2024年9月振り返り「おせっかいの継続性を考える」
こんにちは、2024年度コミュニティドクターフェローのふーちゃんです。
今回は2024年9月のバディーミーティングと全体振り返りの内容をまとめてみようと思います!
私は普段は東京町田の里山、小野路町にあるまちだ丘の上病院で訪問診療をしています。まちだ丘の上病院にはヨリドコ小野路宿というコミュニティスペースがあり日々たくさんのコトが起きています。
また地域では医者の肩書を脱いで読書会や哲学対話なども主催しており、そこでもさまざまな出会いや気づきが溢れています。
周りで起こるたくさんのコト、出会い、気づきをコミュニティードクターフェローシップで仲間と共に振り返り言葉にすることで学びを深めています。
今月のバディミーティングー「いいと思う」を伝える方法
バディミーティングでは指導医とのマンツーマンにサポートスタッフが加わり、事前課題を深掘りしたり、現状の課題の共有・相談を行っていきます。
今月はコミュニティナースベーシック講座の第3回と4回を視聴し、気になるキーワードの振り返りを行いました。
私は、全力肯定!「いいと思う!」というキーワードを選びました。
「こんなおせっかいしていいのかな」「迷惑じゃないかな」と戸惑っている仲間に対して「いいと思う!」と全力肯定することで、仲間のおせっかいを後押しし次のおせっかいにつなげよう、というキーワード。
一方で「患者さんに◯◯をしてあげたい」というスタッフに対して言葉で「いいと思う」を伝えてもなかなか一歩を踏み出せないことも多いと感じます。
そこで言葉だけではない「いいと思う」の伝え方もあるのではないかと話し合いました。
私の職場でも「訪問先の患者さんをヨリドコ小野路宿にお招きしたい」という声が多く聞こえることから、患者さんをお招きした際にヨリドコ小野路宿内のカフェを気軽に使えるようにする仕組みを作ったことを共有しました。
組織内での立場や役職も上手に使いながらスタッフのアイディアを後押しする仕組みや制度を整えること、同じ興味を持っている仲間を見つけること、一歩目を一緒に踏み出してみること。
言葉だけではない「いいと思う」を発信しおせっかいの種を後押ししていくこともできるのだなと振り返りました。
単発ではなく継続させる仕組みづくり
ここまでコミュニティナース講座を素材として学びを深め、「まずは目の前の気になる人に対してできる一歩のおせっかいから踏み出してみよう」というコトを起こすハードルはかなり下げることができました。
一方で単発のおせっかい事例でとどまってしまい、継続性や連続性が生まれる仕組みまでは到達できないという課題も見つかりました。
コミュニティナースの本場(?)島根での経験を持つコミュニティナースのれいちゃんからは「島根では常に思いつきやおせっかいを共有し肯定しあったり、一緒にコトを起こす場や文化があった」と共有をしてくれました。
ハードルを下げて小さなおせっかいをすること、そしていかに単発で終わらせずに継続性や連続性を持たせるか、それが自然に発生している島根での事例も参考にしつつ、自らのフィールドで何ができるのか。
これからの課題になりそうです。
全体振り返りー「防災の視点で地域を見る」
全体振り返りでは今月の出来事の振り返りとコミュニティナースベーシック講座第5回の深掘りを行いました。
今月の振り返りでは私がコミュニティドクターフェローシップと併行して参加している鞆の浦地域医療プログラムで行われた尾道の防災を考えるワークショップについて共有を行いました。
尾道は非常に坂が多く、階段や曲がりくねった狭い道が続くという特徴的な街並みになっています。
観光で訪れていた時には風情ある街並みという印象でしたが、講師の消防士の方と一緒に街を歩くと土砂崩れや延焼を伴う火災が起こりやすいこと、また緊急車両の走行ができず救助や消火に際しても困難を極めることを実感しました。
振り返りでは今回得た防災の視点で自分の住む地域を見てみるとどうだろうかと質問がありました。
町田特有の巨大団地群や小野路の里山の地形などから起こりうる特徴的な災害や避難のしにくさ、近隣とのつながりの有無などコミュニティアズパートナーモデルの項目も頭に浮かべながら、鞆の浦地域医療プログラムでの体験をさらに深掘る時間となりました。
おせっかいのお裾分け
後半ではコミュニティナースベーシック講座第5回について振り返りを行いました。第5回は「健康のイメージを広くもつ」というテーマのもと対談形式の講座でした。
その中で「おせっかい解禁」と「おせっかいのお裾分け」という言葉がとても印象に残っています。
現代において「おせっかい」とは有り難いものというよりは倦厭され煙たがられるものになりがちですが、コミュニティナース講座ではおせっかいを推奨し、独りよがりなおせっかいにならないための工夫もたくさん散りばめられていることでおせっかいが解禁されています。
そしておせっかいが倦厭されがちな要因の一つとして「一度始めたらやり続けなくてはならない」「他の人にもやってあげなくちゃいけない」という懸念もあるかと思います。
それに対しての返答として「おせっかいは一人ではやりきれないから、どんどん人にお裾分けしてやってもらう」という言葉がありハッとさせられました。
そうかおせっかいはどんどんしていいし、人にお裾分けしてもいいんだ!と自由になれた気がしました。
来月に向けて
2ヶ月にわたって取り組んできたコミュニティナースベーシック講座の深掘りも今回で終了。次回はアートプロジェクト運営ガイドラインを参考にプロジェクトの企画作りを進めます。
さぁ、次はどんな気づきがあるか楽しみです。
文:ふーちゃん