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なめられ太郎五代目が本当に赤ちゃんにウケるのか試してみた

ピープル、という会社をご存じだろうか?  

乳幼児向けのおもちゃを作っている会社だ。  


ネットで、この会社では「赤ちゃんが出社している」という記事を読んだ。  

正確には、社員が子ども連れで出社したり、モニターの赤ちゃんなどがやってくるそうだ。  

赤ちゃんの様子を観察することで、商品の開発や改良に活かしているという。  

ピープルが目指すのは、「親ウケ」のよいおもちゃではなく、「赤ちゃんにウケる」おもちゃなのだそうだ。  

なるほど。たしかに、赤ちゃんのおもちゃほど、カスタマー(使う人)とスポンサー(お金を出す人)が違う商品はないだろう。  

企業的には、スポンサーを重視したくなるが、そこであえて、カスタマーを重視するというのが、面白いなと感じた。  

同時に、本当に赤ちゃんにウケるのか気になったので、商品を購入してみることにした。  

購入したのは「も~っと! なめられ太郎 五代目」。  

なんだその大阪人の心に刺さる商品名は。  
ちょっとださくて、個人的に好きだ。  
しかもお値段も悪くない。  

期待を込めて、さっそく7ヶ月になる息子に与えてみた。  

・・・・・・  

ちょっと興味持った。すぐに離した。  

ワンモアトライ。  

ちょっと興味持つ。  
でも、めっちゃ食いつくという感じではない。  
嫌いではないので、渡されたらとりあえず持っとくけど、という感じ。  

親目線で買った見た目ラブリーな歯固めは、一瞬にして捨てられ、持たせ続けることもできなかったので、とりあえず、ファーストコンタクトとしてはよしとしよう。  

でも、せっかくなので、めっちゃ食いつく様をみたい。  

それこそ、公式様のお子のように、ガリガリになるくらい、なめられている様を見てみたい。  

そこで私は、接触回数を増やす作戦に出た。  

外出時にも持ち歩いちゃう。  
何かと取り出して、与えてみる。  

が、やっぱり、嫌いじゃないけど、こんなもんですかね。みたいな反応を返される。  

が、ある日のことだ(というか今日だ)。  
ついにその日が来た。  

次男は基本的に、あまりグズらない。  
(人生2週目説があるくらい、落ち着いている)  

彼は、自分の内なる欲求に忠実なので、とても要求がわかりやすい。  

その彼がグズグズ。  

あやしてもだめ、抱っこしてものけぞるし、顔や首を裂かん勢いで引っ掻いてくる。  
床に下ろしても不機嫌。  

わかった最終兵器だ! これならよかろう! とおっぱいを与えてもだめ。 
なんならグイグイひっぱられて、母涙目。  

出が悪いのかしらとミルクを与える。が、うーん、改善しない。  

いつもならおっぱい飲んで、ねんねする時間である。  
なのに、よい子は寝ない。  

どうしたものかと夫と途方にくれていた時、ふと思い出した。  

今日、やたらうまい棒を袋の上からガシガシかじってたなぁ。  
私の手もかじってたし、夫の手もかじっていた。  

もしかして・・・・・・。  

「ヤツを持ってきてくれる?」  

夫は、その一言で理解した。  

持ち運び用バッグに入れられているなめられ太郎五代目がやってくる。  

乳首だろ、この乳首っぽい頭の突起がいいんだろ?  

となめられ太郎の頭の部分を次男に差し向ける。  

すると。  

ガシガシガシガシ。  

無心に、なめられ太郎の頭の(帽子の?)縁をかじりだした。  
(そういえば公式様のお子のなめられ太郎も縁を囓られていた)  

続いて、足。  

それからパーカーのひもっぽい部分。  

ぽろりと落としたので、再び与えてみる。  

ガシガシガシガシ。  

この縁、最高とでも言いたげに、真顔で無心にかじっている。

もう一度落としたので、すかさず、捧げる。  

ガシガシガシガシ。  

足も赤いのと黄色いのん、両方いっとくわ、とでも言いたげに、両足を堪能する。

ついに。  

ついに。  

なめられ太郎がその本領を発揮した!!!  

ひとしきり無心にガシガシした次男は、身体の向きをくるりと変えて、うつぶせに。  

ずり這い体制。  

そして、母にすり寄ってきた。  

おっ、これは、おっぱいを要求していらっしゃいます?  

さっきは痛かったし、全然寝てくれなかったんだよなぁと思いながらも、抱き上げて授乳タイム。  

次男:

スヤァ  

勝った。勝ったぁあああああ!!!  

今日一日の不機嫌が嘘のように、次男が、寝た!  


あぁ、なめられ太郎。君の活躍が今日、この一瞬だったとしても。  

その命の輝きは、何よりも尊い。  

長きに渡る格闘は、今、幕を閉じた。  

おお、なめられ太郎。  

ああ、なめられ太郎。  

君は、今日、この瞬間のために我が家に来たのだ。  

……なめられ太郎っていうより、かじられ太郎だったけど。  

(きっと前歯が生えそうで、むずがゆかったんだろうね)  

ともあれ、平和な夜が訪れました。ありがとう、なめられ太郎。うれしすぎて、思わずnote書いちゃったよ。


願わくば、あなたもよい夢をみられますように。

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