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井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #25
親子の間にある「対話めいたもの」④
「空振り対話」も積み重ねに意味がある
親子の間に「対話めいたもの」と「対話」があるとすれば、「対話」とはどんなものでしょうか。
・問いかけによって本当の気持ちが出てくるもの
・問いが重なりあって発展していくもの
・一瞬で解決することではないもの
・それぞれが信じているものをお互いに受け入れるための手法を探るもの
まだほかにも考えられそうです。
「小さいころから対話をしていたらそれほど難しくないと思います」と井上さん。
しかし、親が問いかけたからといって、すぐに対話が成立するわけではありません。特に子どもの年齢が低いうちは、問いかけても何も返ってこない「空振り対話」も多いでしょう。
「対話は、それを積み重ねるプロセスに意味があると思います。親が対話しようとして、問いかけが空振りに終わっても、その丁寧な積み重ねにこそ意味がある。積み重ねた結果、思春期になっても親子で話せる関係性に至ることができると考えています」
一方、前述(#24)の「対話めいたもの」を「対話」だと誤解して積み重ねてもいいことはないかもしれません。「対話めいたもの」と「対話」を親が見分けていることが鍵のような気がします。
(#26に続く)
書き手:小林浩子(ライター・編集者/小学生の親)
新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ねる。現在、米国在住。