松本人志訴訟取り下げ、コメント文への指摘

原文
松本人志氏と絢文藝春秋らとの間における訴訟に関するお知らせ(八重洲総合法律事務所)
この訴訟終結に関する松本人志氏のコメントは、下記のとおりです。
なお、報道関係者の皆様方におかれましては、偏向報道と受け取られる可能性のある内容や事実に反する内容を報道することがないよう、適切に対処されること、念のため申し添えます。

これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました。
松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます。尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です。
この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後援者の皆々様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。
どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします。以上
松本人志氏代理人

この文章にはいくつかの問題点や不自然な点があります。以下に問題点を指摘し、解説します。

1. 「等」の多用
• 「協議等を重ね」「訴えている内容等」「物的証拠はないこと等」など、「等」の表現が頻出しています。これにより、文意が曖昧に感じられ、読者にぼんやりとした印象を与えます。特に正式な文書においては、できるだけ具体的な表現を使い、曖昧さを避けることが望ましいです。

2. 責任の所在が曖昧
• 「偏向報道と受け取られる可能性のある内容や事実に反する内容を報道することがないよう、適切に対処されること、念のため申し添えます」という部分において、「偏向報道」や「事実に反する内容」を報道すること自体を責めているようにも受け取れますが、それを明確に批判しているわけではなく、「念のため申し添えます」という曖昧な表現で終わらせています。これにより、報道関係者へのメッセージが中途半端に感じられます。3. 「強制性の有無を直接に示す物的証拠はない」
• 「直接に示す」という表現がやや不自然です。「直接示す」とする方が自然であり、読みやすくなります。また、「強制性の有無を示す物的証拠がない」という表現が、「強制性がなかった」ということを暗に主張しているように見えますが、証拠がないこと自体が無実を証明するわけではないため、誤解を招く可能性があります。 
4. 「女性らが参加する会合に出席」
• 「女性らが参加する会合に出席」という表現は、何を示しているのか不明瞭です。この「会合」の具体的な内容が分からないため、読者が状況を理解しづらいです。また、「女性らが参加する会合」という表現自体も回りくどく、「女性が出席する場に同席した」など、より直接的で簡潔な表現にする方が望ましいでしょう。
5. お詫びの表現が限定的 
• 「不快な思いをされたり、心痛められた方々がいらっしゃったのであれば」という表現では、具体的にどのような行為が問題だったのかが明確でなく、仮定の形での謝罪になっています。これにより、誠実さが欠けている印象を与える可能性があります。より具体的で真摯な謝罪の表現が望ましいです。
6. 金銭の授受に関する表現
• 「金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です」という表現は、金銭授受に関する疑惑を否定しているように見えますが、そもそもこの疑惑の存在が前提として説明されていないため、なぜ金銭授受について言及しているのかが不明瞭です。このため、読者に疑念を与えかねません。
7. 全体的な構成と表現の冗長さ
• 文章全体が冗長で、繰り返しや曖昧な表現が多く見受けられます。法律事務所の公式な声明文として、簡潔かつ具体的な表現が求められますが、表現が回りくどく、分かりにくい印象を与えています。特に「記」以降の段落において、「これまで」「そのうえで」「なお」などの接続詞が多用されており、読み手にとって流れが掴みにくいです。

修正案の例
上記の問題点を踏まえ、以下のように修正するとより簡潔でわかりやすくなるでしょう。

「松本人志氏は、これまで裁判を進める中で関係者と協議を続けてまいりましたが、訴えの内容に関し、強制性を示す証拠が見つからなかったことを確認いたしました。これ以上、多くの方々にご負担をおかけすることを避けるため、訴えを取り下げることにいたしました。

松本氏は過去に女性が参加する会合に出席しておりましたが、もしその場で不快な思いをされた方がいらっしゃいましたら、心よりお詫び申し上げます。なお、相手方およびその他の関係者との間で金銭授受は一切ございません。

この一連の出来事により、ファンや関係者の皆様にご心配とご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。今後とも温かいご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。」

このようにすることで、文意が明確になり、読みやすさが向上します。また、曖昧な表現や冗長な部分を省略することで、より誠実で簡潔な印象を与えることができます。

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