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訳あって 絵本を作りました

弊社の人気玩具、どんぐりころころの絵本をつくりました。題名はシンプルに「どんぐりころころのはなし」。どんぐりで遊ぶ年頃にぴったりの内容です。書店には並びません(笑)。

絵本製作は、この玩具にもっと愛着を持ってほしいという想いがあるのですが、一方でこのキャラクターが生まれたルーツを、手にする子ども達に正しく伝えたいという想いもあります。

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私がどんぐりころころを2004 年に生み出してから、じき20 年になりますます。この間に数度マイナーチェンジこそしましたが、ロングセラーの極めて少ない、日本製おもちゃ業界では長寿の部類にさしかかり。また製品としてヨーロッパがルーツとされる木のおもちゃ業界でも、日本製木のおもちゃの数少ないオリジナル製品として、徐々に認知がなされてきたように感じています。こうした評価は、多くのお客様からの永年のご愛顧の賜物で、本当にありがたいことです。しかし一方で残念なことに類似品、模倣品も増えてきました。

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ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、木のおもちゃに限らず、焼き物や織物などのハンドメイド品。工業製品と作品のちょうど中間にあるような創作物は、特許・知財などでの完全な保護は非常に難しいのです。また二次元の創作物とも異なり、著作権も確実な有用性が得られるものではありません。今回、どんぐりころころを絵本とした目的の一つに、このキャラクターに立体創作物としてだけではない保護観点を加えるということもあります。しかしそれ以上に、子ども達が大人になってクリエイティブな世界を志した時。誇りも魂もない創作で、彼らの活躍の場が奪われる業界であってほしくないという想いがあるのです。

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例えば上の画像は、絵本にも表記がありますが、どんぐりころころが現在の形になるまでのストーリーです。このように創作には必ずその形に至った理由があります。物自体はコピーできても、物が生まれるまでのマインドとルーツは決して真似することはできません。コピーを完全に防ぐことは難しいのですが、その想いやルーツを伝える術を一つでも増やしたい。それを守りたいと思う価値観を、今より少しでも増やしたいのです。私たちが作っているのはモノではなく、モノガタリなのだと。

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「業界をリードする形で価値基準の向上や創造に努め」という一文が、こまむぐの経営理念にはあります。私たちは創作に携わる者として、未来によりよい価値基準を築く必要があります。まずは誰もが平等にチャレンジできる環境。そして自己の想いや熱意・努力や実力・誠実さなどが、誰からも正しく評価されチャレンジに応じた活躍ができる社会。子ども達が成長し、志たかい若者になったときの為に、私たち大人でそんな未来を築きたいですね。


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