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銭湯スクールを終えて

こんにちは。コト暮らし の長田涼(@SsfRn)です。

昨年12月にリリースした、「わたしのまちで銭湯をはじめるスクール」。1月からはじまり、5ヶ月間のプログラムが先日終了となりました。

銭湯スクールには、全国から13名の方が参加してくださり、それぞれ銭湯へ熱い想いを抱いて最後まで走り抜いてくれました。(途中離脱者ゼロ)

オンライン講義の様子

今銭湯のプロジェクトに関わっているひと
スーパー銭湯のリニューアルをしているひと
計画が頓挫した銭湯を再始動しようとしているひと
会社員だが銭湯経営者を目指しているひと
まちづくりの一環で銭湯を復興しようとしているひと

本当にさまざまな立場で、さまざまな銭湯構想を持っているみなさんに集まっていただけました。

ここにいるみなさんとコミュニケーションを取る中で、今の銭湯スクールにとって最適なコンテンツは何か?を常に考えて運営をした結果、当初予定していなかったゲストをお呼びすることにもなりました。

銭湯を一からはじめる方法・民家を銭湯にする方法・銭湯とまちの関わりを考える回・銭湯の継業について学ぶ回・銭湯の肝である番頭番台の価値を学ぶ回・温浴コンサルタントから銭湯経営を学ぶ回など、多角的に銭湯を学ぶ場になっていきました。

【ゲスト一覧】
・市来 広一郎さん(machimori代表)
・瀬川 翠さん(Studio Tokyo West代表)
・加藤 優一さん(銭湯ぐらし代表)
・黒岩 裕樹さん(黒岩構造設計事ム所代表)
・湊 三次郎さん(ゆとなみ社代表)
・レイソン美帆(菊の湯)
・小林 慎一(小林経営企画事務所 代表)

また、唯一のリアルでの回「熱海フィールドワーク」を実施し、machimoriさんにご協力いただき、とても濃厚な一泊二日を過ごしました。(詳細は画像と共にどうぞ)

熱海のことを学ぶインプットの時間
machimori 市来さんによる熱海のまち歩き
現在運営されている銭湯「山田湯」の視察
現在施行中の銭湯「渚湯」の現場を視察
夜は参加者と熱海の方で交流会
得たインプットをどう自分の銭湯構想に活かすのか?プレゼンタイムも実施

きっと、ここまで銭湯のことに浸かった5ヶ月間はなかったでしょう。銭湯スクールを通じて、参加者のみなさんそれぞれが歩む道が見えた様子が伺えました。より具体的に戦闘の構想が描けたひともいれば、銭湯の道を諦めるひともいれば、角度を変えて関わり方を模索するひともいました。

どんな道であれど、みなさん納得感が高い選択であることを感じられて、改めて開催してよかったと心から思っています。

私たち自身も、実現したい銭湯をかなり言語化できるようになってきましたし、実現に向けて何が必要なのか?も理解できてきました。それをひとつずつ埋められるように、日々鞆の浦で活動している今日この頃です。


銭湯は両面からのインフラであること

今回のスクールを通じて、多くの銭湯に関わっているひと・関わろうとしているひとと出会ってきました。

それぞれ、考えている銭湯構想や活動フィールドなどは多種多様でしたが、共通していたことは「自分自身が実現したいことと、社会が接続されていた」ということだと思いました。

事業として銭湯をやろうとしている以上、事業計画や資金繰りなどを考えなくてはいけません。そういったビジネス的な視点や感性の大切さは終始説かれ続けていたのですが、いわゆるビジネススクールにはないような空気感があり、常に頭のなかには構想している銭湯のイメージが皆さんあったように思います。

そこには自分だけの姿ではなく、まちがあって、そこで暮らす他者がいて、通ってくれる常連さんがいて、時には外から来る方もいて。あらゆる関係性があり、点や線でなく「面」としてイメージしていた方が多くいたように思うのです。

それは、間違いなく自分と他者と社会がつながっているということ。そういう趣向性の高いひとが生み出す象徴のような存在が銭湯ということなんだろうなと。

銭湯スクールを運営している期間中に、能登半島珠洲市にある銭湯「あみだ湯」にボランティアへ行かせてもらったこともあり、銭湯のインフラとしての価値を痛感しています。(1万字の記事も書かせてもらったので興味あれば読んでみてください)

ハード面的なインフラの価値は言わずもがなですが、ソフト面でのインフラにもなるんじゃないかなと思ったんです。上記に書いた通り、銭湯は社会的な活動であり、利己と利他をつなぐ場でもある。そんな銭湯がまちにあることで大切な文化が発信されていく。それは一種のインフラと言っていいんじゃないかなと思いました。

改めて、銭湯はひとの交差点であり、想いの交差点でもあり、まちの交差点であることを強く実感する機会になりました。銭湯には社会的な意味があること、それを銭湯スクールを通じて学んだことのひとつです。


ニッチな学びの場は源泉になる

銭湯スクールの参加者に何度も言ってもらえた言葉が「こんなニッチなスクールを開いてくれて、ありがとうございます!」ということでした。

言われて「やってよかった〜!むしろありがとうございます!」と思いつつ、言われる度にここから何かがはじまり出す感覚を得ていたんです。

それは、ニッチだからこそ生まれる熱量であり、つながりであり、源泉みたいなものなんだろうなと。

そもそもこの社会に銭湯を学ぶスクールはほぼ存在しておらず、さらに「わたしのまちで」というタイトルにもある通り、ただ銭湯経営を学ぶのではなく、まちとの関わりや銭湯の意義もしっかりと学ぶスクールです。かなりニッチです。

このニッチさがあるからこそ、ここに参加している方で共有できる感覚があって、いきなり銭湯の深めな話をしても許される空気が最初からありました。

きっと、私は今後銭湯の構想が形になっていく動きがある度に、銭湯スクールの仲間たちには共有報告していきます。自分が好きでやっていることを共有する場があること、それを受け止めてもらえることは、大きな力になると思うんです。おまけにニッチな相談もすることができる。その連鎖で、かけがえのないコミュニティへと育っていくんだろうなと実感しました。

今後も、あらゆるテーマで学びの場をつくっていく私たちですが、銭湯スクールで得られた経験をいかして、唯一無二の場を生み出していこうと思います。その先にこそ、私たちが描いている「”あなたの選択”が溢れる社会」があることを信じて。


最後に、銭湯スクールにご参加いただいたみなさん、ゲストで登壇いただいたみなさん、熱海でお世話になったみなさん、応援してくれたみなさん、ありがとうございました!

またお会いできることを楽しみにしております!


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長田 涼
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