_好きを価値に変える_ミレニアル世代

"好きを価値に変える"ミレニアル世代

こんにちは。nagata(@SsfRn)です。

先日、私がメンバーとして参加しているSUSONOにて、このようなイベントが開催されたので、参加してきました。

Peatixイベントページスクリーンショット)

「ゆるやかにつながり、心地よい暮らしの文化圏をつくる」

を軸に活動するSUSONO。

今回初の若手をターゲットにしたイベントが開催されました。26歳って大丈夫だよね、、?とビクビクしながらも、一歩を踏み出して参加してきました。

今回はそのイベントレポートをお届けします。


SUSONOミレニアル

SUSONOユース改め、SUSONOミレニアル。

今回のイベントはその取り組みのごく一部であることが、冒頭に説明されました。

巷でよく耳にする”ミレニアル”というキーワード。ここにどんな可能性があるのか?まさにそれを模索する取り組み、と言ってもいいのかもしれません。

(Wasei代表の鳥井さんと、SUSONOミレニアルの運営をしているたっけさん)

たっけさん「僕らの文化圏を、一から作っていきたい。」

その一言から、このSUSONOミレニアルへの熱意・思いの強さを強く感じました。鳥井さんのブログ記事「世の中の大きな波には抗えなくても、小さな流れは自分たちでつくり出せる。」に書いてあることは、まさにここに詰め込まれていた気がします。

SUSONOミレニアルでは、毎月テーマを掲げ、下記のようなイベントを実施していくとのこと。

①トークイベント

②非日常体験(晩餐会、パーティー、Hotel de お泊まり)

③大人の遠足(舞台、ショー、美術館、映画、など文化的な側面が強い場所に足を運ぶ)

④「創る」を楽しむ(生産段階から、モノづくりを楽しむ)

今回はこの①トークイベントに当たります。他のイベントが今後どのように開催されていくか、とても楽しみですね。


ゲストのご紹介

一通りSUSONOミレニアルの説明が終了したところで、いよいよ今回のイベントゲストが登壇です。皆さん、私と歳はあまり変わりませんが、それぞれの分野で第一線で活動しています。

ここで、お一人ずつご紹介させていただきますね。(※文章はイベントページから引用しています)


EVERY DENIM 山脇 耀平さん

1992年生の25歳。大学在学中の2014年、実の弟とともに「EVERY DENIM」を立ち上げます。オリジナルデニムの販売やスタディツアーを中心に、生産者と消費者がともに幸せになる持続可能なものづくりのあり方を模索しています。繊維産地の課題解決に特化した人材育成学校「産地の学校」運営。今春より「Be inspired!」で連載開始。また「えぶりシティ」という、オンラインコミュニティを、4月より運用開始される予定です(えぶりシティはこちら!)


DRESS CODE. 平岡 雄太さん

大阪出身の1990年生まれの27歳。大阪大学法学部卒業後、Yahoo! JAPANに入社し広告業界で働く傍ら、自身でファッションブログ「DRESS CODE.」を開設します。現在は月間40万PV。2017年にYahoo! JAPAN同期である堀口さんと一緒に株式会社ドリップを設立。個人の”好きを価値に変える”社会を実現する方法を日々模索中しています。(DRESS CODE.はこちら!


monograph 堀口 英剛さん

1990年生まれの27歳。月間40万人の男子が読んでいるモノメディア「monograph」の運営者。こだわりのあるモノを毎日丁寧に執筆中です。Yahoo! JAPAN在籍時には複業の事例として複数の出版社から取材を受けます。独立して以降は株式会社drip 代表取締役社長へ。カフェ好きで年間300軒以上のお店を巡っている。また、今月”人生を変えるモノ選びのルール、通称「モノマリスト本」”を執筆し発売。(monographはこちら!


ミレニアル世代が考える「装う」とは

ここからトークセッションに入ります。テーマは”ミレニアル世代が考える「装う」について”。その中から、今回は大きく3つのテーマに分かれます。それでは、それぞれ見ていきましょう。

1. なぜ「装う」に興味を持つようになったのか?

平岡さん「中学生の時、転校したんですが、転校先に可愛い女の子がいたんですよ。転校生って一瞬モテるじゃないですか?それで2日だけ付き合えたんです。でも、すぐ振られちゃって。笑 それがコンプレックスだったんですよね。その後、ファッションに興味持ち始めて、4,500円ぐらいのテーラードジャケットを買ったんですよ。それを着てて公園で遊んでたんですけど、そしたらその子が偶然公園を通りかかって、話したんです。その時、その女の子に”平岡くんなんかかっこよくなったね”と言われたんですよ。その言葉が忘れられたかったんです。それで自信を持てて、自分に肯定感が生まれたんです。そのこともあり、ファッションにこだわると強くなれるじゃないですけど、、安心できる、自分が本来持っている自信をつけてくれるという力を、服は持っていると思います。

鳥井さん「それを発信できるようになったきっかけは、なんだったんですか?」

平岡さん「僕、ファッション好きだぜみたいな人が苦手で、そういう人って人のファッションを下から上まで見るんですよ。それで評価してるんですね。そういうのが嫌です。ファッションやってる人が偉い的な。そういうファッションはつまらないなと思うんです。もっと、みんながちゃんとファッションを楽しめばいいじゃん!って伝えたくて、発信した感じですね。」

鳥井さん「ありがとうございます。では続いて堀口さんお願いします。」

堀口さん「2014年までは、パーカーにTシャツで少年のような服装をしていました。最初はファッションに興味がなかったんです。俺は俺だし、みたいな。おそらく自我が強かったんですね。服にこだわるのが変というか、ありのままでいいじゃんと思っていました。そこから平岡と毎日会うと、毎朝”今日の俺のファッション撮ってや”と言われるんですよ。笑 ブログ用の写真ですね。それ(撮影)をしてると、ファッションが楽しそうに思えてきたんですよ。それから、思い切って4万円ほどのジャケットを買ったんです。はじめは抵抗したんですけどね。服で4万円って、、と。笑」

鳥井さん「僕、堀口さんのブログをずっと読んでいるんですけど、ハマるとめちゃめちゃハマるじゃないですか?この前からファッションに興味持ち始めたんだ!と思ったら、5万円のシャツ買ってる!みたいな。笑」

堀口さん「そうですね。どの分野でもハマるとのめり込みますね。でも、一つ驚いたのが、服ってガジェット以上にお金かかるんですよ。去年使ったお金は180万円ぐらいでした。笑」

鳥井さん「すごい。笑 ありがとうございます。では、山脇さん。」

山脇さん「明確にあったのは”大人になりたかった”みたいな感情はすごいありました。いかに、その年にしては知ってんじゃん。みたいな感じですね。普通18歳で知ることを15歳で知っていることがイケてるみたいな。周りの人にそう思われたいというのが、興味を持ち始めたきっかけですね。今はないですけど、当時はその感覚が強烈にありましたね。」

鳥井さん「そこから、どうデニム作りに繋がるんですか?」

山脇さん「モノの生産現場に偶然触れ合いまして、生産の現場を知って、そこからモノづくりがどうなっているのか?アパレル業界がどうなっているのか?というのを学んでいくと、自分の消費の仕方が変わりました。まず物欲が完全に消え失せ、自分が納得するまでの時間がかかるようになりました。それよりかは、自分でモノを生産して販売するということを通じて喜びを感じていました。」

鳥井さん「それは、自分の欲しいものがないから、自分で作っちゃえというような発想だったんですか?」

山脇さん「そうですね。品質みたいなのは、自分が納得できるモノのでき方みたいなところにおいて、すごく欲しいと思えるものがなかったので、じゃあ自分が納得できる誕生の仕方をしたモノを作ろうとなりましたね。」


2. 大切にしていることはなにか?

山脇さん「作るときに意識していることは、工場の職人さんたちがイキイキと作れるものを僕たちは作っていきたいと思っていますし、それをオープンな形で皆さんにお届けしたいという、これだけですね。買うところだと、偶然を大事にすることが、最近大事なだと思っています。自分で決めすぎない。自分が納得したものだけを買うようにしていると、選びづらくなっている気がしています。偶然の出会いを大事にすることも、装うことを楽しむ上では大事なことだと思いますね。」

堀口さん「それすごくわかります。僕も、スペック表が大好きだったんですよ。何グラムなんだこれは?とか。それを基準に選んでたんですよ。でも、最近は偶然や出会いで、モノを選ぶようになりましたね。探せばいいものなんか沢山あると思うんですけど、そこで出会って、それを気に入ったらそれでいいと思うんですよね。」

山脇さん他人の力って結構すごいですよね。僕1足のスニーカーを履き続けていたんですよ。メッシュの部分が破けるまで履き続けてたんですけど、とある友人に”それは汚いと”。それで泣く泣く新しい靴を買うことにしました。消極的な理由で買うことになったので、その靴を愛せてなかったんですよね。でも、とある日にお茶しててお会計となったときに、隣の男性が僕のところにきて”すみません!その靴めっちゃ格好いいと思って、どこのブランドのものか教えてもらえませんか?”と言ってもらえたんです。それがめちゃめちゃ嬉しくて、”あ。この靴履いててよかったな”と思ったし、この靴を選んだ自分に自信が持てました。この時、他人の力ってすごいなと思いましたね。」

平岡さん「思うのが、ファッションって正解があるようで、ないような気がするんですよね。次どんなPC欲しいですか?と聞かれたら答えられると思うんですよ。軽さがどうとか、重さがどうとか。じゃあ、次欲しい服って何?って聞かれたら、あんまり言えないと思うんです。今まで着てこなかったものが、突然欲しくなることってあると思うので、どれだけ自分がハマったか?をとても大事にしています。その時のフィーリングですね。」

鳥井さん「ありがとうございます。堀口さんは、これ大切にしている!ってものありますか?」

堀口さん「長く愛せるかどうかと、気分が上がるかどうかが大事ですね。履くにつれて味が出てくる靴があるんですけど、これって1~2年のレベルではなくて、10~15年とか付き合っていくものなんですよ。そうなると大事にするようになったし、家を出る前に天気をチェックするようになりました。もし、雨が降ったらシミになってしまうので、そのシミが10年残ると考えると履けなくて、、。なので、靴を起点に生活が少し変わったというのはありますね。これが長く愛せるかどうかの話です。もう一つ、気分が上がるかどうかは、このジャケット着たら1日楽しいとか、このハットを被ったら1日楽しくやっていけるとかあると思うんです。これ平岡から教えてもらったんですけど、”寝る前に前日着るものを選んで寝たほうがいい。”と。朝の時間の短縮と、いい服が着れるんですよ。これはいまだに続けている習慣ですね。」

鳥井さん「そこに煩わしさとかはないんですか?」

堀口さん「それで言うと、楽しくてしょうがないですね。確かに手間が増えているので、感じる時がないことはないんですけど、、、僕も一時期、スティーブ・ジョブズみたいに制服作っちゃおうかなと思ったんですよ。毎日同じ服でズボンで。一回試しにやってみたんですけど、1週間も続かなくて、すごいつまらなかったんですよね。それよりは、多少手間がかかってもいいから、自分の気分を上がる1日を過ごしたほうが、結果的に1日の生産性が上がるんじゃないかなと思います。考える時間5分を削るよりも、1日の16時間を楽しく過ごせる選択をしたほうが、いいんじゃないかなと思って、そうしています。」

鳥井さん「ありがとうございます。平岡さん、なにか付け足すことってありますか?」

平岡さん「前日に服を用意すると言う話があったと思うんですけど、服って自己表現であり、アウトプットだと思っているんです。人にお見せするものなので。そして、アウトプットのクオリティは担保するものだと思っています。服ってそう言う意味では、当たり前に着るから”準備する”という意識はあまりならないのかなと思います。ただ、人にすごい見られるものなので、ちゃんと向き合うことが大事です。人から褒められるとか、自分が納得できるとか、ちゃんと向き合わないとできないことなんじゃないかなと思いますね。あと、服は大切にした方がいいと思います。服って扱い方によって価値が変わると思うんです。言ってしまえばただの布なので、扱い方によってダメなものにもなるし良いものにもなる。装うことを楽しむのであれば、大切に扱った方がいいと思います。」


3. 今後どうなっていきたいか?在りたい姿とは?

山脇さん「2つあります。服を作る立場としては、デザインや品質ともう一つの軸として、”どういう風な思いで作られたか?”というモノの選ばれ方の楽しさを、もっともっと自分自身が発信していきたいですね。そして、1人でも多くの方に(デニムを)持っていただきたいなと思うのが一つです。私たちの思いへの共感が、買う決め手になっていただけると、とても嬉しいです。もう一つは、好きを価値にする。発信していくことの価値って高まっているなと思いますが、一方で好きなものを好きと言えるハードルはまだまだあると思うので、このハードルを下げられるような仕組みを作りたいです。もっとたくさんの人が気軽に服が好きと言えるようになれば、今まで生まれてこなかったものが、生まれてくれるかもしれないと思っています。そういうことを気軽に話せるコミュニティを、作っていきたいなと、チャレンジしたいなと考えています。」

鳥井さん「そもそもとして、アパレルブランド在り続けたいなと思っているんですか?やってることとか、考えていることとか、もはやアパレルを超えていると思っていまして。」

山脇さん「まだまだできることがあるなと思っています。それに、今手放すのはもったいないと思っておりますので、その両軸、、、服が好きな人が集まる場所を作りつつ、デニムを届けていくことは、両方進めていきたいと思っています。」

鳥井さん「ありがとうございます。では、堀口さんお願いします。」

堀口さん「聞いててびっくりなんですけど、山脇さんと考えていることほぼほぼ同じです。2つ考えているんですけど、軸が両方とも一緒で、1つはモノを作っている人を応援したいんですよ。広告費がある企業のモノがどんどん知られていくという中で、やっぱり知られていないけど良いものとかあるんですよね。でもそれが知られる仕組みがない。なので、そこは応援していきたいなと思っています。良いものを作っている人がしっかり評価されるような仕組み・プラットフォームは作っていきたいなと思っています。それがある前提で、広げる人がいないと広がっていかないと思いますので、それを広げていく語り手の人ですね。その語り手を増やしていきたいなと。」

鳥井さん「僕がずっと気になっていたのは、堀口さん会社の代表じゃないですか?今後も自分が第一線で表現し続けるかどうかって、とても悩ましいと思っています。僕も会社の代表ですけど、コンテンツ作りに一切関わっていないんですよ。そこは仕組みを作る側に回ると決めたんです。堀口さんの場合どうするんですか?」

堀口さん「それめちゃめちゃ難しい質問ですね。僕が先頭に立ってやらないといけないと思っているんですけど、それだと僕のイメージが強くなってしまうので、他の人たちの色がつかないんですよね。ドリップ全体像が見えづらくなっちゃうので、、僕はあまり色を出さない方がいいのかな?と思いつつ、ヒカキンみたいな憧れの存在となる人もいると。プレイヤーなのか?なんなのか?というのは、すごく悩んでますね。今後どうしていこうかなというのは、結論が出ていないですね。」

鳥井さん「じゃあ、やっていきながらって感じですね。ありがとうございます。では、平岡さんはいかがでしょうか?」

平岡さん「装う的なところで言うと、ファッションのイメージを変えたいですね。昔のファッションって、人と差をつけるための道具だったんだと思うんですよ。いいブランド買って、車買って見せびらかすような。でも、今はちょっとずつファッションの意味も変わってきていて、より自分に向き合うツールなのかなと思っています。今でも、ファッションがマイナスなイメージで使われたりとかしていて、ファッションはもっと本質的な意味合いで使われるべきだと思うのに、まだ時代認識が追いついていないなと。それを自分が発信していってやっていければいいなと考えています。」


最後に

装うについて語った一夜。

途中、山脇さんが言っていた「好きを価値に変える」。

これはとても共感できることで、この感覚がミレニアル世代にあるのでは?と感じます。だからこそ、発信の価値が高まっている。非常に納得です。

改めて、同世代のつながりが生む価値を体感した気がしました。過去に、同世代のスポーツ好きで集まるコミュニティを、運営していた時と同じ感覚。推進力がまるで違うなと。

「やりたい」から「やる」この間隔がめちゃ近いんですよね。それは、なんとなく価値観を分かち合えるから。その背景を感じ取れるからなのかもしれません。

今後も、このような同世代コミュニティの価値は上がっていき、数も増えていくような気がします。

同世代のつながりを大切にしつつ、私の好きをどんどん発信していきたい。そんな気持ちにさせられたイベントでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

それでは!


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長田 涼
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