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言葉の力 - ハリーポッターが生まれた理由 -
作者、JK ローリングが経験した悪・不正義と徹底的に戦うため
言葉の力が、どう私たちに影響を与えてくれるのかについて、ハリーポッター作者のJK ローリングさんのハーバードでのスピーチ(前半・後半)を踏まえて、書いていこうと思います。
JK ローリングは、アムネスティインターナショナルのアフリカ担当で、日々拷問を受けた人たちの話を聞いたり、その対応に追われる仕事をしていました。
青年たちが身体に起こったとんでもない悲惨な出来事を喋ってると、思い出すだけでゾッとする体験なので、震えが止まらなくなったり、思わず悲鳴が上がったり、そういうことがたくさんあって、そういう話をたくさん聞いていく中で、JK ローリングは次第に毎晩悪夢を見るようになってしまったそうです。
相当つらい悪夢だと思います。精神的にはかなり限界に近いところまで彼女は追い込まれてたんじゃないかなと思います。
普通、人間そういう状況に追い込まれたら、取れる作戦って大きく分けて二つあると思うんです。
一つはアムネスティインターナショナルを辞めて、逃げて、一切見ない、一切かかわらない、一切触れないっていう戦い方もあると思います。
しかし、J K ローリングはこの方法を取りませんでした。
無視するというのは意外に辛いんですよ。ふとした時に思い出しちゃって、これでいいのかな、小さい時に見たあの不正義を見逃したことはそれで良かったのかなとか、なかなか辛いと。JK ローリングは自分の感情を救済するために、こういう行動に出たわけです。
それはつまり徹底的に戦う。悪い奴・不正義に対して徹底的に戦うって方法を彼女は取った。それが、母親が子供達の枕元で語り聞かせるハリーポッターという作品を書くことだったわけです。
彼女自身が非常に深く傷ついた体験をなんとか乗り越えるために、書き始めたハリーポッターが世界的大ヒットに繋がっていったということなんですね。
ハリーポッターは、愛と勇気と魔法を駆使して悪と戦う小説です。
悪とは何かっていうのは一概に言えないんですが、アムネスティーで見てきたような悲惨なことを含め、様々な反社会的、非社会的(正義とはそもそも何なのかとか、反社会的とはそもそも何なのかっていうのは、議論があるとこなんですが)、そういうものと戦うってことです。
私たちが社会を良くする言葉を生み出すための源泉
では、どうすれば、社会的にインパクトのある言葉を残せるのかが、大きな問いになると思います。
それを僕はここで強く言っておきたいのは、多くの場合、幼少期に感じていたこと、あなたが正しいと思うこと、正義、良いと思うこと、善ってあると思うんですね。
子供の時は純粋に思っていたことが、大人になっていくにつれて様々な言い訳を通して、その純粋さが覆い隠されていってしまっているかもしれません。
ですが、そこにある声、小さなハリーが正義を成したいと思ったその声こそが、皆さんがハリーポッターを書くための唯一の言葉の源だと僕は信じています。
なので、そういう言葉に、そういう声に耳を傾けてもらえるのが一番いいのかなと思います。