縁の下の力持ち

ある新聞に「今年は郵便制度ができて150年になる、郵便の父・前島密には『縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ』という信条があったとされています。」
とあった。

「縁の下の力持ち」と言っても、若い世代にはピンと来ないと思うが、自分が恩恵を受けている物事は、人目につかない陰の力のおかげだという事だろう。

実を言うと私は、長い間「情けは人のためならず」と言う言葉は、情けをかける事は人のためにならないと理解していた。我ながら情け無いと思う。
本来の意味は「情けは人のためならず」とは、人に対して情けを掛けておけば、巡り巡って自分に良い報いが返ってくるという意味の言葉だ。

「人のためによかれと願う心を常に持てよ」とあるが、自身が苦しい時は、なかなかこうはいかない。自分の苦悩が無くなってからなら、人のためによかれとの心を持つのは容易いかも知れないが、自分が苦悩の中にいる時は、こうはいかないだろう。歯が痛い時は、人の事など考えられない。
しかし、自分の苦悩が無くなってからと考えてたら、いつになるか分からない。

鶏が先か卵が先かの話になるが「幸せだから笑顔になるのでは無い、笑顔でいるから幸せになる」という事と同じように、自分が苦悩の中にあっても、まずは、「他者のために良かれとの思い」を持つことが自身の苦悩の解決になるのかも知れないと思う。

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