「資生堂、20年後の肌予測 健康・美容にテック新潮流」に注目!
【CES2024】資生堂、20年後の肌予測 健康・美容にテック新潮流 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
資生堂は米ラスベガスで開催中のテクノロジー見本市「CES」に初参加し、データ解析を通じて鼻の骨格から20年後の肌のしわやたるみなどを予測する技術を公開しました。スタートアップでは韓国企業が自動変形していびきを防止する枕を出展したほか、カナダの企業は人工知能(AI)搭載の卓上鏡型デバイスを公開しました。顔の血流を読み取り、心拍数や血圧を自動出力します。健康や美容などヘルスケア領域にもテクノロジーの波が押し寄せています。
資生堂の新技術は専用ソフトを搭載したスマホカメラを向けると、鼻骨格の高低を画像処理技術で3次元スキャンします。骨格の測定を終えると、20年後の顔の予測が画面にイラストで表示されます。そして肌の毛穴、水分量、透明感、たるみ、色むら、しわのトラブルの起きやすさをグラフで表します。
未来の肌の悩みを予測できるのは、資生堂が10年以上前から世界中の人の肌を測定し、蓄積したビッグデータがあるからです。今回のソフトで測定した利用者の肌データと、過去データ解析分とを照らし合わせることで、利用者の肌を分類して将来どうなるかを予測できます。
2月から国内の百貨店など同社の化粧品取扱店で展開を始めます。店頭で将来の肌の様子を診断して、トラブルごとにあった化粧品などの提案につなげます。海外にも順次展開する方針です。
資生堂によると、これまでの研究で鼻骨格と肌悩みの起きやすさには関連性があることが分かっているといいます。研究員は「美容のためだけではなく将来の肌を知ることで食事や生活習慣の改善など意識が変わり、健康や予防医療にもつながる」と話します。
ビッグデータ解析やAIなどデジタル技術を使って、健康増進や美容ケア、病気の予測や予防につなげる動きが世界的に急拡大しています。調査会社のグローバルインフォメーションによると、健康や医療分野にデジタル技術を掛け合わせたデジタルヘルスの世界市場は2030年に8503億ドル(123兆円)と、2022年比で3.8倍に拡大するといいます。
仏化粧品大手のロレアルは利用者の肌の状態に合う最適な化粧品と管理法を提案してくれる生成AIを披露しました。化粧品の使い方を教える動画も表示できるといいます。
健康関連でも測定技術やデータを活用した製品の展示が目立ちました。韓国のスタートアップ10minds(テンマインズ)は、いびきを感知すると形が変わる枕を展示しました。枕の近くに置く装置から枕に空気を送ります。利用者がいびきをかいていると、枕の形を変えることで頭を動かし気道を変えます。いびき防止枕は既に発売しています。今後は関連製品として指にはめるリングを発売し、センサーを通じて体内の酸素量を測ることができるようにします。
カナダのNuraLogix(ニューラロジックス)は心拍数や血圧などのデータを自動で測定できる製品を初めて公開しました。鏡のような形の製品にはカメラが取り付けられており、顔の血流を読み取ります。データをAIで処理することで、心拍数などのデータを把握できるといいます。
このCESでは、他にもホンダが2026年に投入する独自開発の電気自動車(EV)2車種を初公開しました。独自EVは「0(ゼロ)シリーズ」とのブランドで打ち出します。EV専用に新たな「H」のロゴも策定しました。今回公開した試作車はシリーズの第1弾で、セダン型「SALOON(サルーン)」とミニバン型「SPACE-HUB(スペース ハブ)」を披露しました。
また、クボタは電動農機向けの急速充電器を開発していることを明らかにしました。5分程度の充電で農機を数時間稼働させることを目指しています。EVでは米テスラの急速充電器が存在感を持ちますが、農機向けでは独自規格の充電器を展開して普及を目指します。農機は作業時の電力消費が大きいこともありテスラとの直接比較できませんが、テスラの充電器に対抗できる性能を目指しているとのことです。
このように、様々な技術をCESで示した日本企業。資生堂やホンダ、クボタの今後の活躍に期待しています。