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中高生と、映画から英国の歴史を紐解き学んだ多くのこと。

代表理事の井上です。

今月の中学生(+高校生)は映画から歴史をストーリーとして学びました。

まずは「ウィンストン・チャーチル /  ヒトラーから世界を救った男」を事前に各自で視聴し対話会を行いました。


アカデミー賞にて主演男優賞、メイクアップ賞を受賞した作品です。
ウィンストン・チャーチルを演じたのはゲイリー・オールドマン。
個人としては、1994年の作品「レオン」で狂気の刑事を演じた印象がとても強く、25年の時を経て彼が演じたチャーチルの姿にとても驚きを感じ印象が大きく変わりました。
憑依型と言われる俳優の天才性を感じます。

それはさておき、本作は「英国一型破りな男が、ダンケルクの戦いを制し、歴史を変えた。」実話に基づいたストーリー。

1940年、第二次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれるなか、ヨーロッパの運命は、新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手に委ねられた。度重なる失策から“政界一の嫌われ者”であったチャーチルは、政敵たちに追いつめられながら、ヨーロッパのみならず世界にとって究極の選択を迫られる。ヒトラーに屈するのか、あるいは闘うのか 。
「世界のCEOが選ぶ、最も尊敬するリーダー」(2013年PwCJAPAN調べ)に、スティーブ・ジョブズやガンジーを抑えて選ばれた伝説の政治家チャーチルは、最大の国難に直面したその時、いかにして人びとに勇気と希望を与えたのか? チャーチル没後に公開された戦時内閣の閣議記録によって明らかとなった実話を基に、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる27日間を描く、感動の歴史エンターテインメント。
映画公式サイト イントロダクションより引用

この対話で中高生には、
・第二次世界大戦禍の状況をた他国の立場から知る大切さ
・スピーチの力(言葉の力)
・チャーチルとヒトラーの違いと共通点を探る目を持つこと

この3点を伝えました。

翌週は、「英国王のスピーチ」
こちらも事前に各自で視聴し、対話を行いました。


こちらの作品は、アカデミー賞で作品賞など4部門受賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞しています。

吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世(コリン・ファース)と、その治療にあたったオーストラリア(大英帝国構成国)出身の平民である言語療法士(ジェフリー・ラッシュ)の友情を史実を基に描いた作品。
wikkipediaより



1925年当時、ヨーク公アルバート王子の立場で出席した大英帝国博覧会閉会式。父王ジョージ5世の代理として演説を行うも、吃音症のために悲惨な結果に終わったシーンから映画ははじまります。

そして、オーストラリア人の言語療法士ライオネルとの出会い、葛藤、友情、吃音を克服する努力が描かれるとともに、国王の崩御、引き継ぎ即位した兄が一年足らずで退位、自らが国王として即位。そして1939年、9月1日、ヒトラー率いるドイツ軍がポーランドに侵攻、9月3日に英国はドイツに宣戦布告し第二次世界大戦がはじまり、国民に向けてジョージ6世がラジオで国民を鼓舞するスピーチを行うまでの実話に基づいたストーリーを追うことができます。

そうなんです。お気づきのように、前週に視聴した「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」は、「英国王のスピーチ」のその後のストーリですね。

中高生たちは、
「チャーチルの映画にもジョージ6世がいた気がする!」
「英国王のスピーチにもチャーチルがいましたね。」
と、発見。

「ウィンストンチャーチルの映画で、国王が急にチャーチルの自宅を訪ねてくる描写があったけれど、ライオネルとの関係を知るとその行動にも納得が生まれて面白いよね。」と私の見方も共有しました。

中高生からは、
「国王のような立場の人でも、吃音のような困難を抱えていて、でもそれに向き合い克服する姿に励まされた。」

「歴史にはストーリーがあるのだということを改めて感じました。」
という感想がありました。
また、
「言語療法士のライオネルは、相手の国王という権威に対し忖度せずに、吃音の治療を優先するためにフラットな関係を結ぶ勇気に感銘を受けた。」
と、プロフェッショナルなあり方に目を向けた中学生もいました。

またこの映画にも登場したジョージ6世の娘たち。
その長女は、現在のイギリス連邦王国女王であるエリザベス2世であることにも注目。

ジョージ6世が第二次世界大戦という国難の最中、スピーチの力で国民の心をまとめたように、今、コロナウィルスの脅威の中にあるイギリスにて、エリザベス女王もまた国民を励まし、その努力を讃え、心を一つに乗り越えようとスピーチをしたことを知りました。


また、同じように吃音を抱えながらも活躍しているたくさんの人たちの存在も知りました。


先日、アメリカ合衆国第46代大統領に就任したジョー・バイデン大統領もその一人です。

中学生からは、
「難が有ると、自分でそれを克服しようという努力をするし、周りの人も手を差し伸べてくれる。そういうことで人の器は大きくなっていくから、難が有ることを悪い方向で捉えるのではなくて、自分を成長させる糧にしていきたいと思いました。」
という感想がありました。
また、
「克服するよう努力することも大切だけれど、一方で折り合いをつけて共存していくことの大切さも感じました。」
という感想もありました。

この回では、
自ら学ぼう。
このようなストーリーをきっかけにして、過去の人々が紡いできた歴史を自ら学ぼうとすることが大事。
言葉の力はすごい。
相手に寄り添おうとする心からの言葉は相手の心に響く。
そういうその人だからこそのスピーチは、力を合わせて越えていく力を生み出す。
困難は糧になると知ろう。
困難を克服しようとする努力は、自分の器を大きくしてくれる。
誰かの困難を理解し寄り添う寛容さにもつながり、誰かを励ますことができる。

この3点を中高生に伝えました。

他国の立場に立って考えること
今の困難に向き合うとき、歴史から学べることが大いにあること

そして、映画っていいよね、ってこと。

中高生たちと共に考えることができた幸せと感謝を感じます。

最後まで読んでくださった方も、ありがとうございました!


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