レジリエンス・あしたも晴れ!人生レシピを見て
毎週金曜日夜8時、Eテレで放映している「あしたも晴れ!人生レシピ」を時々みます。
先日はレジリエンスの特集だったので、絶対にみようと思っていました。
レジリエンスとは「回復力」「弾力性」という意味なのです。逆境や困難にあっても、折れずに回復できることをいい、昨今のストレス社会で注目を浴びている言葉です。
番組を見て、印象に残ったことが2つ。
1. 企業研修、あるいは、番組出演者に「レジリエンス」と聞いて、イメージしてもらったことを絵にしてもらったとき、人によって、全く違ったこと。
ある人は、ロシアのマトリョーシカを描いていたし、賀来千香子さんは、陽の光の中で、幸せそうな自分と、閉じこもって悲しそうな自分を描いていました。
私はきっと、細い竹がしなっている様子を描くと思います。あるいは、心理カウンセラーの樺沢紫苑さんがよく言っている「のれん」。私にとって、レジリエンスは、まともに受けないで柔軟に受け止めながら、でも折れない、というものだと思っていました。
人によってずいぶん違うものです。でも正解なんてないのでしょう。
2. 福島の原発で10年かけて作り上げた自然農園や自然食レストランを捨てなくてはならなくなり、三重でまたゼロから農園や生活を再生している夫婦の方のインタビュー。
だんなさんは、福島の原発から逃げるとき、「これは聖書の場面だ」と思ったそうです。神様がソドムとゴモラの町を滅ぼそうとし、そこから逃げるロトと家族。神様は、逃げるとき後ろを振り向いてはいけない、という言ったのに、教えを破り、うしろを振り向いてしまったために、塩柱にされてしまったロトの奥さんの場面です。
だんなさんは、過去をまったく振り向かず、三重でまたゼロからはじめたのですが、奥さんのほうは、福島で作り上げたものを考え5年くらい笑顔が出なかったそうです。だんなさんのレジリエンスの強さは、信仰もあるかと思いますが、20年もの間、アジアの貧しい村々で農業支援にあたった経験に培われたものも大きいと思いました。
それと同時に、だんなさんがあまりにも素晴らしすぎて、以前の暮らしを思うことを共感してもらえない奥さんの気持ちも大変わかるような気がしました。
でもこんなにも大きな困難に直面したとき、夫婦の性格が違うのは、大きな強みなんだなとも思いました。同じように後ろばかり見ていたら、悲しみは増長されて、きっと病気になってしまうことでしょう。
最後にだんなさんが言っていたこと、お金やものを失っても大丈夫なんだ、そういうものがなくても、また自分でゼロからやっていけるんだという根拠のない自信みたいなものが大事(言葉は多少違うかもしれませんがこういう趣旨のこと)という言葉が沁みました。
自分にそういう自信をつけるのは、経験しかない。
この自信がレジリエンスというものなのでしょう。
困難に立ち向かう、のではなくだんなさんのように起きてしまった過去を考えず、未来を考える、あるいは奥さんのように、笑顔が出ないときがあって辛くてもじっとやり過ごし、とにかく折れない。
これもレジリエンス。
人生レシピは、とても深い番組だと思います。賀来千香子さんの優しい謙虚で思慮深いコメントも好きです。金曜日の夜はちょっと楽しみです。
#まいにちしあわせになる方法・30
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