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古代緑地 Ancient Green Bert エッセイ 『空を食む』

空を見上げてばかりいたら 透明な生きものが 見えるようになった

地上の生きものの比較にならないほど 大きくて 

雄大に壮大に 軽やかにゆったり泳いでいる 

見えない空のプランクトンを食べているようにも見える


太古の龍のように のっしのっしと歩むものがいる 

おおきな

 空の向こうへ遠ざかっていく 


笑い声が 降ってくるときもある 

そんな時見上げると 子どもと獅子が 渦のようにじゃれあっていた 

破顔大笑した顔が仲良く雲の形になって 空にほどけていった


魂は みんな空にいる 

ずっとずっと昔から 大気の中に溶けている

自ずと喜びとか悲しさが重なって 薄く厚みを持って動くと まるで小魚の群れのように ある奥行きを持って 見上げている僕の網膜に映る

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銀河の果ての岸辺に打ち寄せる波のように

降り積もる化石のように 

どんな小さないのちも 彼らの想いも 透明な粒となって


重ければ落ちて それを綺麗にするものがいる

自由に飛ぶものもいる

ゆっくりたゆたっているものもいる


空を通り抜けて 地上でかたちを得る魂

清濁あわせて 植物たちをはじめ命あるものたちは 浄化され 浄化もしている


地上に立って こんなにも 空に憧れて 過ごす

そしてこの世から離れる時

身体は地球へ 魂は空へ還っていく 


無垢な魂が 何十億年もの間 この空の青をつくっている 

息をして僕たちはそれを食べている


光の岸辺

地球に跳ね返って 光は散乱する 

空の彼らがキラキラする


いのちは太陽と地球の相思相愛

地球の息と太陽の息で空はできている

息吹が空をいのちが色を


 それは 良かった 
かの人はこたえ 目が少しわらった 
もう それで 十分だった


そらみつ 

まほろば


息をすれば そこにいる

青い空が ここにいる

 














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