文法は優美な姿をしている
今日の一文は・・・
佐藤良明の『英文法を哲学する』から。
彼に誘われて「柔らかい」英文法の世界に足を踏み入れた。そのときの体験をつづったものは、拙ブログに書いたので興味のある方は読んでみていただきたい。
文法は美しい、それが自然言語に根差しているかぎり。
「美しい」というのは多分に主観を含む言葉ではあるけれど、以前、SE の仕事をかじって、あるシステムに関わったことのある身からするとなんとなくその意図するところが分かる。
「ああ、よくできているなあ」
という感想が「美しい」の語には含まれているのだ。
インプット、プロセス、アウトプットの連続、当たり前に理解できる小さいユニットが組み込まれて複雑な動きを整然とやってのけてしまう様子というのは、見ていると溜息がでるくらい、なんかこう、感動してしまう。
英語も実はそうらしい。英語の世界には SVO というリズムが根底にあって、そのストレートな意味伝達を補語 C が包んでいる。S や O は 名詞句 N しかなれない。そして、C に形容詞句 adj がある場合を考えると、英語の文は多くが
N-V-N. N-V-N. N-V-adj. N-V-N. …
を繰り返していることが分かる。そんなパターンが繰り返されてる様子は音楽であると言われても間違いではないのだろう。
さらに佐藤は、英文法を、名詞を芽吹く動詞の発芽になぞらえた。英文法は彼によって植物モデルとなって立ち現れる。
英文法は音楽であり、植物である。
そんな美しい学習に触れられた素敵な本の冒頭が今日の一文。
それでは本日も一語一咲となりますよう。
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