人と街と自然をつなぐ コンポストのある暮らし ー いろいろなコンポストをたずねて

Mizuho Amamiya ダンボールコンポスト歴12年。ダンボールコンポストアドバ…

人と街と自然をつなぐ コンポストのある暮らし ー いろいろなコンポストをたずねて

Mizuho Amamiya ダンボールコンポスト歴12年。ダンボールコンポストアドバイザー。様々なコンポストを実践する人やグループを訪ね、生き方や暮らし、自然や社会とのかかわり方を綴ります。月1回更新予定。ttps://gendai.media/articles/-/81410

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人と街と自然をつなぐ コンポストのある暮らし ー いろいろなコンポストをたずねて 第一回①

 東京都の郊外、野菜畑の広がる住宅地で生ごみや落ち葉などの有機物を微生物の力で堆肥に変えるコンポストをスタートしてから、はや10年あまり。コンポストから広がる世界に魅了された私は、ダンボールコンポストアドバイザーの資格を取得し、コンポスト講座を開くようになった。講座を重ねるうちに  「もっと、その人のライフスタイルにあったコンポストを提案したい」という思いがわいてきた。そこで、いろいろなコンポストを実践する人をたずねることにした。  noteでは、さまざまなコンポストを実践

    • 第7回② 葉山町から全国へ! 生ごみ処理容器キエーロを考案 松本信夫さん、松本恵里子さん

      前回は、キエーロ考案者の松本信夫さんと恵里子さんに、キエーロ開発のきっかけや仕組みを伺いました。後半では、松本さんのキエーロ普及の活動や、被災地支援、新たなキエーロ登場について綴ります。 たくさんの生ごみ処理機の中でも、キエーロが使いやすく、続けやすいコンポストなのかを知ることができた。しかし、いざキエーロを使ってみてみたいと思っても販売しているお店はというと、身近なところでは販売していない。また、すべて手作りのため、値段も木枠型4万円、ベランダ型3万3千円~と、トライする

      • 第7回① 葉山町から全国へ! 生ごみ処理容器キエーロを考案 松本信夫さん、松本恵里子さん

        「キエーロ」という名前のコンポストを初めて知ったのは、4~5年ほど前だろうか。キエーロというたった4文字の言葉で、自然と生ごみが「消える」イメージがわいてくる。絶妙なネーミングだ。 キエーロについてネットで調べてみると、土に木枠を埋めているものもあれば、木箱を使ったもの、プラスチックケースを利用したものなど様々ある。特に葉山や逗子、鎌倉といった湘南地区を中心に広まっているらしい。これって、どんな仕組みになっているんだろう? どうやって生ごみが分解されるのだろう? と、ずっと気

        • 第6回②緑のある環境と美味しく安心な栗づくり 本橋総一郎さん、真澄さん -栗のイガと落ち葉堆肥

          西荻窪で栗園を営んでいる本橋さん。1回目では、栗のイガと落ち葉を使った堆肥づくりについてお聞きしましたが、今回は、本橋栗園さんの栗づくり、年2回開催している青空市について、そして江戸時代から続く農家としての思いについてお聞きしました。 本橋さんの栗づくり 現在、本橋さんが栽培している栗は、「筑波」や「銀寄(ぎんよせ)」、「国見」など7種類。すべて無農薬で育てている。栗の収穫時期である8月末から11月上旬には、早朝から栗を拾う日々が続く。日の出とともに、土が温まり栗に熱が伝

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          第6回①緑のある環境と美味しく安心な栗づくり 本橋総一郎さん、真澄さん -栗のイガと落ち葉堆肥

          西荻の秋の風物詩 友人の本橋総一郎さん、真澄さんは、西荻窪で栗園を営んでいる。本橋さんご夫婦が作る栗は、それはそれは美味しくて、販売日には行列ができるほどの人気だ。いまやご近所の人々にとって、本橋さんの栗は秋の風物詩になっている。 本橋さんとのご縁は、ご自宅の庭で春と秋に開催される「青空市」にさかのぼる。木漏れ日のさす緑豊かな庭に、古来種の野菜やコーヒー、焼き菓子やハーブなどのお店が出店し、友人や近隣の人たちが集う和やかな空間だ。その「青空市」で、「ダンボールコンポストの講

          第6回①緑のある環境と美味しく安心な栗づくり 本橋総一郎さん、真澄さん -栗のイガと落ち葉堆肥

          第5回②北アルプスの自然、菜園の恵みを生かした土づくり 穂高養生園 回転式コンポスト、落ち葉堆肥

          いろいろなコンポストを実践する人やグループを訪ね、そこで出会った人々の生き方や社会、自然とのかかわり方を綴るnoteでの連載。 第5回目は、長野県安曇野にある「穂高養生園」のコンポストや土づくりについて前後半2回にわたり紹介。後半の2回目では、2020年からスタートした自然菜園での取り組みについて綴ります。 前半の1回目はこちら 養生園でのコンポストについてお話を伺った後、福田さんが、養生園からほど近くにある自然菜園に案内してくれた。背後には山々が囲むようにそびえ、青空の向

          第5回②北アルプスの自然、菜園の恵みを生かした土づくり 穂高養生園 回転式コンポスト、落ち葉堆肥

          第5回①北アルプスの自然、菜園の恵みを生かした土づくり 穂高養生園 回転式コンポスト、落ち葉堆肥

          いろいろなコンポストを実践する人やグループを訪ね、そこで出会った人々の生き方や社会、自然とのかかわり方を綴るnoteでの連載。第5回目は、長野県安曇野にある「穂高養生園」のコンポストや土づくりについて2回にわたり紹介します。 穂高養生園は、「体にやさしい食事、ヨーガや散歩などの適度な運動、心身の深いリラックス」の3つのアプローチにより、本来、誰にでもそなわっている自然治癒力を高めることを目的とした宿泊施設として、1986年に開園。全国から多くの人が訪れている。私も、数年前に

          第5回①北アルプスの自然、菜園の恵みを生かした土づくり 穂高養生園 回転式コンポスト、落ち葉堆肥

          第4回 ② ミミズと微生物、ウジ虫の力で生ごみを分解 東京農工大 農学部ミミズコンポスト管理局

          大学内での循環を目指してスタートしたミミズコンポスト管理局(以下、ミミコンと表示)。第2回は、生協からでる生ごみをミミズコンポストやウジコンポストで堆肥化する仕組みとともに、ミミコンメンバーのコンポストへの思いを聞きました。 生協食堂の食品残渣を餌に 生協からの生ごみは、生協食堂が閉店した午後3時すぎに出されるとのことで、代表の三輪さんと宮崎さんに同行させてもらった。 ミミズの好物はキャベツの千切り! 生協から出る生ごみはさまざまなものがあるが、ミミズには主に野菜や果

          第4回 ② ミミズと微生物、ウジ虫の力で生ごみを分解 東京農工大 農学部ミミズコンポスト管理局

          第4回① ミミズと微生物、ウジ虫の力で生ごみを分解 東京農工大 農学部ミミズコンポスト管理局

          第3回でお話しを聞いた金森さん宅で、ミミズコンポストのお話しを伺ううちに、「ミミズコンポスト」への興味がわいてきた。 英語では、「ミミズ」をearth wormという。直訳すると土・大地を這うように進む。まさに土を耕す生き物のことだ! 『進化論』の著者チャールズ・ダーウィンは、晩年をミミズの研究に捧げたという。かのダーウィンが夢中になった「ミミズ」。もっとミミズの世界を知りたい!  そんな時、東京農工大学農学部に、「ミミズコンポスト管理局(通称・ミミコン)」という自主ゼミナ

          第4回① ミミズと微生物、ウジ虫の力で生ごみを分解 東京農工大 農学部ミミズコンポスト管理局

          第3回 植物を通して地域と和やかに繋がる金森豪雄・貴恵さん ― みみずコンポストから土の微生物コンポストへ

          コミュニティカフェを彩るグリーンカーテン 青々とした大きな葉っぱが茂る蔓先には、コロンと可愛らしいカボチャの実(写真右)。宙に浮くカボチャの愛らしい姿に、通りすがりの人も思わず足をとめてしまう。  文京区千石にあるコミュニティカフェ『風のやすみば』の軒先には、カボチャや茄子、トマトといった夏野菜をはじめ、1年を通して四季折々の花々が植えられている。玄関前の小さなスペースながら、緑がある空間は、カフェに集う人々はもちろん、街を行きかう人々の目を楽しませている。  プランタ

          第3回 植物を通して地域と和やかに繋がる金森豪雄・貴恵さん ― みみずコンポストから土の微生物コンポストへ

          第2回 きっかけは山登り。キャンプでの暮らしを日常に虹野朝子さん ― 回転式コンポスト・木枠コンポスト

           いろいろなコンポストを実践する人やグループを訪ね、そこで出会った人々の生き方や社会、自然とのかかわり方を綴るnoteでの連載。  初回は、行きつけのカフェの常連さん仲間、虹野朝子さん。山登りが趣味の朝子さんは、夏には東京の暑さを逃れ、サクッと上高地へキャンプにでかけていく。キャンプ用品は自宅でも大活躍! 休日には、庭に折り畳みチェアを広げて、バーナーを使ってコーヒーを淹れてみたりと、ピクニック気分を楽しんでいる。そんな朝子さんが、庭で回転式のコンポストを使って生ごみを堆肥化

          第2回 きっかけは山登り。キャンプでの暮らしを日常に虹野朝子さん ― 回転式コンポスト・木枠コンポスト

          第1回 ⑦コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト 人と街をゆるやかに繋ぐコンポスト

          ダンボールコンポストアドバイザーの資格を取得  こうして(①~⑥)、ひとり気ままにコンポストを楽しんでいたある日、仕事でお世話になっているサンケイリビング新聞社編集部のMさんとランチに出かけたところ  Ⅿさんに「今、はまってるものとかあるの?」と聞かれた。 私は「はい、それはもう、コンポストですよ。いやーもう面白くって」。と、コンポストのすばらしさを力説。おそらく楽しくってしょうがないという気持ちが弾けていたんじゃないかと思う。すると Ⅿさんが「じゃあ特集にしちゃえばいい

          第1回 ⑦コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト 人と街をゆるやかに繋ぐコンポスト

          第1回 ⑥コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト ベランダは生き物たちの小宇宙

          いつでも植物に触れられる喜び  区民農園で5年間、その後ベランダで10年あまり野菜や植物を育ててきたが、私のようにズボラな人間には、ベランダというちいさな空間で、植物を育てる方がちょうどいいのではないかなと思っている。  というのもベランダは、一歩出るだけでいつでも植物に触れられる、観察できるということがなんといっても楽しいし、楽ちんだ。畑に行くためによっこらしょ!と野良着に着替えてわざわざ出かける必要がないのもうれしい!    それに植物は、朝、昼、晩と時間ごとの変化は

          第1回 ⑥コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト ベランダは生き物たちの小宇宙

          第1回 ⑤コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -生ごみ削減だけじゃないコンポストの魅力

           ①~④で紹介したように、コンポストはじめてみると、生ごみ削減や堆肥づくり以外の、さまざまな発見や気づきがある。コンポストから広がる世界。そこがコンポストの面白さだと思っている。 私なりの気づきや発見をいくつか紹介したい。 種のチカラ、種のミライ  春になると、堆肥を入れた土から、カボチャやトマト、ゴーヤーやメロンなど、さまざまな植物が芽を出してくる。これは、生ごみとして入れた野菜の種が、発芽したもので、植物の種のチカラ、力強さに驚いてしまう。特にカボチャは土の奥底からグ

          第1回 ⑤コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -生ごみ削減だけじゃないコンポストの魅力

          第1回 ④コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -コンポストで生ごみ削減

          一箱で45kgの生ごみを堆肥化  私のダンボールコンポストの場合、1箱で約45kgの生ごみを堆肥化できる。例えば、毎日、生ごみを約500g投入した場合、約3ケ月入れ続けることができ、約1ヶ月の熟成期間を経て堆肥化できるという仕組みだ。私の家では、毎日出る生ごみは200g~300g程度。およそ半年ごとのサイクルで新しいコンポスト基材に変えている。 生ごみの9割は水分! 世界の7割を占める日本のごみ焼却施設  コンポスト講座では 「そんなに生ごみを入れて、ダンボールがいっ

          第1回 ④コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -コンポストで生ごみ削減

          第1回 ③コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -驚くべき堆肥のチカラ

          ゴーヤーを200個収穫! コンポストは、毎日かき混ぜているだけでも楽しい。でも、コンポストの面白さは、自分で作った堆肥を使って植物を育てることだと思う。  コンポストを初めて半年。早速、できた堆肥を使って、ゴーヤーの苗を育ててみた。するとぐんぐん枝を伸ばし、7月下旬には、立派な緑のカーテンが完成! あまりに葉が茂り過ぎてベランダに面するリビングが暗くなったほどだった。収穫したゴーヤーをなんと200個あまり。ほぼ毎日、ゴーヤージュースを飲み、ゴーヤーチャンプルを作り、ご近所

          第1回 ③コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -驚くべき堆肥のチカラ