邪念
本日のご飯、タピオカを買うために商店街のスーパーへ行く
ここのスーパーは全6階建となっていて
1階から野菜売り場
2階精肉・鮮魚売り場
3階お惣菜・乳製品・お菓子売り場
4階調味料売り場
5階ナタデココ・タピオカ売り場
6階味噌売り場となっている
街の主婦曰く
「5階は行くけど6階ほど用がねえものはねえ」
とのこと
ふとそんなことを思い出しながら、5階のタピオカ売り場へ
ここの階には本当にナタデココとタピオカしか売っておらず、なんせナタデココとタピオカなので種類すら少ない
しかしいつ来ても一定数のお客さんは必ずいるので
世の中ではナタデココとタピオカが必要とされていることがよくわかる
無事にタピオカを買え、時間にも余裕があったので6階の味噌売り場に向かう
ちなみに1階の野菜売り場はいつも主婦でごった返している
その1階とは打って変わって、やはり6階は人気のない場所だった
周囲を見渡すと1人の主婦と1人の店員しかおらず、とても静まり返っていた
商品全体を見通したが、ここの売り場はどうやら、北から西にかけて46種類の(長野県を除く)味噌が軒並み並んでいるコーナーだった
味噌を買う予定は無かったが、個人的に長崎の味噌が好きなので買うことに
すると、先程いたもう1人のお客さん(主婦)の怒鳴り声が聞こえて来た
盗み聞きをしているところ
どうやらそのお客さんは長野出身で、地元の味噌が食べたかったとのこと。
・しかしなぜピンポイントで長野県が無いんだ
・私の運が悪いのか
・なんで今日の占い最下位だったのか
とブチ切れていた
3分の2はよく分からないが、理不尽なキレ方をされている店員さんが可哀想だった
しかし、その店員さんは微動だにせずずっと飄々としている
すると店内放送でレジ応援の声がかかり、キレられていた店員さんは1階へと向かってしまった
その態度にキレたお客さんは
厭々購入した他県の味噌を、エコバックに叩きつけていた
デジャブかと思ったが、顔を見るとまさにあの澤田シリカゲル邦子だったのだ
どこのお店でも素行が悪いのかと呆れ返ったが
あの時同様、叩きつけられた味噌が床にポタポタと零れ落ちていた
売り場にぽつんと1人取り残された私は、仕方なく味噌を戻し、エスカレーターで1階へと戻る
途中、魔が差した私は3階と4階で交わるエスカレーターにてすれ違った見ず知らずの主婦に手を振った
相手は戸惑いを隠しきれていなかったが、ニコニコしながら手を大きく振り返してくれた
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