「手ぶらでバス乗り降り 日立、ビーコン利用の新システム」に注目!
日立、手ぶらでバス乗り降りの新システム ビーコン利用 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
日立製作所はビーコン(電波受発信器)を活用した次世代型交通機関乗降システムを開発します。乗客のスマートフォンが車内やバス停に設置したビーコンの電波を受信して、いつどこで乗り降りしたかを把握し、スマホを料金収受装置にかざさずに手ぶらで交通機関を利用できます。複数の交通機関も円滑に乗り継げます。利便性を高めて公共交通の利用を促します。
茨城県つくば市で19日に始まった自動運転バスの実証実験に、KDDIやNECなどとともに参加しています。「次世代ハンズフリーチケッティング」の実用化に向け課題を探ります。
スマホにビーコンと通信するアプリ「つくロケ実証」をダウンロードし、アプリを起動させてバスに乗ります。近距離無線通信(ブルートゥース)を使って、バス停や車内のビーコンとスマホがリアルタイムで通信し、乗車した停留所や下車した停留所の情報や時刻を秒単位で把握します。
今回の実験ではビーコンの位置情報をもとに乗降に関する情報を把握しますが、将来は料金も自動的に決済できるようにする計画です。IC定期券やスマホを使う決済は、料金収受装置にカードやスマホをかざす必要があります。新たな仕組みを利用すると、ポケットやかばんにスマホをしまったままハンズフリー(手ぶら)で乗降できます。
複数の交通機関を利用するケースも想定しており、筑波大学周辺を走る路線バスへの乗り継ぎも検証します。つくば駅から大学まで、関東鉄道が運行している「大学循環バス」にビーコンを搭載し、自動運転バスから路線バスへ乗り継いでも情報をうまく記録できるかどうかを調べます。
つくば市は2月、つくば駅周辺に電動キックボードや小型自動運転車などのマイクロモビリティーを配置します。貸し出し、返却ができる拠点を設け、簡単に移動できる新たな仕組みを構築する計画です。
ビーコンを使って自動運転バスや路線バス、マイクロモビリティーの乗り継ぎデータを把握し、利用履歴を記録します。正確に課金できるかどうかなどを探り、複数の交通機関の乗り継ぎをよりスムーズにする考えです。
市域が広いつくば市は、自動車が主な交通手段です。だが、運転免許証を返上する高齢者もいるため、バスなど公共交通機関の役割が増しているとのことです。複数の交通機関をスムーズに乗り継げるシステムが確立すれば、利用者の利便性が増し、公共交通の活用につながりそうです。
つくば市で30日まで行う実証実験では、自動運転バスの安全な運行を支援する新技術も検証します。
実験に参加するNECは、横断歩道などの周辺に設置した高解像度の「4Kカメラ」で捉えた映像を分析して歩行者や自転車の位置や速度などを把握し、高速大容量通信規格「5G」を使って自動運転バスに伝えます。安全運行につなげる「路車協調システム」に関するデータを収集します。
死角が多い交差点での右折など、車載センサーだけでは把握しにくい道路状況を確実に捉えます。特定条件下で運転を完全に自動化する「レベル4」による運転を2025年度に実現する計画です。
日立製作所は同じ茨城県日立市とも「デジタルを活用した次世代未来都市(スマートシティ)計画に向けた包括連携協定」を締結し、①グリーン産業都市、②デジタル医療・介護、③公共交通のスマート化を軸として、日立市の活性化と住民の安心・安全な暮らしを実現していくために共創プロジェクトを推進しています。つくば市等の例もそうですが、地域の為に役立つ取り組みを続けています。
なお、今年(2024年)1月15日は日立製作所の創業者である小平浪平の生誕150周年にあたります。「小平浪平生誕150周年記念プロジェクト」も開始しています。今後も人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に取り組んでいく日立製作所に期待しています。