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ことのはいけばな’22 芒種 27候『梅子黄』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

梅子黄/夏至

*短夜の雨に色づく梅の子のとろける餡のもろき皮裂け
*しとしとと梅の子に降るさみだれに頬つたふ子の涙おもほゆ
*生温き夜半の雨にもち重り堕ちた梅の子草に囚われ
*温かく傷もち熟す生命のもとのかたちの梅の子空に


2018夏至をリトアニアで過ごす

*夏至近き日永の街やケーキ食ふ

*ままごとのご飯のごときケーキ喰ふ夏至の夕べはほろほろと暮れ
*パンプキンシードに石榴スポンジの独立記念日雨の降る国
*里都亜尼亜独立記念日スポンジにパンプキンシードルビーの石榴

*夏の夜の夢の円環ナイフ持て夏至の記念のベーグル芳し

*夏至の火の焦げ跡ありしベーグルの陽の円環を祝いくふなり
*日は長くこんがり焼けるベーグルの輪になり踊る夕べかな
*日の高くこんがり焼けるベーグルの眠らず踊る楽隊の恋

*夏の陽を飛び越えて人赤子なる

*透明な大地と水と光ありその一粒の丸薬甘し
*たわわなる撓いし枝葉軽くなり手を差し伸べん夏至の祭に
*丘わたる息吹のときを巡らせて透明な子は次のいのちの


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