地方移住のニーズは_余白__コミュニティデザイナーとして知るべきこととはのコピー

地域の現状を知ることが、コミュニティデザイナーの第一歩

こんにちは。コミュニティ情報のおっかけnagata(@SsfRn)です。

前回お送りした「地方移住のニーズは”余白”。 地域コミュニティで気をつけたいこととは」に続き、後編をお送りしたいと思います。

三根夫妻の移住についてのリアルな声をお届けした前編。今回は、宮崎県小林市・北海道下川町・青森県十和田市の3つの地方から、それぞれゲストをお呼びして実施されたトークセッションをお届けします。

このトークセッションでは、「その地域ではどんな暮らしができる?移住の本音」と題し、1.住まいの本音 2.仕事の本音 3.地域コミュニティの本音 の3つのカテゴリーで進められました。それぞれの地方のリアルな本音とは?

それではどうぞ。


登壇者のご紹介

今回は登壇者3名+モデレーター1名という人数で繰り広げられるため、ややこしくならないように、はじめにご紹介させていただきます。

①宮崎県小林市 柚木脇大輔さん

(※灯台もと暮らし記事引用

②北海道下川町 長田拓さん

(※くらしごと引用)

③青森県十和田市 立崎朱里さん

(※本人写真が見つからなかったため、十和田市の桜祭りの画像)

モデレーター:鳥井弘文さん@hirofumi21

(※WaseiのHPより引用)

鳥井さん「灯台もと暮らしが地域特集するときに、いつも大事にしていることがあります。それは地元のキーマンとなる方々に出会えるかどうかってところを、すごい大事にしているんですよ。そういう意味でいうと、このお三方がいてくれたからこそ、作れた特集だなと思っています。」

そんな鳥井さんの言葉からスタートしました。


住まいの本音

はじめのテーマは”住まいの本音”。それぞれの地方での、住む場所や環境についての本音を語っていただきます。

鳥井さん「実際、住む場所が本当にあるのか?あっても家賃はいくらぐらいなのか?そういうところが、移住者にとって結構不安だったりするので、実際3地域はどうなのか?ってところを聞かせていただければと思います。」

長田さん「下川町は小さな町なんですけど、最近移住者がすごい増えてきています。通常全国的に減少していくんですけど、、。その中で自然動態というのと、社会動態という考え方があります。自然動態というのは、生まれる赤ちゃんと亡くなられる方の差し引き。社会動態というのは、引越して来る方と、転出される方の差し引きなんですね。だいたいの自治体さんは、生まれる赤ちゃんが少なくて亡くなる方が多い、自然動態がマイナスなんです。なので社会動態を増やそう!という動きがあります。一方下川町は、この社会動態が増加しています。北海道の中でもベスト10に入っているぐらいでして、それほど移住者が増えてきています。場所としては、電車も通っていませんし、空港から車で2時間30分かかるし、そういう意味では不便です。幼稚園〜高校まであるんですけど、大学はありません。そう考えると、家族連れが移住する場所ではないかもしれません。20~30代の単身の方が”おもしろい町だなぁ”と入ってくる町なんです。そういう方々がいきなり空き家というのはすごいハードルが高いので、安く広いアパートを借りたいとなるんです。でも下川町には民間のアパートがほとんどなくて、あっても5棟ぐらいなんです。」

鳥井さん「5棟!?少ないですね、、、」

長田さん「そうなんです。少ないんです。そうなると、国や自治体が管理している住宅に入るんですけど、そこは一杯なんですね。その一方、空き家はたくさんありますという状況なので、ミスマッチが起きています。なので、国や自治体が管理している住宅に入っている方で、ご結婚されて子供ができた人は、空き家をリノベーションしてそこに入ってもらうという、住むところを変えてもらうような政策を町と一緒になって進めている段階です。なので、家はたくさんあるんですが、空き家がほとんどです。家賃は1ヶ月5~6万円で一軒家が借りれます。それは襖や畳があってという感じなので、それをリノベーションすると300~400万円ほどかかってしまいます。」

鳥井さん「単身で来たときは、どんな大きさの家に住めるものですか?」

長田さん「1L、バストイレ別で、それなりに綺麗で、築は10~20年ぐらいですかね。家賃は、町営の物件だと給料によって変わります。年収300万円ぐらいだと1万8,000円とか。500万円いっても2万2,000円とかですかね。」

鳥井さん「僕北海道出身だからと言って肩を持つわけではないんですけど、築年数があってもゴキブリが出ません!笑」

長田さん「笑。都内と比較して考えると、倍ぐらいの広さがあると思ってもらっていいかと思います。」

鳥井さん「ありがとうございます。では、立崎さん聞いてもいいですか?」

立崎さん「先ほど空き家の話が出ましたが、十和田では”空き家バンク”という制度がありまして、中古住宅を購入して改修して住んでいる方を対象に救済サポートをしています。その他に賃貸で入る場合は、だいたい普通のアパートで4~5万円ぐらいです。一軒家タイプの平家だと5~6万円ぐらい。さらにグレード上げて2階建一軒家タイプだと、6~7万円ぐらいで借りれたりします。住むところがないから住めません。という状況にはならないですね。」

鳥井さん「では、人気の移住地域みたいな感じで、人が待っているという状況ではないんですか?」

立崎さん「そうですね。探せば、色々不動産屋さんがあるので見つかると思います。見つからないから困るという状況にはならないですね。」

鳥井さん「ありがとうございます。続いて、小林市はどうですか?」

柚木さん「そうですね。ほとんど内容一緒です。笑 ただ不思議なのは、アパートを借りる時も5万円ぐらいなんですけど、一軒家を借りるのも5万円ぐらいで、一緒なんです。庭とか管理するのがめんどくさいのか?一軒家で暮らしたいか?その差で選んでいますね。何で差がないのかはわからないんですけど。笑」

鳥井さん「アパートは空いてるんですか?」

柚木さん「そうですね。困ることはないと思います。小林市も”空き家バンク制度”というのをやっているんです。やたら借りたいという方が多くて、全部出払った状態なので、また見つけていかないといけないなという状況なんです。空き家だと2~4万円ぐらいで借りることができます。リフォーム補助もありますので、それで綺麗にしていただくという感じですね。」

鳥井さん「リフォーム補助って、どんな条件でいくら出るんですか?」

柚木さん「マックスが50万円ですね。ただ、これは賃貸の場合のみなんです。」

鳥井さん「買ったらダメなんですね!へー!なんか、逆の感じがしますけどね。」

柚木さん「リフォームしてもらって、その代わり5年間は移住者向けに貸してもらうという条件をつけて、賃貸のものだけにしてるんです。」

鳥井さん「ちなみに50万円というのは、リフォーム代はいくらでもいいんですか?」

柚木さん「そうですね。50万円かかっても、60万円かかっても、50万円ですね。足りない部分は自己負担という感じです。」

鳥井さん「へー!他の皆さんはどうですか?」

立崎さん「十和田市も上限50万円ですね。補助率が2分の1。なので、100万円かかる場合は50万円ですし、50万円かかる場合は、25万円という感じです。」

長田さん「下川も確か近い数字だったんですけど、、下川は林業・森林の町なので、地域材を使うとさらに2分の1サポートするとかがあります。あとは持続可能な町づくりを目指しているので、薪ストーブとか、そういったものを使う場合にも補助が出たりします。」

鳥井さん「なるほど、、。では、敢えて言うとデメリットはどのあたりに感じますか?住まいの本音という部分で。」

デメリットの部分を掘ろうと質問を投げかけると、今回のイベントの料理を作るために小林市からやって来てくれたシェフが、キッチンから本音をさらけ出します。彼は移住者で実際に空き家バンクを利用したそうです。

シェフ「小林市の場合になるんですが、、50万円では足りません!笑 今回僕が借りたのは一軒家なんですけど、庭がついてて結構広いところに1人で住んでいます。元々和室が3つあったのを、2つフローリングに変えました。キッチンがボロボロだったので、それを新品に変えました。あとは、縁側の床材がもう腐っていたので、それを変えました。(50万円で)できることはこのぐらいですね。もう1人協力隊の方がいるんですけど、その方が、同じリフォーム+ユニットバスで80万円ぐらいでしたので、50万円はちょっと、、、笑」

会場「笑」

鳥井さん「もし理想のリフォームするとしたら、いくら必要になりますか?満足するリフォーム費用はいくらでしょうか?」

シェフ「贅沢を言えばいくらでもできちゃいますからね、、、空き家バンクというのが、空いている家を使うということなので、それ自体はいいことだと思います。ですが、空き家バンクのランクというか、、、良い空き家バンクはすごく綺麗なんです。50万円もいりません。だけど、片や廃墟だったりするんですね。笑 草が生い茂っていて玄関まで行けないじゃん!みたいな空き家バンクもあります。そうなると、100~200万円ぐらいのリフォーム代がかかりますね。実際、空き家バンクは空き家と出会うタイミングが重要です。僕は町中に住んでいるんですが、町中の空き家バンクって本当に無くて、、偶然ポンっと出てきたので、そこ!!って決めました。」

柚木さん「・・・なんで連れて来たんや、、笑」

会場「笑」



仕事の本音

鳥井さん「それでは、続いてのテーマにいきましょう。仕事の本音です。よく聞くのが、”行って仕事があるのか?”というところ。皆さんすごい悩まれてます。満足にお金を稼げないんじゃないか?雇われることも可能なの?と。そのあたり、3地域の話を聞かせてください。」

柚木さん「仕事があるかないかで言うと、あるんだと思います。有効求人倍率が1.8ぐらいはありますので。ただ、ちょっと偏っていると思います。例えば、介護職といったものが多かったりとか。それはどこの地方でも一緒なんじゃないかなと思うんですが。仕事がないってことはないです。ただ、自分が何をしたくてその地域に住むのか?ということを考えた時に、選べる選択肢は少ないだろうなという感じですね。最近、移住相談会でよくお話するんですけど、じゃあ東京の工場で働いて東京に住むのか、小林市の工場で働いて住む。これって工場で働いているのは一緒ですよね。ただ、小林市に住めば、土日はキャンプできたり、自然の中で過ごせたりできると。土日で何ができるかを自分でどう考えるかによって、仕事があるないが変わってくると思います。自分が何を大切にするのか?仕事を大切にするのか、ライフスタイルを大切にするのか。移住相談会でよく言われるんですけど、”俺に仕事あんの?紹介してくれるの?”と。よく考えると、就職活動する時にそんな就職活動するのか?ということです。多分、そんなに簡単じゃないんですよね、仕事を見つけるって。なので、しっかりその地域に何回も足を運ぶぐらいのつもりで、仕事を選らんで、その地域に暮らすのか?どうするのか?を決めた方がいいんじゃないかなと思います。」

鳥井さん「ありがとうございます。では、立崎さんどうですか?」

立崎さん「まさに同じなんですけど、あるかないかで言うとあります。土木とか介護職とかが多いのも似てますね。例えば、とある夫婦がいて、奥様が十和田市に帰りたい!でも旦那さんはサラリーマン、さあどうする?となった時に、(旦那さん)青森で就職活動してサラリーマンになった方もいますね。普通に雇われて暮らす方は、たくさんいらっしゃいます。なので、(仕事が)ないことはないのですが、私が最近よく思うことがあります。地域特集のタイトルが”好きを探求する大自然のアートな町”ということで十和田を取材していただいたんですけども、自分の好きなものを探求する場所として来ていただいている方が、最近多いなと感じています。もちろん、手に職ない人も会社員として自然を感じる暮らし方もありますし、流鏑馬に魅了されて、それが習える場所があるから移住された方とか、あとはデザイナーさんとかアートが好きな方も集まっています。自分の”こういう暮らしがしたい!”というライフスタイル、じぶんらしく暮らすという中で、十和田市を選んでくれる人が少しずつ増えてきているんじゃないかなと、最近思います。」

鳥井さん「ありがとうございます。では長田さん。」

長田さん「本当にもう一緒ですね。お仕事はあります。下川の場合は、空き家バンクに対して、人財バンクというのがあって、それは町内のお仕事を全てそこに載せています。バイトから正社員まで全て載せているので、人財バンクを見ると40ちょっとぐらいお仕事があります。お仕事はあるんですね、ただそれが皆さんがやりたい仕事なのかと言えば、ちょっと難しいというか、、人気の仕事は観光ガイドや森林環境教育なんですが、そういう”(地方)らしい”仕事からどんどんなくなっていきますね。その一方、介護や福祉といった仕事はずっと募集してても人が集まらないという状況です。生々しい話をすると、下川の平均年収が400万円切ると言われています。ですので、下川で2番目に大きな大企業と言っても社員さん40~50人ぐらいなんです。そこの副社長みたいな立場で500万円いくかな?ってぐらいですね。なので、だいたい240万円とかからスタートして、うまくいけば500万円行くかなという感じですね。役場の職員でも、町長で年収800万円ぐらいです。副町長で700万円ぐらいとか。そういう相場感なので、お仕事があるけどもこのぐらいしか稼げないという感じですね。都会では広報能力が必要なんですけど、そういうことへの理解が少ない。専門的すぎてわからないんです。広報に対して。また、隣町にファシリテーターの方がいらっしゃるんですけど、その方も元東京で仕事されていまして。ファシリーテーションの関しても、その仕事の必要性をまだ感じてもらえていません。そのあたりをどのように作っていくのか?というところからスタートしなくてはいけません。営業とかであれば通じるんですけど、拡大ベースの時に必要なものは、実は今求められていなくて、手に職ある人の方が求められているのが現状です。でもそれって誰でもできたりするから、給料が低いんですよ。月額20万円を切ってしまうほどです。だから、能力を持っていて、どういう風に地域でそれを貯めていくかというのは、事前に練った方がいいのかなと思います。」

鳥井さん「色んな聞きたいことがあるんですけど、、例えば、PRとか東京で身につけたスキルを地域に持ち込んだ時に、結構うまくハマるのか?それとも、相手にされずに職業として成立しないのかというと、どうでしょうか?」

柚木さん「うちでいくと、ある方は東京でデザイン会社に3年勤められてて、小林市に来てデザイン事務所を立ち上げられました。色んなパッケージのデザインとか、それまで気合いでやっていたことを、今はのびのびやられてます。デザインというのは、地域にとって圧倒的に足りないものなので、来てよかったなと言ってもらえます。それをメインの稼ぎ口にしちゃうと、地元で評価してくれる人はあまりいなくて、東京でのクライアントを持ちつつじゃないと成り立たないと思います。思うんですけど、東京で活躍されている方はとてもスキルが高くて、とても頑張っているんです。地方に移住した時に、”俺は活躍できるぞ”という気持ちと、”俺に本当に仕事があるんだろうか?”という気持ちを、バランスよく持っている方じゃないといけないと思います。どっちかが大きかったら、難しいのかなと。そのバランス感覚を自分で整えて、その地域のことを知って、移住するっていう人が成功するんじゃないかなと思います。これすごく重要です。」

鳥井さん「ありがとうございます。それでは、続いて、立花さんお願いします。」

立崎さん「今まで出会った人だと、東京のクライアントが7割、十和田を含む青森が3割でやっている人がいます。今思い出したのが、グラフィックデザイナーさんが”青森に来てもデザインの仕事なんかないよ”と言われたらしいんですよ。それで違う仕事しながら生活していると、1つデザインの仕事が舞い込んできて、それから全てデザインの仕事です。青森県のパンフレットのデザインとかを手がけています。はじめは(したい仕事が)無かったけど、徐々に広がっていったと。本人から聞いたんですけど、”東京よりも自分を出せる!”と言ってたんですね。デザインとして。東京では決まったやり方があったんですけど、十和田に来てからは”自分の個性が出せる!自分がやっていることが受け入れられる”という感じらしいです。」

鳥井さん「デザインして終わりとかではなくて、流通として消費者に届けるまでやるところまでいくと、光る原石はたくさんあるけど、デザインだけとなってしまうと、価値を感じる人が少なく、仕事がうまれないということが起こっているんですね。では、次長田さんお願いします。」

長田さん「自分の経験がそれに当てはまっていて、不動産会社でタウンマネジメントっていう、町をプロモーションしたりブランディングしたりとかやってました。ゆくゆくは、地域地方でしたいなと思っていたんですけど、地域地方の依頼が来てなかったんです。そもそも地域地方では、タウンマネジメントの概念自体がないんですね。シティプロモーション部って最近できた言葉で、それを地方でやりたいなと思い入ったんですけど、最初はやっぱり理解もしてもらえませんでした。”それどういうこと?”みたいな。そこから、役場の方に説明していて、やっとわかってくれるようになって、どんなに優秀でどんな場所に務めてても、その町で認められないと仕事そのものがあまり認められないというのは感覚でありますね。逆に信頼を築ければ、(信頼の)中に入ってそこから色んなお仕事が来るようになりましたし、別の新しいことをやろうとした時も、コトが進みやすくなりました。信頼が信頼を呼ぶので、入っちゃえば色んなことを打ちだせるし、情報が集まって、それがまた仕事に繋がったりするんで、まずは2年間汗をかくとか必要かもしれません。そうしたら、それが2年後に返ってくると思います。」

鳥井さん「その実績というのは、地元としての実績なのか?それとも、町の人たちのコミュニケーションとしての実績なのか?で言うと、どっちになりますか?」

長田さん「そうですね。両方の実績をしっかり出すってこともそうなんですけど、それよりもまず大切なのは、姿勢だったりします。結構地方の人って、地方って言うだけで”けなされた”と思う人もいるんですよ。だから、そういう人の前では、地方ではなく地域って言葉を使うようにしています。あと、あなたは何やってくれるんですか?って見てますよね。そこでやっぱり、当たり前の敬語、挨拶をして、町の祭りとかもお手伝いしたりとか、そういうのが大切なんです。あと、時間に遅れないとか。当たり前のところを見られているんです。5分でも遅れたら、”なめてるな”ってなるんです。こう思われちゃったら厳しいところはあるかもしれません。」


地域コミュニティの本音

鳥井さん「まさに3つ目のテーマが、地域コミュニティの本音というところで、人間関係の部分をお聞きしたいなと思います。実際どれぐらいめんどくさいのか?やっぱり気になる部分ではあると思うんですよね。僕らも聞いてると、ゴミを運んでもらえないとか、色んな話を聞いて、自分だったらいたくないなと思う瞬間があるんです。どれぐらいそういう部分があるのか?もちろん、ポジティブな面も教えてください。」

柚木さん「移住相談会でよく言われるのが、”地方でのんびり暮らしたいんだ”と。多分、どこの地方もそうだと思うんですけど、地方こそ絶対に忙しいと思います。本当に。僕消防団の部長をやってるんですけど、4月から100日ぐらい動いているんです。100日って3日に1回は家火事があったり、会議があったりします。今地域コミュニティを強くしていきましょうという流れで、色々な会議に消防団の代表として呼ばれることもあります。今週末休みだ!となっても、うまく行事が入ってくる。そういう風にできてるんですね。笑 そう考えた時、結構忙しんですよ。なので、のんびりしようというよりかは、昔からある日本のあり方で皆んなで暮らしていこうよという生活ができるのかどうか?というのをしっかり考えた方がいいと思います。」

鳥井さん「シェフはどうですか?」

シェフ「あー、休みはないですね。あの自治会ってどこにでもあると思うんですけど、ドブ掃除やったりとか。そういうのが休みに入りますね。だけど、地域おこし協力隊として、こういうのに参加するとそこで新しい情報がすごくもらえます。プライベートなんだけど、仕事という感覚です。なので、地域コミュニティというのは、都会みたいに9~17時仕事!みたいな線引きがないですね。言うならば、ずっと仕事でずっと遊びみたいなのような感じです。それが楽しめる人じゃないと難しいんじゃないかと思います。それが仕事だと思ってしまうと、ただ辛いだけになると思いますね。」

鳥井さん「なるほど。十和田はどうですか?」

立崎さん「十和田はですね、町中と郊外の2種類あって、それぞれ特徴が全然違うんですよ。私は町中の田舎に住んでいるんですけど、地域の小学生を守るために活動したりとかしています。小さい頃からずっとその活動はあったので、守ってもらえるというイメージが強く、悪い印象はないですね。しがらみがあると感じる人にとっては辛いかもしれませんが、助け合っているという関係です。また、集落に入るからといって、ずっといなさいよ!というものではなく、いつでも抜けることができます。意外と自由ですよ。」

鳥井さん「集落に入るとなった時に、消防団というのは簡単に入れてくれるものなんですか?」

柚木さん「いつでも入れてあげられますし、いつでも辞められますね!笑」

鳥井さん「なるほど。笑 では、長田さん、ここまでのことで付け加えたいことありますか?」

長田さん「そうですね。北海道って歴史が浅いんですよ。お祭りで神輿かつげ!とか、お前地域のもんじゃないな?とかはないです。全然ないです。そういう意味では、本州と比べてしがらみみたいなのはないですね。ただ、集まりはあるにはあります。出なくてもいいですが、出なかったらどうこう、という話がないだけなんです。選ぶかどうか?コミュニティを使うどうか?ということなんです。消防団に私も入ってるんですけど、イベントとか消防団の人とかに手伝ってもらったりするんですよ。結局地域の繋がりってこういう恩義の話というか、恩を受けたから入ろうかなと自分から思い始める感じだと思います。

鳥井さん自分からGIVEしていく精神が大事ってことですか?」

長田さん「そうです。それが周りから認められることに繋がりますし、そうすると野菜をもらったりとかに繋がっていきます。そういう関係が地域では多いと思います。」


交流会

一通りトークセッションが終了したところで、お待ちかねのご飯タイム。ここでは、写真でご紹介します。シェフが腕によりをかけた豪華料理です!

ナシのクラフトビール!

各地域のお酒も。

とても美味しくいただきました。ありがとうございました。。


最後にまとめ

トータル的に感じたのが、各地方も現状に対して、板挟みのような苦しさがあるということでした。住まいも仕事もコミュニティも、それぞれがとても繊細なバランスがあって、そんな環境の中で移住者が自己実現するために踏むべき一歩目は、この現状を知るということだと思います。思ってたことと、現実が違う!となってしまうそのギャップを埋める作業は確実に必要なのではないでしょうか。

地域におけるコミュニティの役割は、都心で感じるものよりずっと重要で、コミュニティがあるからこそ、町が動けているという側面は少なからずあるような気がします。だからこそ、コミュニティデザイナーという人が、各地方のコミュニティをデザインし、問題を解決していくことは、より重要になっていくのだと思います。それは移住者にとっても、地域にとっても。まずは、現状を知り、課題を知る。そしてそれをコミュニティの力で解決へ導いてくれる人が、地方に1人はいる時代が来ると思います。

また、とても個人的ですが、最近”小さな経済圏”というキーワードがホットワードでして、ここに関しても地方にヒント、、いや答えが落ちているのかもしれないと思いました。これに関してはまた後日、、。

今回も長文を読んでいただき、ありがとうございました!

それではー!


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長田 涼
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