ことのはいけはな; 春分 第10候「雀始巣」
花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。
はなとことばを立てて相互記譜。七十二候の「ことのはとはなの旅」。
*春分に 花挿し目覚む 石の下
あちらとこちら 話し花咲く
*春彼岸 お墓の石に水ひかり
春がきたよと 花を挿す君
*春分や 墓苑色づく 華やかに
きいろももいろ赤に白いろ
*春空に 手を合わせるは厳かに
花芽を抱く若葉のように
*目を閉じて 手を合わせると あからみて
光のさなか 声のきこゆる
*花を見て 手を合わせれば 眼裏に
石の下にも伝わる花声
*花の声なれば鼓膜を振るわせる
光の中にしるしつけられ
*をちこちの音信きこゆ春分の
墓苑にぎやか花の声する
*花曇り寺の墓苑はとりどりの
お供えの花 春のしづもり
*欠伸する 君は隣で 鏡の目
春は悲しい 春は物憂い
*欠伸する 隣の君の 目はうるみ
春は無邪気で 懐かしすぎる
(栃木のお寺へ春彼岸のお墓参り)
*花を手に 子どものように まなぶ朝
花のごとくに めぐりて生まれ(花手水)
*花を手に はははと笑ふ 花手水
花は禊ぎて世界を祓ふ
(写真の花手水を「めぐり花(花の連句)」で生徒さんと続けています)
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