【実話怪談】怖くない二話。

2023年2月23日 18:23

友人から聞いた話です。

山本(仮)くんは
「霊が視たい」と、ずっと思っていたそうです。

朝早くから日付が変わる寸前まで働き詰めの毎日。

そんなブラック企業に勤めていた山本くんは、
心身ともに疲弊していたようです。

おかげで毎晩のように金縛りには遇っていたと。

ストレスのせいで眠りも浅いでしょうし、
身体は疲れていても脳が寝ていない状態であると、
金縛りになりやすいと言いますから。

そんなある日、いつものように金縛りになりました。

するといつもと違い、人の気配がします。

金縛り中ですので、体はピクリとも動かせませんが、
目だけは動いたそうで、気配の方をみますと、

足元にボサボサの長髪の女性が立っていました。

しかも、ガリガリに痩せていて白い着物を着ていたそうです。

私は、「ここまではテンプレ通りの幽霊だなあ」と思っていました。

違うのは、
西洋の死神の大きな鎌を持っていたとのこと。

そうしてその霊らしき女性は鎌を振りかぶり、
山本くんの身体をザクザク攻撃してきたそうです。

しかし、痛くもなんともなかった山本くんは、
「やっと視た！」
と願いが叶って嬉しくなり、そのまま眠りについたといいます。

たった１回だけの怪異だったそうです。

ちなみに現在の山本くんはブラック企業は辞めています。

２月３日の話です。

あるお寺さんの星祭に参加させていただきました。

その日、星祭の時間より早く着いたので境内の仏さん方に手を合わしてまわっていました。

ふと山門が気になり向き直りますと、

５、６人の黒の袈裟を着たお坊さん達が、山門から入ってこられました。

誰かに
「ああ、ありがとうございます。こちらです。」

と案内され、本堂に入って行かれました。

「同じ系列のお寺から出張で来られたお坊さんたちかな？
星祭会やし、大勢で法要されるんやな」

と思い、私もすぐ星祭会の本堂に入りますと、

先ほどのお坊さん達の姿はなく、

本堂には１５人ほどのご近所の方々や信者さん、そのお寺のお坊様３人のみ。

人が隠れられる場所がないことをコッソリ確認しましたが、

あの坊さん達はどこに行かれたのか、謎です。

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