見出し画像

『海がきこえる』を読み(視聴し)なおす:その3 小説版・アニメ版を入手するには?

タグ: #読書の秋2021 ,#海がきこえる,#海がきこえるⅡアイがあるから,#氷室冴子,#スタジオジブリ,#アニメ,#小説,#考察

その2のページへ


いま『海がきこえる』を入手するには?―興味を持った方へ―


 前回、『海がきこえる』がどんな作品なのか、知らない読者に向けて紹介する記事を書きました。くわえて、『海がきこえる』シリーズの誕生から現在にいたるまでの変遷を紹介し、「小説版」「アニメ版」の2つに分類した上でそれぞれ微妙に差異が存在することも書きました。
(実写テレビドラマ版も存在しますが、本稿における考察の対象外なので、ここでは除外します)

小説版

1.アニメージュ連載版小説 『海がきこえる』

2.ハードカバー版小説   『海がきこえる』
              『海がきこえるⅡ アイがあるから』

3.文庫版小説       『海がきこえる』
              『海がきこえるⅡ アイがあるから』 

アニメ版

4.アニメ版        『海がきこえる』 


 この1~4の中で、入手する難易度で考えると、4が一番難易度が低く、1が一番難易度が高いと考えます。(2021年現在)

 手軽に楽しむのであれば、4のアニメ版を、アニメ版を見て、原作小説に興味が出てきたのであれば、3の文庫版の入手をおすすめします。

注意

なお、あらかじめお断りしますが、この記事を読んだ読者の方が、『海がきこえる』シリーズの作品や関連本などを入手する過程で起こりえるさまざまなトラブル・問題などについて、筆者はその責任を一切負いません。

 4.アニメ版

 DVD版に加えて、近年Blu-ray版が発売されたことで、最も容易に入手(購入やレンタル)しやすくなっているのが特徴です。中古品でなく、新品で購入することも可能であると考えられます。ただ、スタジオジブリ作品は、ネット配信されていないため、実際のレンタルビデオ店でDVDやBlu-rayをレンタルする必要があります。
 そんな中、「TSUTAYA DISCAS」の初回登録30日間無料期間を利用すれば、レンタルで無料視聴できるようです。(2021年現在)
 2021年12月1日に、『ジブリがいっぱい 監督もいっぱい コレクション』と題して、宮崎・高畑両監督以外の監督のジブリ作品を集めたDVD/Blu-rayが発売されるようです。(アニメ版『海がきこえる』も収録されています)

 2022年4月20日に『ジブリがいっぱいコレクション 海がきこえる』のデジタルリマスター版DVDが発売されることになりました。映像特典などは過去のDVDと変更がなさそうですが、パッケージデザインが劇場ポスターのキーアートに変更されています。
 仕様として、過去のDVD同様にピクチャーディスク2枚組ということで、ディスク表面のイラストも一緒に変更されるか注目です。

参考:デジタルリマスター版DVD発売紹介ページ

参考:デジタルリマスター版『海がきこえる』商品ページ


 3.文庫版

 新品の本の値段で考えれば、一番安く購入できます。
(ただし、初版発行から20年以上経過していることもあり、現在ほぼ絶版状態だと思われます)
当然、中古で入手することになるわけですが、オークションサイトや中古本のネット通販サイトなどで、値段が高騰している場合もあり、その点注意が必要です。
安く購入することを考えれば、古本屋で地道に探せばまだまだ見つけることができると思います。
(古本屋での中古本2冊同時に購入はなかなか難しいかもしれませんが)
 また、地元の図書館に所蔵しているのであれば、貸し出してくれるかもしれません。地元の図書館にない場合でも、同じ都道府県内の公立図書館に所蔵されていれば、図書館の「遠隔貸し出しネットワーク」を利用して、都道府県立図書館などの大きな図書館から地元の図書館を介して借りることもできると思います。
(対応していない図書館もあるかもしれません。)
 公立図書館の場合、貸出期間が2週間くらいです。読了するのに、十分な時間だと思います。貸し出し予約が入っていない場合、カウンターで貸し出しの延長ができると思います。わからない事があれば、カウンターの図書館司書さんに聞いてみましょう。

 2.ハードカバー版(単行本)

 文庫版同様に中古本を入手することになります。商品の状態によりますが、オークションサイトや中古本のネット通販サイト、古本屋においても文庫版より発行年が古いこともあり安く購入できると思います。
 ハードカバー(単行本)は文庫に比べて、本のつくりが丈夫のため、経年による劣化をのぞけば、文庫本より状態が良いものが多いことが想定できます。
 図書館においても、文庫版ではなく、ハードカバー版で所蔵している場合が考えられます。ただ、25年以上前に出版された本であるため、手軽に閲覧できる「開架スペース」ではなく、「閉架書庫」に所蔵されている場合も考えられます。図書館で蔵書検索する際、目当ての本が「開架スペース」のどこにあるのか、「閉架書庫」にあるのか注意が必要です。
(文庫版にも言えることなのですが…)

 1.アニメージュ連載版

 もっとも入手難度が高いと思われます。そもそも連載自体が30年以上前のことであり、書籍に比べて、雑誌は、普通の古本屋ではほとんど扱いがありません。アニメ雑誌専門の古書店やアニメ雑誌や同人誌専門のネット通販サイトやオークションサイトを見れば、該当する掲載号を見つけることはできると思いますが、1冊で新刊雑誌以上の値が付く場合もあり、全23回分の連載が掲載された号をまとめて入手するのは、かなり手間がかかると思われます。
 図書館においても、書籍以上に30年以上前のアニメ雑誌を所蔵している図書館は数が限られている上に、該当する号を所蔵しているとは限りません。
 では、アニメージュ連載版入手において、図書館は全く役に立たないのでしょうか?実は、雑誌連載であったこのアニメージュ版に限っていえば、「国立国会図書館の遠隔複写サービス」を利用することで、欠巻である一部の号をのぞいて、雑誌連載ページの複写コピーを自宅にいながら入手することが可能なのです。
(ただし、コピー代金と事務手数料、配送料、消費税がかかります。また、国立国会図書館の利用ID取得に際し、郵便でやり取りするという手間暇がかかるため、ID取得から、複写コピーが届くまでかなりに日数が必要となるのがネックです。)
 前の記事でも書きましたが、このアニメージュ版には、ハードカバー版として発売される過程で、作者によって加筆修正された描写やストーリーがかなりあります。特に連載最後の数回は、「幻の四万十川篇」として熱心なファンの間で語り継がれる幻のストーリーだそうです。

参考:南洋駄菓子本舗 海がきこえる~幻の四万十編を追う①~⑦


 さて、ここまで、『海がきこえる』に興味を持たれた読者の方向けに、「小説版」「アニメ版」を入手する方法を見てきました。

それでは、次回、どのような形で考察していくかを記事にしていきたいと思います。

※記事に使用した場面写真は、スタジオジブリ公式サイトが提供する「スタジオジブリ作品の場面写真」のうち、「海がきこえる」のページのものを使用・加工しております。 


その4のページへ

いいなと思ったら応援しよう!