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「いい目標を立てられない」根本的な原因解決を手助けするフレームワーク

「いい目標が立てられない」

OKRに限らず、このような悩みを抱えているメンバーや、「部下に自律して目標を立ててもらいたいが、どうもいい目標を立てられない」と嘆いている管理職の方は多いのではないでしょうか。

今回は「なぜいい目標が立てられないのか?」の根本的な原因について、「いい目標を立てられる組織」になるまでに、目標管理フレームワークの「OKR」がどんな役割を果たすのか?をご紹介します。

「目標設定の方法に課題を感じている」管理職は82.8%

2018年にパーソルキャリア株式会社が調査した「目標」に関するアンケートでは管理職と一般社員の双方に対して、「会社で行う目標設定の方法に課題を感じているか」を問いたところ、「感じている」と回答した人は、管理職で81.8%、一般社員で74.7%となりました。

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(引用:『1,200名のビジネスパーソン対象「目標」に関する調査』

三恵クリエスでも、OKRを導入する前の大きな課題の一つとして、「会社と個人のベクトルが合っていない」というものがありました。

評価のために半期〜年間の個人目標設定をしていたものの、その内容について経営層からフィードバックを受けるわけでもなく、メンバーが立ててきた目標を上長が承認する、といったスタイルです。

この「メンバーが立ててきた目標を上長が承認」スタイルは現在も多くの企業で実施されていると思いますが、ここには2つの落とし穴があります。

①メンバーが未成熟で、目標を立てるための物差しがわからず、「なんとなくそれっぽいもの」を持ってきてしまう。

②リーダーが未成熟で、経営層との目線があっておらず、メンバーが立てた「なんとなくの目標」をそのまま承認してしまう

特に①のケースは非常に多い、という声を聞きます。
ですが、①の原因は本当にメンバーにあるのでしょうか?

経営陣とリーダー層の目線合わせができていない問題

②の段階でリーダーがしっかり経営層と目線があっていれば、目標の差し戻しが行われ、メンバーが「追う意味のない目標を追いかける」ことを防ぐことが可能です。

そもそも、①の前にチームのミッションや、立てて欲しい目標の方向性をリーダーがメンバーと共有することから個人目標設定が始まるべきなので、その工程を飛ばしてしまっているのであればメンバーのみを責めるのは少し違うと感じます。
理想としてはやはり「②リーダーの未熟さ」が先に解決されてからの「①メンバーの未熟さ」の解決。
一人でも多くのメンバーがいい目標を立てられるようになるには「リーダーの成熟度」の影響が想像以上に大きいのです。

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ですが、複数メンバーを抱え、且つ毎日多忙なリーダーがしっかり目標設定時間をかけられるケースは少ないのではないでしょうか。(また、時間をかければ必ずいい目標が作れるとも限りません。)

特に中小企業の場合、組織の拡大フェーズになってくると必ず「ミドルマネジメント層不足」の課題が出てきます
そして、ミドルマネジメント層の十分な育成、経営層との目線合わせができないままにメンバーの目標設定〜評価までを担当せざるを得ないケースが多いです。

こうなってくると、「会社⇄現場」間で目標設定における見えない壁ができてしまい、会社の期待する想いが途中で途切れ、メンバー個人個人の頑張りのベクトルが会社の求めていないものとして、徒労に終わるケースが多いのです。

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(メンバー)
「リーダーが承認したはずの目標を達成したのに、最終評価でなぜかAをもらえなかった」
「リーダーに評価の理由を聞いてもはぐらかされて、説明してもらえなかった」

メンバーはこんな経験が重なっていくと、明らかにモチベーションを落としていきます。
そして一方、多忙なリーダーも自らが行う評価への自信がなく、実は1番悩み、困っています。

組織には「アラインメント」が必要

いますぐリーダーが経営層と目線が合うようになって、会社とメンバーをうまく繋げてあげられる。
目標設定において毎回メンバーが素晴らしい目標を立ててくるようになり、差し戻しや再説明が不要になる。

多くの企業において、上記の状態になりたい!でもなっていない(涙)のではないでしょうか。

OKRでは、このようにバラバラになっていて繋がらない会社、部門、チーム、メンバーの目線やベクトルを繋げ、揃えることを「アラインメント」と呼んでいます。

このアラインメントは、単純に「知識」「情報」を繋げるのではなく「概念」「マインド」を繋げることが重要であり、それはいきなり達成できるものではありません。
そして、目標設定に課題を抱えている多くの企業にとって、一つの根本的な原因に、この「アラインメントができていないこと」が挙げられます。

アラインメントは筋トレと同じで、スタートしてから徐々に体質が変わっていき、時間をかけて成果になるものです。
そのため、このアラインメントに本気で取り組む場合でもうまくいって半年〜1年、当たり前になるまでには2年3年はかかります。

OKRのフレームワークが、アラインメントを大きく助ける

OKRのフレームワークを導入することで、確実に得られるメリットが、この「アラインメントの推進」ではないかとこの2年で感じるようになりました。
事実、三恵クリエスでもミドルマネジメント層を中心に3年前まではベクトルがバラバラだった社内の目標の目線が着実にあってくるようになったからです。

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もちろん、OKRを入れるだけではなく、組織の体制や、人事制度の変更など、同時に施策を進めてきた効果でもありますが、

・手順に沿ってしっかり目標を落とし込むことで簡単にベクトルが合う
・ベクトルがずれていたとしても高頻度の見直しで、軌道修正が早い
・高頻度の対話がフレームワークなので、そもそも会話頻度が増える
 →自然と求める成果やミッションが定着していく
・時間はかかるが、多忙なリーダーに求められる「メンバーの目標設定育成」を自然とフォローしてくれる

「フレームワーク」なのでどんな企業であったとしても、継続することでこれらの効果が見込めます。

特に「自然とフォローしてくれる」という感覚が結構実感としてあって、「OKRでこうなっているから」とか「その目標ってOKRのどこと繋がるかな」など、OKRを基準として会話が行われるようになることで、自然と会社の目指す目標とズレが生じている目標は軌道修正されていきます。

「SMARTな目標」を立てる前に

目標の立て方、で検索するとよく出てくるのが、「SMART」など、フレームワークです。目標設定における重要な観点が網羅されており、OKRを作る際にも推奨されています。(他にもFASTやHARDなどもあります)

Specific=具体的
Measurable=測定可能
Achievable=達成可能
Realistic=現実的
Time-bound=期限付き

ですが、その「前段」がなければその会社にとっていい目標にはなりません。

「良い目標を自分で立てられるようになる」ためには、以下の条件が揃っていることが重要です。

①会社、チームにとっての「ミッション」「成果」を理解していること
②上司もまた、①を理解しており、その理由を明確にメンバーに説明できること
③成果を定量化するため、求められる「数字」「指標」を知っていること
④成果と現状のギャップを洗い出すための因数分解力、仮説思考能力が高いこと
⑤自身の目標に意義を感じており、会社の今期目標とも繋がっていることを確認できること
(①②⑤はアラインメント要素)

(他にももっとあるかもしれませんが・・)
上記の前提(=アラインメントとスキル)が揃い、ここで初めて、SMARTなフレームワークがさらなるいい目標設定を補助してくれます。

目標は、多くの場合評価に紐づくため、できるだけいい目標を立てたいと多くの人が試行錯誤します。そして、どうしても枝葉となる「HOW」に意識が行きがちですが、もっと根の部分、根本的な課題に向き合って「会社と個人のアラインメント」を意識していかなければ、いつまで経ってもいい目標設定が自然とできる組織、チーム、個人にはなれません。

OKRに頼らずとも「アラインメント」を実現する方法は沢山あると思いますが、日々忙しい中小企業の方で、「でもなんとかして目線合わせの一歩を踏み出したい・・!」という経営陣、人事担当者の方にはぜひ一度OKR導入の検討をお勧めしたいと思います。

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