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1. 和声のススメ

この記事は和声のマガジンに含まれています。
その0:芸大和声の補足ノート
その1:和声のススメ
その2:知識0でも(きっと)分かる和声概論
その3:実際の曲を和声分析してみる(Ave verum corpus)
その4:ポップスに和声の考え方を活用する
その5:和声課題の間違い探し

こんばんは、オーナーの吉田(@yoshitaku_p)です。

突然ですが、皆さんは和声という言葉をご存知でしょうか。最近では比較的市民権を得た言葉だと思いますが、それでも細かくは分からないという方も多いと思います。

今回は和声とは何なのか、どう勉強してどう作曲に生かすことができるかをまとめてみたいと思います。

和声とは

和声(わせい、英語: harmony)は、西洋音楽の音楽理論の用語で、和音の進行、声部の導き方(声部連結)および配置の組み合わせを指す概念である。

wikipediaより

平たく言うと各パートの進行についても考えるコード進行法です。

主に混声合唱(ソプラノ、アルト、テノール、バス)の編成で、和音進行とそれぞれのパート(声部)がどのように動くのかを考えます。

上からソプラノ、アルト、テノール、バス

実際に歌われることを想定して音符を並べていくので、それぞれの声域を超えることはほぼありません。

限られた音域の中で各パートがつまらない音の並びにならないよう、いかに動きのある魅力的な旋律線を作れるかがかなり大事です。

ポップスではどう生かすことができるか

和声はもともと、かつての調性音楽において良いとされてきた要素を集めているので、混声合唱でなくても適応できることがたくさんあります。

例えば次の譜例には連続8度と呼ばれる、和声での禁則(行ってはいけないこと)が含まれています。

(譜例と音源は順次用意します)

それを調整して、禁則がない状態にしたものが次の譜例です。

(譜例と音源は順次用意します)

前者の例はあまり多く使われていないので、後者の方が(耳馴染みがあり)洗練されていると感じる方が多いのではないかと思います。

もちろん前者の例を全く使わないわけではありませんが、特別な意味が付加されることが多く、割と使いにくいです。

他にも「導音は半音上に進行する」「増音程は使わない」といったルールがたくさんあるのですが、ストリングスセクションはもちろん、ハモリパートや各パート間の関係についても適応できることが多いです。

どうやって勉強するのがいい?

本格的なクラシックの曲を作るなら本腰を入れて勉強すべきだと思いますが、そうでなければポップな装丁の和声の本を読むだけでもいいかもしれません。

個人的には芸大和声という超ロングセラー本を使って勉強することをオススメします。

クラシックの分野ではこの本を使って和声を学んだ方が圧倒的に多く、困った時に質問がしやすいためです。また、II巻とIII巻もあるのですが、かなり発展的な内容まで用意されています(本の厚さはI巻:II巻:III巻=2:3:5くらいです)。

ちなみに芸大和声に変わるように「新しい和声」という本も販売されていますが、こちらは独学で使うには少し難しいような気がします。

和声では課題(バス課題、ソプラノ課題)を実施する中で音の並べ方を習得していくのですが、課題の添削だけは誰かに任せるのがスムーズに習得できると思います

というのも、和声の本には解答例が用意されているものもあるのですが、その例が必ずしも自分が実施したものと一致するとは限らないからです。

慣れてくると解答例と照らし合わせて自分の解答がどう間違っているのかが分かりますが、最初からそうできるとは限りません。

今やオンラインでの添削サービスもありますし、私も添削をすることも可能ですので、効率よく勉強を進めていきましょう。

また、洗足オンラインスクールではオンラインで自学できるような環境も整っているので、こちらも役に立つかもしれません。

次のnoteでは和声のルールについてざっくり書いてみたいと思っています。


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