初めまして、Com-ionです。
Com-ionとは?
2025年3月。
京都岡崎に根ざす築110年の町屋が、『Com-ion(コミオン)』として生まれ変わります。
明治45年に建てられた、青山家の住宅跡地。
平安神宮から歩いて10分。すぐ横を白川がのどかに流れ、静かで緑が多く、つい周囲を散策したくなるような気持ちの良い場所です。
そんな場所の魅力を活かす形で、Com-ionは生まれました。
Com-ionは、4つの空間で構成されるパブリックストアです。
オールデイダイニング『HiTOHi』
カフェ&ショップ『ほとり』
セラミックスタジオ『時の端』
コワーキングスペース『Soil work』
火を囲い、水を眺め、土に触れて、人と働く……生きるために必要な動詞が、ここでは次々と生まれていきます。
Com-ionという名前は、「人」と「動詞」を包み込む場所、という意味で名付けました。
「Com(ともに)」と「 ion(〜をすること)」。
「Companion(仲間)」「Communication(意思疎通)」「Combination(組み合わせ)」など、2つの間に言葉を入れることで、新たな意味が生み出されます。
この場所を定義づけることなく、集まる「人」たちの「動詞」によって、
自由に意味が生み出される場所にしたい。
そんな思いから、『Com-ion』という肝心な部分に空白のある名前をつけました。
歩く、座る、食べる、買う、休む……
一人が存在すると、そこにあらゆる動詞が生まれます。
出会う、話す、集まる、遊ぶ、働く……
さらに人が増えると、動詞もまた増えていきます。
人と人がよく関わり、動詞を生めば生むほど、その空間は複雑で豊かになる。そして、関係や愛着が育まれていく。
街とはそのように作られていくものではないかと、私たちは考えています。
Com-ionはそんな「人」と「動詞」を包み込む、温かな器のような、
開かれた家のような場所でありたい。
そして、ここで生まれる関係や愛着を外にも広げて、街に心地よいリズムを作っていきたい。
一つの施設が街にどんな影響を与えられるのかはまだ未知数ですが、
そういった意志を持って、Com-ionという場所を作りました。
Com-ionが生まれた経緯
Com-ionの発起人は、レストラン『LURRA°』共同創業者の宮下拓己です。
今回Com-ionをスタートするにあたり、新しく株式会社ひがしやま企画を立ち上げました。
宮下がCom-ionを構想し始めたきっかけは、コロナと子育てでした。
コロナで飲食業界が大打撃を受けた、エアポケットのような期間。
そして、新しい命を迎えて親としても試行錯誤した時間。
10代の頃から飲食の世界で走り続けてきた宮下にとって、それは初めて立ち止まって考える機会でした。
レストランって誰のためにあるんだろう?
食事をするとはどういうことなんだろう?
自分は子供たちの未来のために何ができるんだろう?
これまではレストランの料理を作品と捉え、それをどう届けるかにフォーカスしてきたけれど、この時からより根本的な「人が集まること」「ともに楽しむこと」について焦点を当てていきたいと考え始めました。
その視線は、「レストラン」という単位から「街」へと広がっていきます。
そこで出会ったのが、LURRA°のすぐそばにある青山邸でした。
母屋、倉庫、離れといった約500平米の3棟で構成されたこの建物を見たとき、「街」へのより大きな接点を感じました。
自分自身が日々を過ごす中で愛着を持ったこの岡崎という街を、より豊かにできたなら。
そんな思いをもとに、様々な人を巻き込みながら2021年からCom-ion構想が始まります
そうして宮下の思いに共感して集まってくれた人たちが、Com-ionをともに生み育ててくれることになりました。
Com-ionを構成する4つの空間
Com-ionは、4つの空間で構成されています。
一つ目は『HiTOHi』。
All-day Dining
朝・昼・夜と、一日を通して移り変わるオールデイダイニングです。
火の周りに人が集まり、人と人が食を通じてつながる場所。
プリミティブで穏やかな「火」と「人」の関係性を大切にしながら、
素材の魅力や季節のうつろいを感じ、誰もがともにおいしさを味わえる食卓です。
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二つ目は『ほとり』。
Cafe/shop
白川沿いに面するこのカフェ&ショップには、余白にひたる時間があります。
忙しない毎日から少し離れて、大きく深呼吸。コーヒーやワインを飲んだりサンドイッチをかじったりしながら目の前の白川を眺めていると、自然と新しいエネルギーが湧き出てきます。
外から一番よく見えるのに、中に入るには実は一番遠回りな場所なのもポイントです。
余白の時間に身をひたすために、ぜひ遠回りしてきてください。
ここでしか買えない、HiTOHiのオリジナルグッズや調味料などもご用意しています。
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三つ目は『Soil work』。
Coworking Space
尾道、東京、千葉、神奈川に拠点を置きながらともにつながり合う、株式会社Stapleが運営するコワーキングスペース。
気持ちの良い人たちが自然と集まってくるこの場所を、京都にもぜひ呼びたいと考えました。
Soil workが掲げるのは「未来への土仕事」。拠点を越えて入居者同士で気づきや学びを循環し合い、「未来」や「働く」をより豊かにしていく。
大学の多いここ京都では学生も交えながら、他のスペースとの垣根も越えて、自然と人が混ざり合う場所にしたいと考えています。
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そして最後に『時の端』。
Ceramic Studio
ここは、生活に寄り添う清水焼ブランド『TOKINOHA』のもう一つの工房兼ショップ。
職人と料理人が対話する中で生まれたテーラーメイド作品の、デッドストック一つひとつを蘇らせる新しい清水焼ブランドです。
伝統産業を常に今の形にアップデートし、未来へつなげる。
そんな『TOKINOHA』の新しい挑戦の場でもあります。
ぜひここで、偶然残った物語のひとかけらに触れ、あなたの自由な感性で選び取ってください。
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また4つの空間同士をつなぐように、樹を囲む「Idobata」や白川を望む「Mizube」といった、子供も大人も自由に過ごせる屋外フリースペースもあります。コーヒーやワインを飲みながら、のんびりと日向ぼっこをするのもおすすめです。
Com-ionのこれから
哲学者のガスト・パシュラールや地理学者のイーフー・トゥアンは、場所に対する愛着や情感的な結びつきの感覚を「トポフィリア(topophilia)」と名付けたそうです。
Com-ionが目指すのは、まさにそういうことです。
「街を作る」のではなく「街で過ごす」こと。
街に対して「人」が「動詞」を通して深く豊かに関わっていき、関係や愛着を育んでいく、そんなきっかけとなる場所になることです。
始まったばかりのCom-ionはただの器で、まだ間に入る動詞は多くありません。
ぜひ、あなた自身がここで時を過ごし、動詞をたくさん生み出してください。
それがCom-ionの、そして街の一部となって息づいていくはずです。
ここ岡崎に長く根付く町屋が、シンボリックな白川が、Com-ionという器を強く支える基盤になると信じて。この場所で、様々な人が混ざり合い、いろんな物事が生み出されますように。
そんな願いを込めて、Com-ionを始めたいと思っています。