【無限大の一枚の絵】2024/07/30
絵本は言わずもがな”絵”本であり、一枚の絵からたくさんの情報や感情を受け取ることができます。谷川俊太郎展では、日本の絵本はセンチメンタルに訴えかけるものが多いが、いろんなものを含めすぎない絵本づくりがしたいのだと谷川さんが語られた掲示がありましたが、それは絵本をどう楽しむかは受け取り手に任されるべきだという意味だろうと思います。
私が好きな絵本は一枚の絵が印象的なものが多いです。例えば『しろいうさぎとくろいうさぎ』。ずっと一緒にいられることを願い、それが叶うこと知ったときの黒ウサギの表情。懸命さと驚きと、喜びと幸せがつまった、耳がピーンと立ってまんまるお目々の一枚の絵。あるいは『チーロの歌』の、世界が広く美しいことを知ったチーロの表情。一枚の絵に描くことができる範囲は限られますが、伝わるものは無限大です。
柳田邦男さんは大人こそ絵本を読もうと語られています。子どものときに読んた絵本、自身の子どもに読み聞かせた絵本を再度読んでみると新たな気づきがあります。大人になって初めて触れた絵本ではその奥深さに驚くかもしれません。この夏、ぜひ絵本を手にとって楽しむひとときを作ってみてください。
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