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子どもが園に行きたがらない!ときの親の対処法

子どもが幼稚園、保育園に行きたくない!と、行き渋りがあるお子さんのことをよく耳にする。
今回は、親が安心して園に預けることができれば、子どもの行き渋りも軽減されることがある、ということについてお話したい。


 子どもが幼稚園あるいは保育園に行きたくないという時、親としては、
①みんな通っているんだしちゃんと通って欲しい
②お友達と仲良くして欲しい
③先生にも他のママにも、子どもや親の自分に問題があると思われているんじゃないかという不安
④このまま学年が上がって不登校になるのではないかという不安
など、色々な気持ちが湧いてくるだろう。
さて、子どもの方は、というと。子どもは親が思うよりも敏感にその場を感じ取っている事も多い。

 子どもが園に行きたいと思わないのはなぜか。今回注目する親の要因に関して言えば、「子どもがその場所にいくこと、あるいはその場にいることに安心できないから」ということに尽きる。

 その理由は、実は「親が安心してその場所に預けられていないことが」大きい。親が安心できないという状況になる背景には、例えば以下のようなものがあるだろう。
①そもそも希望する園ではなかったが通園させている。
②希望して入った園でも、他の園の方がよかったのではないかと悩む。
③先生方の、子どもや親自身に対する関わりに不満がある。
④園や園の関係者(教師や友達、親など)との信頼関係がなく、親自身の居場所がない。

 残念ながら、全ての人が希望通りの園に通園できるはずはなく、また希望の園に入ったとしても実際には入ってみなければわからないことも多い。もしも、子どもの人権を無視したり、子どもを尊重する言動が著しく欠如している園であれば迷わず転園をお勧めする。ただ、決定的な事由はないにせよ、なんとなく気になる、なんとなくほったらかされている感じがするといった不安や疑問で、転園まではまだ勇気がないという場合、園について悩むのは理解できるが、そのことと今現在、毎日園で生活する子どもが、日々楽しく過ごせるかどうかは別の問題だ。各園にも長所・短所はそれぞれあるわけで、全て満足、ということはある意味理想的で、稀なことだ。

 事前に園に関する情報収集やリサーチを綿密にやったり、できることはすべてやったのなら、現在に通園している園に対してないものねだりをしたり不満を述べるのではなく、今いる園で子どもがどうしたら楽しく毎日送れるか、をまずは真剣に考える方がはるかに有意義だ。

 
 家庭以外での、毎日の子どもの生活場所となる園に対して、いつまでも親がああでもない、こうでもないと悩み不安に思っていること自体が、親の発言、しぐさ、行動から湧き出てしまい、それを子どもは敏感に感じ取り、園に行くことが楽しみではなく不安になってしまうのである。

 幼少期は人格形成の重要な時期であり、園での保育者、親、子どもの関係性は安定した信頼できるものであることが望ましい。まずは親が、自分の緊張を解いてしかめっ面をやめ、笑顔で教師や他の親、そして教師に挨拶をしてみよう。挨拶を自分からすると、自分がそこにいる人たちと関係があるのだ、と自分自身に無意識に思い込ませることができ、結果として自分の安心につながる。

 また、親が同じ境遇の親との情報収集や情報交換を少し努力してやってみてほしい。親が、他の親や教師、子どもと安心して笑顔で関わっている姿を子どもに見せることは、子ども自身も、なんだかここは大丈夫そうだ、と肌で感じるきっかけになる。人が育つ土台には人間関係があり、健全な人間関係は信頼関係なくしては成り立たないのだ。信頼関係は「関係」というくらいなので、お互いがお互いをよく知ることで醸成されていく。お互いを知る努力をしよう。
 親にとっても子にとっても貴重な、二度とこない幼少期、親が一歩踏み出して、お互い毎日楽しくいこうではないか。

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