Vol. 19 2025年1月 リーダーシップとマネジメント〜任せる力〜 by 紫藤由美子
日々の生活やビジネスにおいて「任せるよ」という言葉はよく聞きますね。
任せるとは誰かに何かを託すことを言いますが、ここには関係性や自分の在り方、そして覚悟をも問われる重要な意味合いが含まれています。
任せるということを「信頼する」「委ねる」という観点で紐解いてみます。
ビジネスの場で、相手(主に部下)に任せるということは、相手の能力や責任感を認め、成長の機会を提供することにほかなりません。
そう理解していても、「人に任せられない」と言うリーダーを多く見ます。
多くの場合、自分がやったほうが質の高い結果を出せる、自分がやったほうが速い、自分が得意なことだからやりたい、などと言う理由です。
プレイヤーとして1馬力で結果を出す立場であればそれでもよいかもしれませんが、リーダーにはチームや部署全体の成長を促進させる役割・義務があります。
にもかかわらず、気になってつい手や口を出しすぎてしまう、マイクロマネジメントをしてしまう、という状況は相手の成長の機会を奪っているということですし、何より、「あなたを信頼していません」というメッセージを発信していることと同じです。
任せるとは相手を信頼することが必須条件となります。
リーダーシップの鍵となるのは、信頼に基づいた「任せる」行為なのです。
上司に対し「もっと任せて欲しい」声を出す人たちの多くは、同時に「信頼されていると感じない」とも言います。
任せてもらえている=信頼されている、という心理なのです。
リーダーは相手に遂行責任を渡しても結果責任は自分にあるのですから、相手を信頼し、サポートをし、自信と責任感とともに成長を促進していく責任があるのです。
相手を、部下を、チームメンバーを、信頼していますか?
「任せる」という行為に「委ねる」という言葉を使うことがあります。
委ねる、というと一見消極的な態度に思えたり、丸投げしている、というように見えたりするかもしれませんが、これは哲學の視点で見ると、執着を手放し、自然の流れや大いなるものの意志を受け入れる、という意味合いになります。
哲學を学ぶ中で知ったことがあります。
それは、洋の東西を問わず、古代の賢人が開発してきた學問は、形而上學で「天に問う」という意味だということです。
日本の偉大なビジネスリーダーたちも、智慧と富の宝庫である天からの声、受けたインスピレーションを形にして事業を発達させてきたのだそうです。
松下幸之助氏も
「経営は真理に従う限り、必ず成功する、経営者は小手先のテクニックを使って経営をするのではない。宗教的な信念が求められる」と言葉を残しています。
また一つの例ですが、「順天堂」という大学があります。
そもそもは順天堂医院という医院が礎となっていますが、この順天堂という名前の由来は「天道に則り、自然の摂理に順う精神」「天の道に順う」ということなのだそうです。
天の声を聞くことを學ぶ、といい
現在でも「天声人語」という言葉でよく知られています。
天の声を聞きそれを形にしていくことがビジネス。
それによってどれだけの人の生活を守ることができるのかを常に考えるのが経営者です。
経済の本来の意味は「経典済民」、経典によって民を救うことをいうのだそうです。
決して、生産・消費・流通などの活動を通じてお金を稼ぐ・循環させることではないのですね。
経済とは、人を救い、豊かにするための活動なのです。
自我ではなく無我で、そして私利私欲を手放し、利他の世界観で誠実にそして「人事を尽くし天命を待つ」というように努力をした上で天と繋がることができれば天からのメッセージを受けとることができる、ということなのです。
天声人語、経済、學ぶ、など本来の意味を知ると、経営者ではなくても、私たちがどのようにビジネスに向き合ったらよいのかが見えてきますね。
あらためて考える時間をとってみてはいかがでしょう。
今後のイベント情報
1月21日(火)20:00~ 1月のイベント
「リーダーシップとマネジメント ~ 任せる力 ~」
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2月22日(土)都内にてリアルイベント
年に一度のリアルイベントを3部構成で予定しています。
<プログラム>
第1部:15:00 - 15:30 「自分を知る」12の力の解説およびそれぞれの力の伸ばし方
第2部:15:30 - 16:30「世の真理を知る」あなたは、どの視点で物事を見ていますか?
第3部:17:00 - 19:00 「懇親会」会食しながらカジュアルに交流しましょう
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今月もお読みいただきありがとうございます。
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