見出し画像

マスク発注の一方的な取消は下請法違反、公取委

▼News

マスク発注の一方的な取消は下請法違反、公取委

2024年2月15日、公正取引委員会は、発注の一方的な取消は下請法違反(不当な給付内容の変更)に当たるとして、王子ネピア株式会社に対し再発防止などを求める勧告を出した。

公取委によると、同社は下請け業者に対し、年間発注数量を定めてマスク製造を委託したにもかかわらず、年度の終盤になってから年間発注数量を一部取消し、7割程度しか受け取らなかった。これにより、下請け業者には手配済みの資材費および人件費など総額2622万円超の不利益が生じた。
なお同社は、公取委の調査開始後の2023年11月に、下請け業者へ不利益分の支払いを完了している。今回の勧告を受け「コンプライアンスの一層の強化と再発防止に努める」とのコメントを出した。


▼Keyword

下請法に基づく勧告

下請法違反行為がある親事業者に対して、違反行為の是正や必要な措置をとるべきことを求める公正取引委員会の行政措置。勧告があった場合は原則として事業者名、違反事実の概要、勧告の概要が公表される。勧告に従わない場合、独占禁止法に基づく排除措置命令や課徴金納付命令が行われることがある。また、勧告に至らない事案でも、改善の必要性がある場合は公取委または中小企業庁から行政指導が行われる。

他方、下請法違反行為があった場合でも、公取委または中小企業庁が調査に着手する前に、違反行為者から自発的な申出があり、かつ一定の事由が認められた場合には、勧告等は行われない。


※コンテンツは弁護士が監修しています

© DAI-ICHI HOKI CO.,LTD.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?