見出し画像

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #40

怒られるから「失敗」?怒られるから「失敗が嫌」?
高学年の子どもたちの対話ドキュメンテーション⑤

(#39の続き)

 さらに、子どもたちの身近な「失敗」である「忘れ物」について、本質的な対話になりました。怒られるから「失敗」なのか、怒られるから「失敗が嫌」なのか、、、。

「例えば忘れ物をしたとき、『あちゃー』とがっつり落ち込む人と、『まあ次頑張ればいいか』と思う人がいると思う。みんなはどっちですか」
「どっちでもない。先生に怒られるのが面倒、みたいな」
「確かにそれは思う」
「忘れた回数にもよる。何回も忘れていると、どんどんネガティブになっちゃう」
「5回くらい連続で音楽の授業で忘れものをしてめちゃくちゃ怒られている人がいた。それは明らかな失敗かなと思った」
「忘れ物をしたとき、それを隠せそうだったら隠そうとする人もいるけど、それは失敗が悪いことだと思っているからなのかな?」
「忘れ物の内容にもよるのでは? 忘れたら先生にすごく怒られるものだと、先生に怒られたくない気持ちが大きくなるかもだし」
「忘れたことで何かができなくなるから失敗なのか、先生に怒られたり、『あの子忘れたね』とみんなに思われるから失敗なのか。みんなはどれだと思う?」
「先生に怒られるほうが失敗かな」
「私もそう思う」
「僕は忘れたこと自体が失敗かな」
「何が失敗じゃない、かな?」
「失敗じゃないことを探すのは難しいかな」
「どうしたらポジティブになれるのかな」
「先生が怒ってこなければ」(全員笑う)

「私は、忘れ物をしたとき、『次持ってくればいいか』『次に持ってくるから問題ない』と気にしない。『次がある』と考えられれば失敗は怖くないと思う。みんなはどうやって失敗を乗り越えますか」
「私は、言い訳を考える。言い訳を考えて『大丈夫』『大丈夫』とポジティブに思うようにする」
「僕は学校に予備の筆箱を置いている。怒られないように予備を置いてる。でもたとえ怒られても、怒られて終わりだから別に大丈夫」
「僕は失敗しても、次の対策をするための経験になるって思えばいいと思う」
(みんな口々に)「確かに。そういう考え方ありかも……」
「僕は、その日は好きなことだけして忘れます」

(#41に続く)


いいなと思ったら応援しよう!