生きづらさを抱えている人が多い中、改めてお寺の役割を考えてみる
皆さんこんにちは、COMOLY運営事務局の山田です。
オフィスのベランダではミニトマトを育てています。
日当たりが悪い場所なので、なかなか育ちが悪いですが
実が大きくなっていくのを見るのが楽しいです。
さて、今回は「お寺の役割をついて考えてみる」というテーマで記事を書いてみました。
文部科学省の宗教統計調査(平成28年12月31日現在)によると日本国内に存在するお寺の数は7万7,256ヶ所あるみたいです。
これは、コンビニの数(5万8340店)や、歯医者の数(6万8009ヶ所)よりも多いですね。
ただ、お寺ってほとんど行かなくないですか?
京都や奈良、鎌倉に旅行に行った時に、寺巡りをするくらいで自分の家の近くの寺に行くってことほとんど無いんですよ。
日暮里の谷中とか歩いていると、寺が多くあるのですが、ほとんどが敷居の高い場所という印象を受けます。
昔のお寺の役割
そもそも昔は、お寺の役割って結構あったみたいです。
「仏教福祉」という書籍によると、身体障害者や孤児、身寄りのない老人、病人など社会的弱者の保護や東洋医学に基づいた医療の提供を行っていたそうです。
また、寺子屋は有名ですね。寺という名前が使われている通り、お寺でこどもに読み書きや計算などを教えていた場所です。
今で言えば、フリースクールや学童のようなものでしょうか。
その他にも、葬儀や法事を行ったり、お墓の管理など様々な役割があります。こちらは現在でもお寺でやっていることですね。
駆け込み寺なんて言葉がありますが、昔のお寺はもともと弱い人への「避難所」のような機能を持っていたんですね。
寺と教会・モスクとの違い
日本人は世界に比べると宗教心が薄いと言われています。
それは、キリスト教やイスラム教と異なり、多神教であることも影響しています。
宗教の役割については、長くなるので今回の記事では記載しませんが人との繋がりという意味では大きな影響を与えています。
海外では、第一の居場所が家庭、第2の居場所が学校 または職場、そして第3の居場所が教会・モスクという感じです。
イスラム教のモスクでは、礼拝をする場所というイメージが強いですが、人々が語り合う場所、コミュニティを作る場所としても機能しています。
イスラム教は、人との繋がりを強く意識しており、孤独な人を放置しないといった慣習があります。日本人としては、戒律が厳しいイメージが強いイスラム教ですが世界中で広まっているのは、やはり人との繋がりが持てる宗教だからだと思います。
そして、キリスト教も同様に、教会というものが、第3の居場所の機能を果たしていますね。
一方、お寺はどうでしょう。第3の居場所、コミュニティの機能は全く果たせていないですね。
これは、檀家制度にも影響があるように思えます。檀家の法事や葬儀、また先祖代々の墓を管理することにより、ある一定のお金が寺に入り、檀家以外の人たちにお寺の機能を提供していないからです。
「坊主丸儲け」という言葉があるように、結構儲けているお寺も存在します。そのため、困っている人よりもお金を払ってくれる人にサービスを提供するようになっているのでは無いかと思います。
お寺の役割を改めて考えてみる
お寺の役割を考えているときに、面白いnoteの記事があったので共有します。
こちらのブログにもあるようにお寺の役割は「皆がより良く生きる」ことであり、開かれたお寺であるべきだと言っています。昔のような駆け込み寺のような感じでしょうか。
多くの人が、生きづらさを感じる一つの要因は、自分の居場所がないからです。現在は、地縁や血縁での関係が薄く、核家族化、により人との繋がりを持てない人が多くいます。
また、第1の居場所である家庭、第2の居場所である、学校・職場において自分の居場所が無くなると、一瞬にして孤立してしまう社会です。
現在を生きる人たちにとって、葬式以外にほとんど関わりがない、お寺であはありますが、昔のように情報発信の場、人との繋がりを作れる場、社会的弱者を保護する場として見直してみたらどうだろう。
例えば、ひきこもり当事者向けの居場所としてお寺を提供する。住職と参加者を囲んでオープンダイアログをやってみる、説法や座禅を取り組んでみる。また、悩みなどを仏教の視点から考えてみるなどやってみるのも面白いですね。
7万7000ヶ所も全国にお寺があるので、もっとできることは色々あると思います。最後に、面白いお寺の活動を以下紹介します。
面白いお寺の活動紹介
おてらおやつくらぶ
お寺にお供えするさまざまなお供えを貧困世帯に「おすそわけ」わけする活動。現在1642団体が参加している。
ソーシャルテンプル
仏教の力を持って、社会課題を解決する取り組み。各種イベントや「お寺のじかん」というメディアを運営し、全国に発信している。