オンラインサロンとROM専
昨年の11月から箕輪編集室というオンラインサロンに入会して、はや3か月。私は相変わらずface book上でメンバーのポジティブなコメントを見るだけのいわゆるROM専(読む専門で書き込まない人)に終始している。
こうした自分の姿勢を自省しつつ、少々オンラインサロンの特性について書いてみたいと思う。
私がROM専になるまで
そもそも私は、オンラインサロンに入会するまでに抱いていた誤解があった。それは、「オンラインサロンに入会することで既存のメンバーから無条件で受け入れられる」ということ。
入会した途端、「君は今日からうちのメンバーだ!」と言わんばかりの歓迎を受けると思っていたが、実を言えばそうでもなかった。
確かにコメント欄に「今日から加入しました!○○な事やりたいです!」と自己紹介を書くと、「これから一緒に頑張りましょうね!」といったコメントやいいね!はたくさん頂けるのだけど、その後何か活動につながった、ということはない。
そういう時、集団に溶け込むことが上手な人は、自分の推進力のみで円の中心に行くことができるかもしれない。しかし臆病な自尊心を持つ私は、寄り添い、肩を抱えてくれ、一緒に歩いてくれる「誰か」がいないと円の中心に行くのは当然のこと、集団に溶け込むことすらできない。(この感覚を何とかしたいとは思っている)
こうした性格からオンラインサロンに入ってまず最初に驚いたのは、
「どうしてみんなそんなに自分をさらけ出せるの?」という事であった。
とは言いながらも、熱意を持ってオンラインサロンに入ったのだから、郷に入っては郷に従え精神で、とりあえずオンラインサロン内のいろんなチームに加入し、さまざまな記事を読んだ。
しかし各チーム内での企画は当然ながら進行中であり(しかも進行スピードも速い)、新参者が突然入ってどうこうできる訳ではなさそうにだった。まるで鎧も兜も装備したレベル250のユーザー達に半袖半パンの無課金ユーザーが入ってしまったような感じである。
しばらくは私も早く他のメンバーに追いつくために、遡ってサロン内の記事やスレッドを読んだけれど、そうこうしている間も企画はどんどん進み、時間が経つと、じわりじわりと熱が冷めてきてしまった。
晴れてROM専の完成である。
やはりどこの世界でも、自分一人で進んでいく力や自己プロデュース力が求められるようである。
オンラインの難しさ
人々が同じ空間に居ることによるコミュニティから(便宜的に【オフライン・コミュニティ】と言います)【オンライン・コミュニティ】へと移行することは時代の流れから避けられないことだと思う。
しかし、だからといってオフラインでの付き合い方や考え方をそのままオンラインへ持ち込む事は、いろんな面で齟齬が生じてくるのかもしれないな、と思う。
その代表的なものがROM専の出現なのかもしれない。
たとえば、直接会う(オフラインでの)会議は、意見を言っていない人、不満を抱いてそうな人を五感で感じとることができるから、進行者が「○○さんはどう思う?」と意図的に話をふったり少人数のグループワークへ切り替えたりすることができる。
また、公民館の集まりや同窓会の集まりといった比較的ゆるい集まりも直接会うことが前提だったから、そこに居て何も話さない、ということは少なかったように感じる。
ましてや会議に出席しなかったととしても
「あれ?○○さん休み?」
と”出席していない”という認知がなされているから、直接会わずともどこかつながっている安心感というものもあるのかもしれない。
しかし、私のようなROM専は、同じコミュニティに属していながらも、会議には出席しない。リーダーから声をかけてもらうことはもとより、声をかけに行くこともない。そのため、「あれ?××さん今日は休み?」といった認知すらされず、むしろそこには居ないものとして取り扱われる。
正真正銘の幽霊部員といったところか。
おそらくオンラインコミュニティに積極的に参加している人からすれば、
「自分の存在を主張することすらできない人の意見なんて聞いても無駄だ」
という考えもあるだろう。
その通りである。
こうした批判は、全面的に受け止める。
しかしその上で、今後オンラインサロンが発展していくには、こうしたROM専をどのようにしてステージにあげる(掘り起こす)か、という点は、結構重要なポイントだと思っている。
ROM専の原因
そもそもROM専はどのようにして生まれるのか。かくいう私も上記の流れをたどった生粋のROM専だが、先に答えを言うと「同じ歩幅で歩んでくれる仲間の不在」が原因だと思う。
この問題はオンラインサロンに限らず、絵画教室やママさんバレー、職場での中途採用など、既存のコミュニティに新参者として加入する場合には必ず起こっている。
しかし、オフラインコミュニティでこうした問題を克服することができているのは、無意識的に一緒にスタートする仲間が存在していたり、既存のコミュニティメンバーが一緒に歩幅を合わせて歩んでくれていたのかもしれない。
だから、オンラインサロンにおいても広く門戸を開けることも大事はもとより、退会者を減らすことに重点を置くならば、現行メンバーと新規入会者が最初の1か月だけペアになるといった、パートナーシップ制度(ちょっと仰々しいが)があっても良いと思う。また、現在加入する際は1人で加入することが前提となっているため、オフライン上の友達同士で気軽に加入することができるシステムを考えなければならないのかもしれない。
いずれにせよ、これからオンラインコミュニティが主流になっていくだろうから、こうした課題をひとつずつ克服していことが求められそうだ。
決して自分を正当化するわけではないけれど、せっかく熱意をもってオンラインコミュニティに加入したのに、熱意だけそがれて退会していくのはあまりにもったいない。
多くの人とつながることができるオンラインだからこそ、お互いが熱意をもってかかわることができる組織体制が求められるのかもしれない。
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