対話の専門家が解説!わかってくれる部下を育成する唯一の方法
数えられないくらい、さまざまな企業様で会議のファシリテーションを務めてきました。その会議中に、部下に上記のような苦言を呈される上司、経営者の方をたくさん見てきました。
いや、ホント気持ちはとてもわかります。
わかりますが、これ絶対言ってはいけないセリフなのです。
なぜ、言ってはいけないのか?
それは「部下にただプレッシャーを与えているだけで生産的ではない」から。
「じゃあ、どうしろって言うんだ!」
なんて声が聞こえてきそうですね。具体的に説明していきますので、最後までおつき合いください。
会議で部下に苦言を呈してしまう上司の心理
まず、なぜ上記のようなセリフを会議で上司は言ってしまうのか?
それは部下に「わかってもらいたい」という気持ちがあるからです。
当然ですよね。伝えている理由は「理解してもらいたい」なので、そう思うのもムリはありません。
しかし、もう少し厳密に見ていくと「一回でわかってもらいたい」という欲求が存在しているのです。
「わかってもらいたい」に「一度伝えただけで」という条件を足しているのです。「わかってもらいたい」という思いも「一度伝えただけで」という条件も、マイナスに働くことはあっても、プラスに働くことはありません。
「わかってもらいたい」という思いを断捨離する
部下に「わかってもらいたい」という願望は、自分勝手な願望だと知りましょう。上司なら(もしあなたが経営者ならなおのこと)「わかってもらいたい」なんて願望はすぐに捨ててください。
そのかわり部下のことを「わかってあげたい」という願望をもつことをオススメします。
与えたものが受け取るもの
これが世の中の真理です。
「わかってあげたい」という願望をもち、具体的な行動を起こした人だけが、結果「わかってくれる部下」に囲まれるようになっています。
部下に自分の伝えていることを理解してもらいたかったら、部下に自分から質問する機会を増やしましょう。
また、一度話しただけで、上司の伝えている内容や想いまでくみ取れる部下は、超優秀な人です。
そういう人は誰もが知っていて、給与も平均より高い一流企業に就職しています。もしくは若くして独立し、ビジネスを成功させているでしょう。
あなたの会社が一般的な中小企業や店舗ビジネスを営んでいる会社なら、同じ話を何度もする必要性があります。もし、一度話しただけで理解してくれる部下があなたの会社にいるならば、それは奇跡です。
決してその人をスタンダードにしないでください。
奇跡の人を当てにするのではなく、みんなに何回も何十回も、それこそ何百回も同じことを繰り返し伝え続ける方が得策です。
そして、この何度も同じことを伝え続けることこそ上司、経営者の仕事なのです。
具体的な伝え方を伝授
「本当にみんなわかっているのか?」
「質問が少なすぎる!」
こんなことを言っていたら、部下の心は離れていきます。
つまり、人がたくさん辞めていきます。離職者が増えるのは、心理的にも経営的にもツラいですよね。そんなツラい思いをしたくない方は次のように言い換えてください。
before「本当にみんなわかっているのか?」
after「一度聞いただけだと難しいかもしれないから、明日また同じ話をしますね」
before「質問が少なすぎる!」
after「一度やってみたらわからないことが出てくると思います。それから、みんなに質問を募ります。なので、行動している最中に疑問を感じたらメモをしておいてください」
まとめ
部下の考えていることや、感じている不安を知る意欲をもちましょう。
そして、その意欲を行動に移してください。気がついたらわかってくれる部下に囲まれるようになります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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