ことのはいけばな’22 芒種 第26候『腐草為蛍』
花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。
今日は言葉を束ねるという歌の作り方をしてみたい。活ける、立てるとはちょっと違う
赤坂氷川神社「はなのみち」にて夏至祭やジューンブライドの話をした。
*夏至祭へ明るさのままかがやいてジューンブライド花吉女咲う
*白百合もしもつけ花も五月晴れ未彩のみどり白に滲ませ
*芍薬の白無垢にほふ艶骨の緑なすほど光るは五月
*赤樫の葉を冠に連ねればボーンファイヤー夜通し踊る
*樫の葉の冠冠て雄々しくも眠らず踊る野獣の如く
*花々の冠広場の樹の枝にかけられしおり恋人の夜
*束ねるは見えないものの形代に混じりてここに花束ひとつ
*ただ花の乞ひて湖畔に寄る波のひとつひとつを掬いあぐなり
境内に榊の花咲く
*緑陰の榊の花の落ちる夜ぽたぽた灯る蛍と成りし
*思うよりぽつてりしやるお賢木の緑したたり花となりしか
*お榊の花雫して留まりてふくれて咲いて離れて果つる
*花榊浅葱に染まる水滴のしたたるままのかたちをとどめ
梅雨の晴れ間 散歩道
*五月晴れ雀の獰猛声もなく黒き羽虫のすがた無くなり
*無音なる小さきものの断末魔耳底に棲む巻貝集む