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オオスカシバとの出合いが呼んだ日々の喜び

オオスカシバをご存知ですか?

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ホバリングをしながら蜜を吸う、小さくもふもふの美しい蛾なのですが、ある日の何気ない問いかけから、次々と点が繋がり一気に線となってとてもワクワクする刺激的な学びになったコミュニティでのエピソードをご紹介します。

ある日、自転車で帰宅したところ、目の前に小さくてきれいなうぐいす色をしたモフモフした生き物がホバリングをしながら蜜を吸っているところに出合いました。

「何だこの子は〜!かわいい〜!」と、急いで自転車から降り動画で撮影しようとしたのですが、飛び立ってしまいほとんどその姿を捉えることができませんでした。
しかし一縷の望みをかけて、2秒間ほどの遠目に撮影したかなり不鮮明な動画をコミュニティに共有し、
「ホバリングをしながら蜜を吸っている小さな生きものを知っている人はいませんか?」と聞いてみました。

すると、「ホバリングして蜜を吸うオオスカシバという蛾ではないか。」とすぐに返信がありました。

調べてみると、確かに!このうぐいす色したモフモフ感が似ている気がする。

さらに夜になると、帰宅した小6の虫博士くんが、動画を真剣に見て、やはり「オオスカシバじゃないかな」と。
その理由は、

・ホバリングしている
・蜂っぽい
・葉っぱがどれくらいの大きさかわからないけれど、これくらい繁ってると鳥は中に入りにくい。

ここから虫と考えられ、緑と黒が見えるから、オオスカシバじゃないかと推測してくれたそう。

おお!いい推理!
不鮮明で分かりづらい動画が、むしろ推理を楽しむのにはよかったのかも。と、ポジティブに捉え一人ニコニコしていると、オオスカシバの幼虫の話に。
すると、虫博士くんがイモムシハンドブックを見せてくれました。

イモムシハンドブック


ここにオオスカシバが載っているよ、と見せてくれたページ。
何気なく見ていたら、記憶が甦りました。

イモムシハンドブック2


「.... あれ !!  このトンガリ、見覚えがある... 。
もしかして、1年前にも同じように私が写真をシェアして、虫博士くんに聞いたことがあるけれど、あの時のイモムシに似ている気がする。」
と、急いで写真を探し見比べてみました。


イモムシ3


「確か、あの時も蛾だって言っていたよね。」
あんなにきれいなイモムシなのに蛾の幼虫なんだ!と驚いた記憶が残っています。
「もしかしたら、このイモムシはオオスカシバの幼虫だったりするかも。」
ここで点と点がつながったらなんか感動!と、虫に詳しくない私としてはドキドキ。
虫博士くんの母と一緒に盛り上がっていました。
そして翌日。
その日のプログラム(SDGsについて高学年の子どもたちと新しいアイディアでの解決について話し合った)後に、
「残念なお知らせがあります。」
と虫博士くんの母から連絡が。

(あれ?SDGsの学びの中に、何か問題があったかな?)と思いドキドキしていると、

「昨日の幼虫、オオスカシバじゃなかった。」と。
「そっち〜!!」
とずっこけてしまったのですが(笑)、気持ちをSDGsから昨日のイモムシの話題にシフトチェンジ。
虫博士くんいわく、「特徴が違うんだ。」
彼の見立てでは、「スズメガの仲間だと思う。」と。

確かに、1年前もスズメガだと教えてくれた!と記憶が蘇り、1年の時間を越えてつながったらすごいなぁって思ったけれど、そううまくはいかなかったか。

と落胆しつつも、もう一度調べてみると、
「 !!!  オオスカシバってスズメガ科だ !! 」


「もう一度繋がりました!」


その後も、虫博士くんの推理は続き、不鮮明な動画を見て
「オオスカシバが蜜を吸っている花はなんだろう?」
「クチナシの花かな?」

など、推理と記憶と情報とを結んで共に知る時間のなんて楽しくて豊かなこと。
心がワクワクして、おかげでオオスカシバのことが大好きになりました。

この「大好き」という想いは、人から人へ伝わっていきます。

日常で偶然に出合う素敵な種を、継続性の中で共に熱量高く興味を持ってくれる人がいると、知ることってこんなにもカラフルで、自分の中に気持ちよく吸収され、そして心を踊らせてくれるのだと改めて実感できました。
コミュニティで学ぶよさですね。

とても楽しかった。
虫博士くん、本当にありがとう。


さて、後日談として、この後にコミュニティ内では「オオスカシバを初めて見た!」という喜びの報告が次々と届きました。

意識することで、これまでは見えていなかった素敵な存在が見えるようになってくる。
見えるもの、気づくことが増えたら、日常がワンダーランドになりますね。






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