ことのはいけばな‘22 芒種 第25候『蟷螂生』
花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。
蟷螂生ず
*蟷螂の子らあわあわあわと溢れ落つスポンジ卵ちぢむことなく
*幼な子の首をつまみし蟷螂の鎌振り上げて捩らす腹見つ
*産みつけし断熱卵の雪予報切られた枝のかまきりかなし
七竈と枇杷を活ける
*七竈冬には赤い房の実も刺繍の玉の花つくさつき
*ななかまどひよどり啄む赤い実の刺繍の玉の花かがり哉
*枇杷の実の冬にはこっくりアマレットうぶ毛まもるる姿やさしき
*枇杷の実と花ななかまどそれぞれの夏の姿や冬のあとさき
*あとさきを引き連れ夏にまだらなる花ななかまどふふむ枇杷の実
あぢさゐ
*浅葱よりかめのぞきしてあをあわく深まるままにあぢさゐの花
*こんなにもうつろふ綾のとめどなく夕占のあぢさゐ立ち尽くす路
*夕闇のあぢさゐ四葩触れたるに脈打つ波の打ち寄せるなり
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