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多様な人と関わりながら、新しい「プレイス」をつくる。「エリマネ協定」インタビュー
パラレル・インターンシップ!?
重久柚子さん(ゆずちゃん)は、北九州市立大学 地域創生学群で、まちづくりを学ぶ3年生。現在、同大学の制度を活用して、札幌市の建設会社である創伸建設へ5か月間のインターンシップに参加しています。
そのきっかけは、彼女が自分のキャリアについて悩みはじめたことでした。
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「もともとまちづくりに興味があって大学で学んできました。でも、教育や福祉、さまざまな角度からまちづくりができることを学ぶ中で、自分がほんとうに何をしたいのかわからなくなってきたんです」。
その様子を見た、創伸建設の岡田社長は、受け入れ先として建設会社のことを学んでもらうことは大切にしながら、さらに彼女の可能性をさらに後押しすることを願って、このように声をかけたそうです。
「林さんのところで面白いことやってるよ」。
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こうして、ゆずちゃんは、私たちcommons funにおいても、同時にインターンをしていただくことになりました。つまり、同時に2つの会社で業務経験をする、いわば「パラレル・インターンシップ」のような状態(!)です。
この記事では、その初のケースであるゆずちゃんが、どんな体験をしているのかを追いたいと思います。
なお、この取り組みは、「エリマネ連携協定」という新しい仕組みによって行われています。そちらについては以下の記事をご覧ください。
札幌大通プレイスメイキングでの体験
ゆずちゃんが参加したのは、「札幌大通プレイスメイキングチャレンジ」と呼ばれる取り組みです。
それは、地元の高校生が中心となり、大通公園をどんな場にしたいかについてアイデアを出し合いながら、公共空間を市民にとってより活用しやすいものにしていくプロジェクトです。
ゆずちゃんはこのプロジェクトで「世界チーム」というチームに入りました。日本の文化や良さを世界に発信することがテーマでした。
たとえば、古い着物をリメイクして着物やドレスをつくる取り組みをしました。イベントを行うために、どう企画を立てていくか、開催後のアンケートはどうするかなど、総合的に動きを組み立てていく必要がある現場は、彼女にとってチャレンジだったそうです。
イベント当日、大通公園はインド、アメリカ、韓国、フィジーなどから多くの外国人が訪れていました。そこで、英語を専攻している仲間が英語でコミュニケーションをとっていたりなど、それぞれのメンバーが自分の強み・得意なことを持ち寄る姿が見られました。
こうしたことから、「実践を通した学びや、みんなの強みを活かすチームづくりの経験ができた。これは教室の中だけでは得づらいかったもの」とゆずちゃんは語ります。
さらには、「着物を着てくださった方をチェキで撮影し、写真をお渡しするという案を考えました。ふと思いついた小さな案だったのですが、予想以上にたくさんの人に喜んでいただけました」
「修繕しながら着れるという点で、着物はサスティナブルな側面を持っているということも発信できました」。
笑顔で自分たちのチャレンジを振り返る様子からは、ゆずちゃんが多様な人々との関わりの中で、成功体験を得て、自信につながった様子が伝わってきます。
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ゆずちゃんの変化
今回の経験を通じて、ゆずちゃんの考えに変化があったそうです。
「私が経験したプロジェクトでは、みんなが自分の好きなこと、楽しくやりたいことをやっていました。それが集まることによって、みんなが幸せないい空間が出来上がっていきました。もちろん、まちづくりプロジェクトではありますが、あまり、まちづくりそのものを目的にし過ぎていないというか。」
「その様子を目の当たりにしたことで、私自身についても、今の段階であまり自分自身の目的を絞らなくてもいいのではないか、と思うようになりました。まずは、とにかくいろんな経験をしてみたい。そのように思っています。」
その表情は「やりたいこと探さなきゃ!」という焦りや困惑よりも、しあわせな余裕を持っていたように見えました。
私たちcommons funの仕事は、「プレイスメイキング」という言葉にしばしば集約されます。その「プレイス」は、一般的には公共空間を指しますが、もしかしたら、ゆずちゃんのように「心の中の場所」も一緒にメイクしているのもしれません。
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最後に、ゆずちゃんは「創伸建設でインターンができて本当によかった!」といいます。今回の機会は、主に建築物などハードを扱う会社でありながら、人材が地域の中で多様な人とつながりながら学んでいくことを大切にする創伸建設さんの意思があってこそ実現したものです。
学生の皆さんで「まちづくりに関連してインターン経験を積みたい」という方は、ゆずちゃんのように大学の制度を利用して、創伸建設さんのような会社へのインターンを検討してみませんか。
また、この取り組みは対象を学生に絞っていません。建設会社やデベロッパーでもっとまちづくりのスキルを学びたい方も歓迎です。
「エリマネ連携協定」についてもっと知りたい方は、ぜひコチラの記事をご覧ください。
今回も最後までお読みいただいてありがとうございました!
photo : Junpei Hirano
writer : Natsuki Narita
director/editor: Keitaro Yamazaki(PRIONDE/commons fun),Kyoichiro Sorimachi(WORKARTS,llc)