大きな怪鳥
大きな怪鳥が大きな岩の上にとまってじっと僕を見ている。
その大きな燃えるような真っ赤な3つの目玉で。
こいつア、どうにかしないといけないと内心思いつつ、その場から1ミリも動けないでいる辺り、僕は彼(彼女?)の恐怖に支配されているらしい。
「汝、何者なりや?」
怪鳥が人語を発したとしても驚きは薄く、僕はぼんやりとただそれを見上げるだけだった。
僕が何者であろうとも、彼(彼女?)は僕を食らう腹づもりでいるだろう。
「汝、何者なりや?」
それはまた同じ問いを繰り返す。
僕は小さく溜め息をついて、
「僕が何者だろうとアンタには関係ないでしょ」
と答えると、怪鳥はいよいよ目玉を炯々と光らせた。
ついに僕の死が目の前に現れたような感覚さえ覚えた(先程からだが)。
僕の吸う酸素がなくなるくらいの勢いで怪鳥は息を吸い込むと、
「いや、それなりにちゃんと答えてくれないと困るんだよね」
と大きな溜め息と共に言葉を吐き出した。
僕はあまりに滑稽な光景に吹き出してしまった。