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OTキャノンボール挑戦①_準備編

いよいよ挑戦の時が来た

いきなりですが、いよいよキャノンボールに挑戦します。
今回は、OTキャノンボール(大阪→東京)です。
(これを書いているのが2023年5月17日の朝5時現在で、それ以降も出走一日前まで随時加筆)

今年に入っていてから宣言していた通り、無事決行を迎える事が出来そうです。
天候と風向きを考慮してからの最終判断となりますが、
現状では、5月22日(月)から5月26日㈮までの間で、AM6時スタートなる段取りです。
→風向きや天候の事もあり、5月21日㈰の朝6時スタートを目途にします。また出走当日、Twitterにて宣言します。(2023年5月20日15時現在)


改めて、キャノンボールとは?
以下、なるさんのブログより拝借します。


キャノボの作法

事前(スタート前まで)に、◯月◯日◯時にキャノボスタートしますと宣言しておく。
(これは2ch時代の名残だと思います)

東京日本橋道路元標
大阪梅田新道道路元標

スタート&ゴールのこの2ヶ所で、自転車と元標の写真を撮る。
◯月◯日◯時にキャノボスタートしますと宣言する。
最低限GPSログを取る。
(普通にやれば物言いが付く事はありませんが)

交通ルール遵守。

24時間以内に走りきれば達成。
24時間以上だと完走。

後は個人の好きな様に。


単騎で行うチャレンジ自体が初めてなのでワクワク感の方が強い。
これまで約5か月かけて準備してきたことをまとめておこうと思い、ここに記しています。


というコトで、今回は、
①準備編
②実走編
③実走を終えてまとめ
の3部構成でいこうと考えています。

始める前から書いて、終わってからも書いた方がリアル感もあり、今後の反省にもつなげる事が出来るかと。


①準備編

大きく3つに分けて書こうかと。
キャノボ達成に向けて必要な要素は、
・ヒト(エンジン部分)
・戦略(コース、天候、作戦)
・モノ(乗る相棒と持って行くモノ)

の3つだと私は考えています。

この3つで、敢えて出走前というタイミングでまとめておこうと思います。
走り終えた後に、反省点につながる事が発見できるかもしれないので。


・ヒト(エンジン部分)

どれだけ条件が良くても、どれだけ機材(相棒)が良くても、結局は自分の脚でペダルを回すことでしか前に進まないのが自転車。
そんなことは当たり前ですが、『24時間以内で約520kmの距離を進む』という最低限のエンジンを搭載出来なければ、達成など夢のまた夢。

むしろ、それ以上のスペックがあれば余裕を生むことも出来る。
"パワーは全てを解決する"というコト。

では、どれくらいの出力や体力が必要条件なのか。
他サイトや、キャノボ達成された先人の皆さまが情報を様々出しておられ、それも参考にしました。

単純に、520km前後を24時間以内でゴールするいうコト。
途中でパンクなどアクシデントもあり得るので、余裕を見て、23時間30分当たりで設定するとして、

距離 520km ÷ 時間 23,5 = 速さ 22,13km/h

という計算になります。
これは走っている時間だけで無く、信号や交通ルールでのストップ時間、休憩や補給時間で停まっている時間も含めての数値。
所謂、グロス速度というやつ。

体感として、グロス22km/hを出すなら、巡行している速度は平坦で30km/h以上を維持しているイメージ。

体感やイメージだけで達成できるほど簡単なチャレンジでは無いので、自分なりにもっと具体化しました。

今回走る520kmのコースは、東海道キャノボ(1号線を基本としてその辺りのルート)。

ルートの詳細は後程

平坦がメインと言えど、登りや下りもある。
↑の画像では、獲得標高が4,954mとなっていますが、実際は3,000mも無いそう。
激坂と言われるような急な登りはほとんど無く、緩い登りが続く所、後半の御殿場に向けた勾配平均2%の坂が20㎞くらいあったりしますが、ほぼフラット気味のコースレイアウトと言っていいでしょう。

なので、以下の条件が最低限であると仮定した。

無理をしない力で(体力をすぐに消耗しないという意味)
・平坦の巡行速度 31km/hを維持できる
・勾配2%までの緩い登りは、速度20km/h以上を軽く維持できる
・勾配4%以上の登りでは、最低速度14km/h以上で維持できる

平坦に関しては先述の通り。
登りに関しては、上記の数値を維持し、下りの時に稼ぐことが出来れば、平坦メインのコースレイアウトで大きくグロス速度を落とすことは無いと想定しています。
この数値を元に、休憩したり等のストップ時間がどれだけあるかで達成が出来るかどうかが決まります。
ここは作戦面に関わるので後述しますが、
私の作戦は基本的に大きな休憩を入れないというコト。
淡々と走るコト、こなしていくコト、起きた事に臨機応変に対応出来るコトが私の強みですので、上記の数値で出力出来れば達成が見えると考えました。


では、実際にどれだけのパワーが必要なのか算出してみました。

無風である事はありえないですが、一旦は風が無いというコトを条件としています。
また、走行中に必要なパワーは、パワーメーターとそれに対応するサイコンがあれば確認することが出来ます。
私は、パワーを管理しながら走るので、パワーメーターは命綱で、マストな装備。
あくまで概算ですが、達成するための必要最低条件を決め、そこに向かってトレーニングや自制するために良い指標となりました。


・平坦の巡行速度 31km/hを維持できる
乗っている時に楽な姿勢で、140~150Wの出力が必要。

140~150Wの出力が必要


・勾配2%までの緩い登りは、速度20km/h以上を軽く維持できる
最低でも136Wを維持できれば、むしろ休憩になる

140wまでの出力で維持できる


・勾配4%以上の登りでは、最低速度14km/h以上で維持できる
勾配を5%と設定して、平均180wあたりで出力出来れば維持できる

180w~200wで登っていく

*参考サイト


更に細かく設定していくとややこしくなるので、一旦の目安を以下としました。

・平坦は、140~150w
・勾配2%は、136w以下を目安に落としすぎない
・勾配4%以上は、180~200w以上で登る

この出力を24時間かけて安定して出すことが出来るエンジンが必要です。

そのエンジンを搭載するためにトレーニングが必要。
ここに体重がどれだけあるかなども絡んできます。
更に掘り込んでいくとそれだけで莫大な量になるので,,,。

目標として数値を、

FTP 240W
体重 65kg
推定PWR 3,69倍


としました。これが、私の作戦で行う最低限の達成条件。

ちなみに、昨年末(2022年12月末)にパワーメーターを導入した際の私のスペックは,,,
FTP 220W
体重 73kg
推定PWR 3,01倍

でした。今考えると、えらいこっちゃな数値です。

結論から書くと、2023年5月17日現在で、
FTP 254W
体重 62kg
推定PWR 4,09倍

まで持ってくることが出来ました。

何をトレーニングしたかを書くと、これも莫大な量になるので、また後日そこだけまとめたいと思います。
ざっくり書くと、
・最初の2か月で、ベース作り(FTP向上のため)
・長い距離の経験と、体重絞り込み
・実走練習距離を120km以上のアップダウンコースで
・120km〜400km以内のロング走を計1,000km以上走っておく

です。

このお品書きを忠実にこなしていく事で、底上げを達成できました。
なかなか実走する時間をつくれなかった事もあり、室内ローラーでZwiftを利用したメニューとなりましたが。


・戦略(コース、天候、作戦)

コース

キャノンボールは、認定する公認団体等も無く、完全個人チャレンジのイベントなので、どこを必ず通ってとか、コースがあらかじめ設定されているわけではありません。
まず、どこを通るか、自分でコースを決めていく必要があります。
先人の皆様が達成されてきた軌跡があるので、今回はそちらを大いに参考にさせていただきました。
後からチャレンジする側としては本当に有難い。感謝。
また今回、"虎の穴"にいれていただいた、01さん @rx01cannonball にもアドバイスをいただき無事に組み上げる事が出来ました。
01さん、ありがとうございます。

まずはルート。

東海道キャノボのベーシックなルートを基本に、自分なりに細かい所を組み替えた

大阪の1号線元標を出発し、清滝峠を越え、そのまま伊賀に。
鈴鹿まで抜けたら、主幹線道路を離れ、鈴鹿川沿いをすすみ、R23に合流。

信号を減らす事、渋滞を避ける事を期待して設定した"鈴鹿川沿い"ルート

そのまま北上し、名古屋市内に名四国道を使って入る。かつぎ区間もあるが、その辺りは他サイトに充実した情報があるのでそちらを参照してください。
1号線前に合流前に、一旦補給を行い、そこから豊明、岡崎、豊橋を通過する。
ここで、浜松湖の北を通る"姫街道"ルートか、南を通る"バイパス"ルートか選択する事になる。
南のバイパスルートの方が若干距離は伸びる、北の姫街道は獲得標高が少し増えるが距離を短くできると、メリットデメリットはそれぞれ。

結論から言うと、向かい風で無い場合は、南のバイパスルートを通る事にしました。
理由は、夕方~の渋滞でストップ時間が増える事が予想され、ペースが乱されるの嫌って、路側帯が広いバイパス側を通ることにしました。
後は、追い風気味なら、無理せずにグロスを維持~UP出来るのは、バイパスではないかという想定も加味しての決定です。
また、Twitterのフォロワーで14さん @kazu_444 が、向かい風予報なら姫街道を選べばというツイートを拝見し、それを決定打とした。

その後は、天竜川を天竜川橋を使って渡り、静岡市内までは基本のルートをトレースする。
そのまま富士市内に入ってからは、246を使って、御殿場まで登っていく。
この246がかなりややこしいので、信号が増えるデメリットはありますが、394を併用して登っていくコトにしました。

平均勾配2%ほどが20㎞くらい。果たしてどんなものだろうか。

後は、有名な連続アップダウンと側道しばりをクリアして、東京に入り、日本橋元標を目指すというコースになる。

獲得標高はガバガバな数値なので参考にしないでください。3,000mも無いはず。

全行程で、約520km弱のコース。
これを24時間以内で走り切ることになります。


天候

3日前に告知した際の風向きです。
あくまで予報なので、参考程度にしかしません。
よっぽどの向かい風じゃないなとか、風がゴチャゴチャしているなとか、雨降らない感じかなという程度です。
追い風ならラッキーくらいで。こなしていくコトに変わりは無いですから。

今回は、条件としてはまあまあ良さそうです。
虎の穴のモニグラ~さん @y30c にも、穏やかな天候で風に邪魔されにくそうとアドバイスいただけました。
初トライにしては、やりやすい環境がそろったかなと考えています。

特に気にしてみていたのは、雨が降るかどうかと、寒暖差(特に夜中の低温)です。この辺りは荷物も変わりますし、直前まで要チェックです。


作戦

走りに関しては、決めた事を淡々とこなす事。
気持ちの抑揚やムラッ気は必ず出てきますが、とにかくこなす事。
これ以外にありません。

その他、補給も達成にむけて大きく左右するモノになります。
食って、飲まないと、ガス欠します。
でも、休憩ばっかりしていると、グロス速度を落とす要因に。
これに関しては、下の"持っていくモノ"とも連動しますが、摂取すべきカロリー等を事前に計算し、それを元に、補給ポイントなどを設定しました。

まずは、今回の行動計画です。

時間に合わせて、細かく速度設定するのではなく、敢えておおまかに。これまでのブルべでおおまかに設定する方が自分にあっていると確信したため。

520㎞のルートを、大きく3つに分けて走ります。
160km→200km→160kmという感じです。

200kmまでの距離は、私の感覚の中で代替一括りにできる距離です。
極端に言うと、補給さえあれば休憩しなくても余裕を持って走れる距離です。
"520kmを一気に駆け抜ける"というより、200kmまでの距離を3回走るというほうが、自分の中で簡単にイメージできる。
3つにわけたコースで丁度キリの良い所をチェックポイントにする。
遅れていれば、どうやって取り戻すのか、
速ければ、更に時間を稼ぐのか、セーブするのか、
状況を判断しながら修正行動が出来ます。
3つに分けたのは、そういった自分の走り方と修正の仕方で一番塩梅が良いからというコトです。

また、コースを大きく3つに分けると、補給ポイントが自動的に2回設けるコトが出来ます。

ここで、キャノンボール中に消費するカロリー計算です。

あくまで目安です。出走前までにキチンとカロリーチャージ出来ていれば、当日は7,540kcal摂取すれば良い事に。

キャノンボールでは、約16,000kcalを消費します。
出走前までに、2,800kcalは体に備蓄出来、
走っている間は、脂肪を燃焼させてエネルギーに変わるのが約6,000kcal弱。残りは糖分等で13,000kcalで消費をすることになる。

ざっくりと、16,000kcal-2,800kcal-6,000kcal=7,200kcal

7,200kcal足りないという計算になります。
めちゃくちゃ大雑把な値です。人によって違うのであくまで参考程度にしてください。

この7,200kcalを出走前に持って行くモノ、2回の補給ポイントで買うモノとわけて準備します。

もちろん、その日の体調や、暑い・寒いでも変わってくるので、足りないモノは都度コンビニ等で補給をしていきます。


後は、撤退の基準です。
どうしてもDNFしないといけない状況にめぐり合わせるかもしれません。自分の中で基準を決めておくと、踏ん切りもつきやすいかと考えます。
また、無理して走ると事故に繋がったり、生命に直結する事が起こる可能性も上がります。死んでしまっては元も子もありません。

ですので、私の撤退基準は、
・パンク3回した時
・走行不能になる状況(機材トラブル)
・沼津で御殿場に上る前に、グロス速度が19.5kmを切っている時
・体が明らかに調子がおかしい時(走行不能と判断出来る時)
・天地天災で以後の走行が危険が伴い困難な場合

としています。
生きていれば、またチャレンジが出来ます。

・モノ(乗る相棒と持って行くモノ)

当日、またがる自転車です。
当たり前ですが、自転車が無いと出来ないですし、キャノンボールに対応できていない装備だと、達成はおろか完走も出来ません。

自分なりに走り込んで造り上げた状態です。
人それぞれ、走り方やスタイルも違うので、コレが正解!というのは無いと思います。
これからも改良、改善し続けていくコトになると思います。

簡単に私の愛車キャノボ仕様です。
キャノボ仕様というより、ロングツーリング仕様です。

フレーム:TNI 7005mk-2
コンポ類:シマノ105(5700シリーズ中心の10sです)
ハンドル:フィジーク アリアンテ
ホイール:シマノ アルテグラ wh-6800
タイヤ:パナレーサー Race D EVO4 25c
メインライト:OLIGHT RN1500
サブライト:OLIGHT RN800(モバイルバッテリー兼用)
DHバーは、プロファイルデザインT2アルミ
ボトルは、エリートの950mlを2本
空気入れは、パナレーサーのモノをトップチューブ下に吊り下げ


ナビ:GARMIN etrex20xj
サイコン:bryton Rider320
行程表をラミネートしたものを、邪魔にならない所にぶら下げ


持って行く荷物の大半は、オルトリーブのサドルバックに。
後ろに視認性を良くするためにオニギリをぶらさげ。
バックライトは、キャットアイのTIGHTを2つ。


サドルバックの中は,,,

使うモノだけ(使わざるをえないものだけ)

・チューブ×2とパッチ
・盗難防止用のロック
・予備ルブ
・六角
・タイヤレバー
・紙ウェス
・モバイルバッテリー
・ジレ
・輪行セット
・ドリンク


身にまとうモノ

この反射ベストは荷物を入れて置ける

・反射ベスト
・コンパクトサコッシュ
・充電ケーブル(RN800→サイコン)
・補給食

コンビニで手に入らないものだけ、持って行く
ドリンクは、ボトル1本分をジップロックにわけておくと便利。お守り代わりに、娘に応援メッセを書いてもらった
サドルバックの重さは、計1,8kgになった。

上記の自転車とモノで挑む。
ちなみに、自転車は重量10kg、サドルバック1,8kg、ボトル2本満タンで約2kgとなり、
計14㎏弱となる。
たぶんというか、かなり重い方になるかなと。


最後に

以上が、2023年の年明けから準備してきた事になります。
後は落ち着いてスタート地点に立ち、日本橋を目指してペダルを回すだけ。
こういう勝負事の際は、いつも興奮を抑えられない輩でしたが、思いのほか落ち着いている。
全てを注ぐことは流石に難しく、取れる時間はしっかりと準備に当ててきました。
スタートに立つまでは楽しかった。
スタートしてからも楽しめるといいなと考えています。

では、大阪の1号線元標で。

長い文章、最後までお付き合いありがとうございました。

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