茨城のセーフティネット、市民社会を広げたい
はじめまして、茨城NPOセンター・コモンズ@常総です。わたしたちは、茨城県水戸市と常総市に拠点を持つ認定特定非営利活動法人ですが、本noteでは常総市を拠点に展開している様々な取り組みについて、皆さんにお伝えできればと思っています。
わたしたちは、2023年に設立25周年を迎えました。設立20年にあたる2018年に改めて組織として大切な考え方をまとめていますので、本稿ではそれらを中心に紹介させていただきます。
1_はじめに
団体としては、1996年に有志で茨城NPO研究会を立ち上げ、県内市民団体の調査などを実施していましたが、NPO(特定非営利活動促進)法が成立した1998年に同研究会を母体に法人を設立しました。
そして、NPOに関する情報収集や提供、調査・研究、NPO支援等の事業を設立当初から継続的に取り組む中で、リーマンショック後の2009年頃からは外国籍住民の就労や就学の支援を行うようになりました。2010年に国税庁から、2015年には茨城県から認定NPOとして認定をいただいております。
また、同年2015年に起きた鬼怒川洪水の被災から災害復興にも取り組み、地域の人々の心の壁あるいは組織の壁を越えて、多様性が尊重される社会をつくり、寄付やボランティアによる参加の機会を生み出し、地域で支えあう関係性を作ることを目指して活動を展開しています。
わたしたちの「目指す社会像:ビジョン」と、そのために果たすべき「社会的な役割:ミッション」、ビジョンとミッションの実現のためにも「今後も大切にしたい価値:バリュー」、それらを踏まえた「10年後に達成する中期的目標:オブジェクティブ」、セーフティネットと市民社会の実現に向けた「事業の対象と柱」を基に活動を進めています。
2_「目指す社会像:ビジョン」と「社会的な役割:ミッション」
様々な課題当事者が社会的に包摂され、多様性が尊重され、人や組織がつながり共に行動する市民社会の実現を目指し(ビジョン)、セーフティネットづくりに取り組む活動を支え、ネットワーク化し、または自ら取り組んで、その芽を育てること、また地域における民間非営利団体の活動基盤の充実を図ることがわたしたちの役割(ミッション)と考えています。
3_「今後も大切にしたい価値:バリュー」と「中期的目標:オブジェクティブ」
前述のビジョンとミッションの実現のためにも、今後も大切にしたい価値(バリュー)を下記の通り、定めています。
セーフティネット(制度外福祉)の充実
ダイバーシティ(多様性)
ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)
市民社会
ネットワーク型社会
特に、行政や社会福祉協議会等による既存制度による支援が届きにくい方たちへのサポートを積み重ねてきており、制度で救えない方々を支える取り組みや仕組み、インフラを「セーフティネット」と捉えてきました。
そして、2028年を目途に県内5地域(県北、県央、県南、県西、鹿行)に以下のセーフティネットを生みだすことを中期的目標としています。
誰もが来られる居場所
組織連携によるワンストップのよろず相談場所
フードバンクによる食のセーフティネット
ジョブトレーナーによる中間的就労
多文化共生時代にふさわしい保育、教育、キャリア支援機関
空き家を活用した一時入居できるシェルター
災害時に対応できる福祉ネットワーク
これらの実現のためには、ミッションにも掲げている「セーフティネットづくりに取り組む活動を支え、ネットワーク化し、または自ら取り組んで、その芽を育てる」ことが重要だと考えています。
4_事業の対象と柱、わたしたちのネットワーク
また、掲げているミッションの実践として、地域課題解決の担い手が少ない分野に直接関わり、モデル的事業に取り組みつつ、その事業を通じて担い手、財源、情報、ネットワークなどの活動資源が充実した段階で、わたしたちからは分離・独立しています。
パソボラ茨城、とらい、茨城福祉移動サービス団体連絡会、フードバンク茨城、ふうあいねっと、グローバルセンター・コモンズなど、わたしたちが生み出してきたセーフティネットづくりに関わる団体とは、その後は側面的、間接的にその活動をサポートすることで、わたしたちが永続的にその活動を自前で行わない形をとっています。
そして、支援が必要なすべての方(ひきこもりがちな市民、子ども、外国人、被災者、高齢者、障がい者等)と、彼ら彼女らを支える地域社会の団体とともに、「セーフティネットのインキュベーション(創出)」、「ネットワーク化の促進」、「担い手の育成」、「活動資源の仲介」の4つを「事業の柱」として取り組んでいます。
次の投稿では、上記「事業の柱」について各事業の概要をご紹介したいと思います。また、その後の投稿では、代表の想いや、取り組んでいる事業についてより詳しく、事業に関わるスタッフや関係者の方の想いなども本noteを通じてお伝えしていければと思っています。