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ことのはいけばな’22 春分 第10候『雀始巣』3・21〜 

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

稲村ヶ崎のお庭にて

蜜重く伏せることなく落ちる首磯巾着の花粉散乱
思い切り目をあけはなつオキザリス潮風撫でて蜜にじむ性

真上より羽ばたく音の近づいてエクレアを手に眼の合う鳶

羽根音におのこ3人身をすくめエクレア狙う鳶の眼ぢから


春野辺はなんでも和毛まとひたる骸の褥光に変えて
左目の空に吸われしてんてんてん
消失点の
その先の鳶


コバルトに泡立つ海の色持ちて迷迭香マンネンロウの迸るなり
何やかや潮風台風荒ぶとも倍返すほど春の豪勢
磯菊の産毛やわらか羽衣とふ椿ひそやに召されゆきしか
断髪し前髪さやぐ春の日の弧を描く鳶黄梅の影
滝壺にニッキの水の流れたり海へと帰る枝でブランコ

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