ひなた
昔話、残っている記憶
ランダムに選定した言葉の組み合わせから一枚の絵を描き、それに付随した話のようなものを書いています お題に用いる言葉の数は5〜9語 他の絵と言葉が被った場合も重ねて使用しています 更新頻度は今のところ不定期です
ひるがえる節の風に 仕合わせの花を見る
ほころぶ指の間に夏かぜの名残
やわく結んだ花弁から ゆるりと伸びるアサガオの指
慣れた歌詞に初めての声を聴く
たわむ穂に いつかの海を見る
手を引かれ 色付きたるは 紅葉の帳
草の露白 葉に撫でられた ひと雫の暖かさよ
白昼こそ不知火薄らめ
かろくなる風にひぐらしの声をきく
朝顔の影を俯けば 蟻の列 抱える残火に 待たるる日を見る
未だ来ずをついばむ一振り 禾すなはち登りけり
台の目に 隠れようぞ蝉時雨
鉄の箱が向かいの人たちをさらう 野分の雨中に通常運行
色なき風 連れる土の香 里も知らずに
落ち葉掃く 名前も知らぬ 管理人 交わすおはよう 知れる気心
稲妻に 明るみになる雲の群れ 燈せ勇めと この谷の上