Q&A「良い音って何ですか?」
こんばんは、オーナーの吉田です。先日サロンメンバーさんからこんなコメントをもらいました。
確かに、作曲の仕方についてまとめている本やサイトなども、音楽理論ほど詳しくはミックスや「良い音」については書いていないような気がします。
料理と同じように、良いものが分からないと良いものを作るのは難しいでしょうし、それが他人にとっても良いものでないと満足してもらうことは難しいと思います。
なので今回は、ミックス専門ではない僕があえてミックスや良い音についてまとめてみたいと思います。
良い音とは?
私自身、これまでにクラシックのレッスンをよく受けてきましたが、レッスンでは先生から徹底的に良い音の鳴らし方を教わります。楽器の使い方はもちろん、身体の使い方や考え方、時には音響学みたいな内容まで教わることもあります。
体系化できるようなものではないと思いますが、ざっくり「洗練されて聞こえる音」「作曲家や演奏家の意図が伝わる音」が良い音とされているのではと思っています。
DAWでの作業に置き換えると、プラグインの使い方や打ち込みの技術に相当すると思います。
また、何人かで音を鳴らす指揮やアンサンブルのレッスンでは「音量や音色のバランスがいい音」「聞き分けやすい音」がいい音とされているような気がします。
これもDAWでの作業に置き換えると、ミックスそのものに近いと思います。
一朝一夕で体得できるものではないので、イメージが湧かないと言われても無理はありません。こういう時は自分の中にあるものではなく、自分の外にあるリソースに頼ってみると良いでしょう。
オーナーがこれまで試したこと
自分の曲を他の人にミックスしてもらった
最も即効性があるのがこれでは、と思っています。人によって良い音は異なりますが、それでも自分と異なる指標があるのだということは分かります。
私が昔ミックスをしてもらった時は、トラック単位で「ドラムの音源がチープ」「ボーカルが歌っていない部分は切る」などと、全体的には「音源によってパンを左右に振り切っても良い」「EQで余計な音域は容赦なくカットする」と言われました。
自分でミックスした音源は、例えるならベチャベチャのチャーハンみたいでしたが、確かにミックスしてもらった音源は個々の音が際立って聞こえて、パラパラなチャーハンみたいでした(例えがアレですみません)。
サロンメンバーには私がミックスした音源をお送りしますので、興味があったら個別にご連絡ください。
リファレンス音源を用意してから制作した
完成している曲にはあまり適応できないかもしれませんが、すでに流通している曲と自分のプロジェクトを聞き比べながら制作するのも良いです。
その時作ろうとしている曲に近いジャンルの音源を使ってみるのが一番良いですが、これまで何度も聞き返してきた音源を使うのも良いと思います(もちろん音質が良いものを用意してください)。私は星野源やBTSあたりの音源を使うことがよくあります。
そのリファレンス音源をEQで各帯域ごとに聴いてみたり、最近出ているパートごとに鳴らせるプラグインを使ってドラムだけ聞いてみたりしてみるのも面白いと思います。とにかく人の音源を参考にしてみましょう。
いい音源・プラグインを買った
下手な鉄砲〜ではないですが、結局お金を積めば使い方が分からなかったとしても良い音が鳴ることが多いです。アップグレードできるならした方が圧倒的に楽です。
「DAW付属のプラグインだけでも良い曲を作れる人はいる」と聞いたりすることもあると思いますが、弘法太子がどんな筆でも上手に書けるのと近いような気もします。どれだけ書が上手な人だって、最初からどんな筆でも上手に書けたわけではないはずです。
個人的には初音ミクをV2からV4Xにアップグレードした時、izotopeの諸々のプラグインを買った時、Keyscapeを買ったときに「うわ、これからめっちゃ作業時間短縮できるじゃん」って思いました。
こういう方法論は決まっている部分もありそうでない部分もあります。自分のいい音を突き詰めて、納得のいく創作活動をしてもらえたらと思います。
※思い出せないだけでもう少しありそうな気がしますし、これはどうなんだ、というご質問もあると思います。ぜひコメントなどでお知らせください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?