ことのはいけばな’22 穀雨 第18侯『牡丹華』
花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。
*ふらここや春を慰め酔いもせず
*ふらここの春の慰め少年忌
*ふらここの酔いどれ舟の牡丹花
*ふらここのほろよい舟や牡丹咲く
*ぼうたんのほろほろ酔ふて散りぬるを
*ぼうたんのほろ酔ひ濃きに夕まぐれ
*春宵やぼうたん融けて月昇る
*月の出にぼうたんはらり舞いあがる
*ぼうたんのうつらうつらにほとけかな
*ぼうたんの微睡をそのほほ杖で
*ほほ杖は牡丹の花に触れぬまま
*手のひらで触れてみたくてほほ牡丹
*鴇色の芍薬の吐く皐月晴れ
*鴇色のまどかなるもの目を閉じて頭蓋の虚空に咲きてあふ
るる
*花やこれすべてまるこき泪かな
*分け入ってみどりとなりしひとみして
*金ぴかのみどりの中に生まれけむ
*目醒めしは虹色したたるさなかにて
*浅緑薄目をあけし子らもいて
*真っ先に真っ逆さまで花の咲く
*薬雨ぽたぽた垂れるゴールドの雫むすひて網かがやかん
*金ぴかのみどりの中に降り立てば天上天下唯我独尊
*真金吹く嵐の中に生まれけりあーうんあうんひらいてむすぶ
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