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ことのはいけばな 大雪 第63候『鱖魚群』
植物に埋め込まれているcodeを読みながら、音楽のように音色が流れ、巻物が開かれていくように物語が聞こえたら、生命はそのようにきっと一緒に世界で踊っているとしたら、滅びて生まれて滅びて生まれて輪廻の物語。冬至を前に月も満ちてきて、星々が語る神話の断片にどうにか触れたくて、こうして虚実被膜の世界を立ち上げているのかもしれない。
さかのぼる 銀色の矢の ひるがえり 月の白瀬に 沸きかえるうみ
うろこ着る 月の切先 群なして 見果てぬ夢の 始まりの死者
銀色の 性の海嘯 逆巻いて 溢れし月は 白濁すなり
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銀色の 月夜に濡れる ローダンセ 花簪の 黒髪の艶