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それでも桜は美しい。

「あのね、ママのママは桜の時期に亡くなったんだよね。大切なお友達のお父様が亡くなったっていう話を聞いて、あー、桜の時期にお別れなんだなぁ…、きっと哀しい時間を過ごしているんだろうなぁ…って、ちょっと色々考えちゃったり、思い出したりしてたの。

あとね、コンゴっていうアフリカの国から戦争で逃げてきたお母さんがいるんだって。娘ちゃんや息子くんくらいの歳の女の子を連れて、お腹に赤ちゃんもいるから息子くんが産まれた助産院で出産するんだって。知り合いが一人もいなくて、言葉も通じない国で、こども二人連れて、、、きっとすごい大変なんだろうなーって思ったら涙が止まらなくてね、ママは東京までお手伝いに行けないから、寄付をしたの。息子くんが産まれる前も桜が綺麗で、でもコロナが始まった頃で、入院中に最初の緊急事態が発生して娘ちゃん保育園行けなかったりして、大変だったなーとか、でも色んな人に助けてもらったなーとか、ちょっと思い出しちゃった。

なんかね、桜を見てたらそういうこと色々感じちゃって、ママは今、ちょっと哀しい気持ちになっちゃってるの。だから、今日はママ、元気ないんだよね。哀しい気持ちになってる時は、泣いたり、哀しんだり、この気持ちでいるしかないと思うんだけど、、、元気ないだけだから、心配しないでね。」

春分の日、生命の始まりと終わりに想いを馳せながら、でも我が家では夫の誕生日を楽しくお祝いしていたんだけど、翌朝、私はちょっと心が沈んでいた。奇しくもホームスクーリングデイな娘と自宅保育中の息子が二人揃って家にいる日。元気のない私を二人が心配していたら嫌だな、って思って、朝、ちょっと目に涙を浮かべながら、素直に娘に伝えてみたのだった。

そしたら…!

「桜ってさ、綺麗だけど、色々思い出して哀しくなるよね。去年の今頃、オルタナティブスクールの先生もいなくなっちゃったし、今年もお友達が辞めちゃうし。。。結構、春って別れの時期なんだよね。。。」

と、言いながら、涙を流し始める8歳の娘。

「そうなんだよー!哀しいよね。哀しいから泣こうかー!!」

と、娘と二人で号泣していたら、夫がびっくりしていたのだった笑

「ほら、だって、哀しい時は泣いた方がいいでしょ!!」

夫の反応を見て、笑顔が戻る私と娘。ただ哀しくて、泣きたい時は、泣いたらいい。そしたら、ケロリと笑顔になれたりしてしまうのである。いまだに母を想って涙したり、不安だった過去を想い出したり、命日反応が起きたりしているけど、涙をたくさん流したら、あとは鳴いたカラスがすぐに笑うだけ…!

そうはいっても、簡単には気持ちが切り替えられるわけでもない。ので、昨日はこどもたちとお花見に行くことにした。菜の花と桜と海を一望できる糸島の絶景スポットへ…!海の音を聞きながら、ぼーっと自然の中に身を委ね、美しい桜や菜の花、そしてその向こうで静かに佇む海を見ていてら、気持ちがすーっと落ち着いてきたのでした。

走り回る息子を追いかけまくったあとは、娘は自然の中で塗り絵をして、私は手帳とゆっくり向き合って、息子はポケモン図鑑を眺めて、一緒にいるけど、それぞれ自分の時間に入る。そんなひと時を過ごして、すっかり回復した私たちだったのでした。

桜によって、哀しみを想い出したけど、それでも桜は美しい。そんな桜に救われた一日でもあった。

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石島小夏
3-5年後に家族で世界に飛び出します、たぶん◎