスデザインのプロジェクトにもジョインさせてもらえる環境がありますし、そのような分野にもチャレンジしたいですね。

一方、現在Marketing & Engineering groupという部署にいるので、マーケティングの視点も活用できたらと思っています。最近は有志でマーケティングの勉強会も開いているので、そこで得た知見も活かしながら、クライアントのビジネス課題を解決するために最適なコンテンツをプランニングするコンテンツストラテジーの方面にも力を注げればと考えています。


/登場人物:株式会社コンセント|ウェブディレクター、プロジェクトマネージャー 田所和輝
複数のウェブ制作会社を経て、2019年に株式会社コンセントに入社。入社後は、プロダクトのブランドサイト構築や企業サイトのリニューアルを幅広く手がける。サイト構築やCMSなどのシステム導入以外に、UX/UIコンサル、ウェブアクセシビリティ推進支援など、デジタル領域全般のディレクションを得意とする。


インタビュー/柴崎卓郎 butterflytools
写真/牧野智晃 〔4×5〕


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