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石見銀山・温泉津FWで気づいた、暮らし観光とローカル開業のつながり

先日、主催している「ローカル開業カレッジ」の取り組みとして、島根県大田市を舞台としたフィールドワークを開催しました。


全国から参加者が10名ほど集まってくれて、友人である エドゥカーレ 代表の小松崎さんにコーディネートしていただき、充実した1泊2日を過ごしてきました。

エドゥカーレ 小松崎さん

今回巡ったのは下記の感じです。

●石見銀山エリア
群言堂代表 松場忠さんによる、群言堂ツアー
大人気ドイツパンのお店「ヒダカパン」
「まちライブラリー@きよさん文庫&吾鳥絵はるさん」

●温泉津エリア
スナックでのモーニング「時津風」
7軒の宿を展開する「WATOWA」
海を眺めながら海鮮を味わえる「港の食堂KAN」

それぞれの店主さんから、直接開業話やまちのことを教えてもらい、これから「ローカル開業」を目指すメンバーにとってはこれ以上のない学びと刺激の時間になったかと思います。

せっかくなので、当日の様子を写真で紹介しますね。

群言堂代表 松場忠さんによる、群言堂ツアー。
宿やサテライトオフィス、保育園と本社までご案内いただきました。
ヒダカパン店主の日高さん。
ドイツでの修行や移住からのローカル開業の話など、参考になる話ばかり。
まちライブラリーの春樹さん。
自宅の一部を公共の場にしてしまうスタイルが素敵すぎます。
時津風でモーニングを提供する、ゆりなさん。
移住者でありながらも、まちになかった機会を作り出しています。
WATOWA代表の近江さん。
宿からまちづくりへ、どんどん発展している姿がかっこいい。
港の食堂KANを経営する佐藤さん。
他にも多数の飲食店を経営している、凄腕なお方です。

このように、多くの方からお話を短期間で聞かせてもらうことで、多様な視点を感じられる貴重な機会となりました。

僕らとしても、何度も足を運んでいたエリアでしたが、ますますその魅力に取り憑かれてしまいました。僕ら自身がひとりの関係人口となるほど、しっかりと関係性を編んでいきたいなと。

そんな最高なフィールドワークを経て、僕個人が感じたことをここから綴っていきたいと思います。


「自分の暮らしをおもしろくしたい」

今回のテーマは「ローカル開業」だったので、個人の開業についての学びをメインとしていました。ただただ、「ローカルのすごい人に会いに行こう!」といった漠然としたものではなく、ある程度目的と主旨を明確にしたフィールドワークです。

その点、群言堂さんやWATOWAさんの取り組みは、ローカル開業のその先を行っています。ひとつのお店の話以上に、まち全体の話にどんどんつながっていました。

こういう方々との接点を今回設けたのは、「ローカル開業の先にあるビジョンを広げてほしい」という願いからです。

まずは自分のお店を豊かにしていくことが大事になりますが、その先にある景色をイメージすることができると、より自分たちの取り組みに意義を見出していくことができるなと。

例えばWATOWAさんだったら、最初は借り入れなしの条件でできる範囲で宿をつくり、そこから信頼が積み重なり宿を複数展開し、まちに人の流れをつくり、移住者や関係人口が増やしています。

これは業態が関係する話でもあるかもしれません。宿というまちの滞在時間を伸ばし、まちでの暮らしを疑似体験できる機能を提供しているからこそ、移住などにつながりやすい。

でも、WATOWA近江さんや群言堂 忠さん、また先月足を運んだ上諏訪のReBuilding Center JAPAN(通称リビセン)東野さんが口を揃えておっしゃっていたのが、「自分たちの暮らしをおもしろくしたい」ということです。

せっかくまちに根を下して暮らして開業するなら、ただ仕事をうまくいく以上に日常・暮らしを豊かなものにしていきたい。そんな願いを抱いており、視点がひとつのお店と同時にまちにも向いていることを感じました。

「それが、開業からまちづくりへつながっている貴重な接続点なのかもしれない」と、みなさんのお話を聞いて強く感じる自分がいました。


「暮らし観光」と「ローカル開業」の相乗効果

コト暮らしとして、今大事にしているテーマが二つあります。

それは、「暮らし観光」と「ローカル開業」です。(暮らし観光については下記のnoteをどうぞ!)

どちらもローカルをフィールドとした取り組み・思想になっていますが、まったく異なる文脈からスタートさせているもの。

この数ヶ月でこの双方に対して向き合う時間が増えており、接続点を自分なりに模索をしていました。

その上で今回のフィールドワークに参戦したのですが、総じて見えてきたことが二つあります。

一つは、「暮らし観光」はひとつの「ローカル開業」から始まるのではないか?ということ。

例えば、こちらもローカル開業カレッジに講師として登壇してもらった「真鶴出版さん」を見ていると、宿機能を起点に暮らし観光を実践しています。愛知県岡崎にあるマイクロホテル「ANGLE(アングル)」さんも同様です。

拠点からはじめることで、暮らし観光はかなり実践しやすくなるのではないか?という仮説が強まってきました。

二つ目が、「暮らし観光」と「ローカル開業」は相乗効果を生み出せるのではないか?ということ。

暮らし観光は、ひとの流れをつくり、まちとの関わりを生み出すことができます。まちに来てもらうきっかけになりますし、その過程で店主との交流の機会も積極的につくっていきます。

一方で、体験の濃度がまちのひとに依存していまう側面もあるため、ユニークなひとが多いと、その分体験が変わってくるのは間違いありません。

その点、「ローカル開業(僕らが定義しているのは”自分の生き方を表現する商い“です)」を手がけるひとは総じておもしろいんです。これまでの人生の歩みや哲学や価値観、話しているとハッとする瞬間が何度もあります。

つまり、暮らし観光は送客や関係性構築(ファンづくり)に寄与し、ローカル開業は体験濃度を高めてくれる。図にしてみると、こんな感じでしょうか。


最後に

改めて、他のまちに積極的に足を運ぶ意味を感じられる体験となりました。

先日、鳥井弘文さんのVoicyで話したのですが、僕は片足を常に外へ出すようなスタイルが好きです。

片足は鞆の浦に、もう片足は他のローカルやオンラインに。そのスタイルだからこそ、見つけられるものがある。

まさに今は、そのスタイルをいかした探究を日々行なっている感覚です。もちろん学びで終わらさず、必ず実践へとつなげます。

少しずつ、自分たちが考えてきたこと、手元にあるたくさんのヒントを繋ぎ合わせて核となるものを練り上げています。

そんな今感じるのは、手探りの質感が変わってきたということ。これについては長くなってしまうので、また別のところで書くようにします。

それでは!



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長田 涼
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