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内定者が聞く入社n年目デザイナーの現在地|Vol.3 佐山円未

この記事は2024年3月29日のWantedly記事の全文転載です。

就職活動をしていると、将来のキャリアについて考えたり、自分が数年後どのようになっているのかイメージする機会が多くあります。

実際に、コンセント先輩たちはどんな「現在地」に立っているのでしょうか。さまざまなバックグラウンドをもち新卒で入社する社員が、どのような仕事や経験を経て現在に至るのか、そして今後についてどのような目標を描いているのか。内定者(取材時、現 Product Design group デザイナー)の中井健太から、入社5年目でUX/UIデザイナーの佐山円未に話を聞きました。



偶然から始まったキャリアの中で気づいた、UXデザインのおもしろさ

中井 まず、佐山さんの現在のコンセントでのお仕事について教えてください。

佐山 User Experience Design groupにてUX/UIデザイナーとして仕事をしています。普段は自分で手を動かしてデザインする立場で仕事をする機会が多いのですが、近頃はデザインディレクションやマネジメントの立場でプロジェクトに携わることも増え、プロジェクト全体の進め方の設計や、メンバーがデザインしたものをレビューしています。同時にUser Experience Design Groupのチームマネージャーも務めており、チームメンバーが毎年期初にたてる目標に向けて活動できるよう1on1などを通したフォローアップを行ったり、個人の目標や本人がやりたいことと照らし合わせてプロジェクトのアサインを調整したりしています。加えてメンタル面でのサポートなど、仕事をするためのコンディションを整えるのもチームマネージャーの仕事です。

中井 現在User Experience Design groupに所属している佐山さんですが、この領域でキャリアを進めようと思った背景があれば教えてください。

佐山 実は元からUX/UIデザイン領域でキャリアづくりをしようという強い思いがあるわけではありませんでした。最初の配属先がたまたまそのグループで、プロジェクトを進めていくうちにUX/UIデザイナーになっていた、という成り行きで始まったキャリアでした。今も続けている理由としては、やってみたらとてもおもしろかった、自分に向いていると感じたからです。ユーザーとのインタラクションが発生することを常に意識するような、動的なデザインのおもしろさに気づき、以来UX/UIデザイナーとして仕事しています。これからアウトプットの形は広がり、変化していくとは思いますが、UX/UIデザイナーとして働くことは自分にとって自然なことだと今では感じています。

中井 UX/UIデザイナー、同時にチームマネージャーとしてさまざまなことを両立しているという印象を受けましたが、佐山さんの1日のスケジュールはどのように進むことが多いですか?

佐山 プロジェクトの進行状況や担当数によってスケジュールが大きく変動するため、ミーティング時間とデザインやその他個人での作業時間のバランスを考え柔軟にスケジュールを組んでいます。クライアントワークに加え、組織上のチームマネージャーとしての業務も行います。私のチームには3人のデザイナーが所属しており、中には若手のデザイナーもいるので、彼らと話す時間も設けるようにしています。現在は4つのプロジェクトに携わっているためミーティングが多く、1日の流れは以下のようになっています。


チームを牽引するする立場になって気づいた、広い視点でデザインをする大切さ

中井 プロジェクトに携わる上で大切にしていることはありますか?

佐山 デザイン面では、ユーザー目線に立てているかと、自分のデザインが最近のトレンドや、一般的に受け入れられているデザインからずれていないかです。常に自分をアップデートするためにも、他のデザイナーからオープンに公開されている情報やナレッジを定期的にチェックするようにしています。 ディレクション面では、目の前のプロダクトからクライアント、そしてさらにその先のユーザーに意識の幅を広げることです。デザイナーとしてデザイン作業をしている時は、目の前のプロダクトにだけ目が向いてしまいがちですが、全体が見えていないと、クライアントと足並みが揃わない事態に陥ってしまいます。ディレクションをする立場になったことで常に全体を意識して作業することの大切さに気づけたので、今はプロダクト、クライアント両方に目が向いた進行ができているかを意識しています。フィードバックをする際も、クライアント、ユーザーを視野に入れたデザインができているかを基準に行い、デザイナーが常にユーザーに意識をもって作業できるような環境づくりを重視しています。

中井 一歩引いた立場から見ることで得られる考え方だと感じるのですが、佐山さんはどのようなことがきっかけでこの気づきを得たのでしょうか。

佐山 デザインをするメンバーという立場から、ディレクションを行う立場になったことで得られたものだと考えています。ディレクションをするようになったばかりの頃は、フィードバックが必要な場面でどんな伝え方をするべきか悩んでしまい、遠慮してしまった部分もありました。しかし、ディレクションをする立場としてクライアントと関わる中で、私たちがクライアントにお渡しする成果物が世に出ていくので、常に高い品質を保つ必要があると気づきました。今では、クライアントやユーザーに使いやすいと思ってもらえる、コンセントにお願いしてよかったと思ってもらえることを第一に、に伝えるべきと思ったフィードバックはしっかりと伝えるよう意識しています。

中井 コンセントでは、ロール(職種)に基づいた組織上のチームが存在し、プロジェクトに対してはそのチームを横断して必要なスキルを持ったプレイヤーが集まってプロジェクトに対応するという形をとっていますが、組織上のチームマネジメント(チームマネージャーの仕事)をする上で大切にしている軸などありますか?

佐山 チームマネジメントという点では、2023年からチームマネージャーを務めており、自分もできることを少しずつ広げながら行っているので、軸は今まさに模索中です。ただ、チームマネージャーができることは意外と限られているということに気づきました。メンバーが日々の業務の中で一番密接に関わっているのはプロジェクトチームのメンバーやチューターなので、チームマネージャーの自分がメンバーに何か教える機会は多くありません。できることが限られた中でチームマネージャーとしてどう行動するかを考えた時に、メンバーが身体、精神面共に健康に働けているかどうか、各々が設定した目標に向けて活動する上で何か困っていないかなどを気にしながら要所要所でアプローチしていくことが大切なのだなと気がつきました。特に若手のデザイナーに対しては、仕事で躓いていることがないか、会社生活で何か困っている事はないか、など気にかけることを意識しています。


仕事の広がりによって変化したマインドセット

中井 入社1年目から5年目にかけて、できることなど広がっていったのではないかなと思うのですが、自身が感じる大きな変化などありますか?

佐山 2点あります。1つ目は、ある情報に対する解像度とそれを自分のものにするスピードが上がったことです。チームマネージャー、そしてディレクションをする立場になったことで、日々自分のもとに入ってくる情報の量は格段に増えました。プロジェクトに関する情報に加え、コンセントで働く人の情報が大量に入ってきます。処理しなければいけない情報が増える分、その解像度を上げなければいけないので、一つひとつの情報の解像度、そして情報を自分のものにするまでのスピードの双方が上がりました。解像度が上がったことで次のアクションのための選択肢も増えるので、仕事をする中でより良い動き方ができるようになったなと感じます。 2つ目は、仕事をつくり出す能力が身についたことです。基本的にメンバーが次のプロジェクトを探すときはチームマネージャーが一緒にその作業を行うことになります。常にメンバーの状況やスキルを把握しながら、新しい仕事をつくれるようになったことに、自分の変化を感じます。

中井 佐山さんは、どんな時に成長を感じますか?

佐山 失敗した時に大きく成長したなと感じます。もともと失敗を恐れるタイプではないのですが、UX/UIデザインなど、つくって試すことの多いプロジェクトに多く参加してきたことで、失敗したから得られるインサイトや発見により重きを置けるようになり、むしろ失敗が成功に繋がるのだという考え方が根付きました。入社当時の私のチューターがこの考え方を教えてくれました。例えば自分が出したアイデアがユーザーに必要ないと言われても、失敗ではなく「現状のプロダクトをユーザーが必要としていないということがわかった=前進」だねと言ってくれたので、自然に同様のマインドセットをもてるようになりました。今はディレクションする立場として自分が学んだ失敗を前身と捉えるマインドセットを共有する側なので、積極的に周囲に伝えるようにしています。

中井 記憶に残っているプロジェクトはありますか?

佐山 長谷工コーポレーション様のHOLiY(ホーリー)というサービスの開発支援プロジェクトが一番記憶に残っています。新卒で入ってから3年間、UX/UIデザイナーとして最初のコンセプトづくりからローンチまで携わり、社会人として、UX/UIデザイナーとしての基本的な部分だけでなく、プロダクト開発の一連の流れ、その後に活きる姿勢を学びました。

長谷工コーポレーション   賃貸マンションオーナーと管理会社をつなぐサービス「HOLiY®」開発支援
https://www.concentinc.jp/works/haseko_holiy_202301/


中井 佐山さんが学んだプロとしての姿勢とは具体的にどのようなものでしょうか?

佐山 認識を合わせる工夫を常に行うことです。プロダクト開発を進める中で、言葉の取り違えなどによって起こる認識のずれは進行の大きな妨げとなります。認識合わせのためにクライアントが使う言葉の意味を細かく伺ったり、聞いたことを図に起こして自分の解釈を共有することで、思い込みによる認識のずれをできる限り減らす工夫をする姿勢はプロジェクトに携わるプロとして非常に大切です。この姿勢を初期に学べた経験は今にもつながっていると感じます。


コンセントでの5年を経た今、目指すデザイナー像

中井 今後、挑戦したいことはありますか?

佐山 UX/UIデザイナーとして、デザインから更に広い視点でプロダクトに関わることです。プロジェクトに携わる中で、プロダクトがどのようにユーザーに使われていき、成長していくのか、という点にさらに興味をもつようになりました。デザイナーがビジネスの視点でプロダクトの成長戦略を考え、行動できることは、プロジェクトを進める上でクライアントと足並みを揃えるためにも必要です。プロダクトの成長を考えることはすでに仕事の中でも行っていることですが、今後はもっと業務の中で成長戦略面で貢献できる幅を増やしたいと考えています。


中井
 最後になりますが、デザイナーを志す学生や、私のようなこれから入社を迎えるメンバーに対して、佐山さんからメッセージやアドバイスがあれば教えてください。

佐山 「やったことがないこと」「あまりよく知らないこと」でも前向きに取り組んでみて、自分自身の新しい可能性を探ってみて欲しいです。新卒で入った当初はなんとなくデジタルに対して苦手意識があった自分が「デジタルツール」やそれを支える「しくみ」をデザインするお仕事にこんなにもフィットしたことにとても驚きましたし、コンセントに入社して、トライする機会を得られたことは、とてもよかったなと今でも感じています。

また、自分のチームをもったり、先輩デザイナーとしてアドバイスする立場になったことで、デザイナーとしての成長につながったり、自分の知らなかった一面ややりがいも知ることができました。

自分がこれまでやったことがないことに挑戦することに不安を感じることもあるかもしれませんが、その先に思いがけないチャンスが転がっているかもしれません。ぜひ、たくさんのことに挑戦し、自分の新しい可能性を探ってみてください!一緒に働ける日を楽しみにしています。



/登場人物:Product Design group UX/UIデザイナー 佐山円未
筑波大学芸術専門学群、同大学院を修了後、2019年にコンセントに入社。 BtoB/BtoC問わず、アプリケーションをはじめとするデジタルプロダクトの開発プロジェクトを中心に、ディレクション・UX/UIデザインを行う。

/執筆:内定者(取材時、現 Product Design group デザイナー)中井健太
早稲田大学国際教養学部を2023年9月に卒業。2024年4月にコンセント入社。在学中は社会学を専攻し、誰も取り残されない社会づくりについてマイノリティの視点から研究。大学3年時に経験したロサンゼルス留学でUX/UIデザインに出会い、デザインを仕事にしたいと考えコンセントへの入社を決める。

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