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井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #36
「失敗がこわい」をどう乗り越える?
高学年の子どもたちの対話から①
間違えるのがこわい、失敗するのがこわい――。大人も子どもも、誰だって抱く思いです。
子育ての長期的な目的のひとつが、子どもの「自走」であれば、「失敗」との付き合い方はとても大事です。間違いや失敗を恐れてばかりいると、前に進めません。
さて、以前の回(#32 )で、「Co-musubi」小学校高学年ミーティングの「授業博覧会」を取り上げました。実はこれには続きがあります。
そのときの対話で、複数の子どもたちから、「間違えるのがこわい」「失敗するのはこわい」といった声が上がりました。そこで翌月の子どもミーティングまでに『失敗図鑑』という本を各自で読んでくることになったのです。
「みんながこわいと感じている『失敗』とは何なのか、どういうことなのか。この本を真ん中において、素直な気持ちを出したり、お互いの声を聞いたりしながら、建設的な対話ができたらいいなと思いました」と井上さんは意図を説明します。
『失敗図鑑』(大野正人著、文響社)は、歴史に名を残した偉人たちの失敗に焦点を当てた本。そもそも偉人たちは「成功」したからこそ、伝記などになっているわけです。でも、この本では、孔子、夏目漱石、スティーブ・ジョブズ、ウォルト・ディズニーといった偉人たちの「失敗」の数々が紹介されています。
子どもたちは「失敗」について、どんな対話を繰り広げたのでしょうか。
(#37につづく)
書き手:小林浩子(ライター・編集者/小学生の親)
新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ねる。現在、米国在住。